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観光ガイドと巡る石見銀山(2) 「龍源寺間歩」後編

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2016年10月25日 公開

2017年に、世界遺産に登録され10周年を迎える石見銀山。今も当時の採掘坑道(間歩)や銀により栄えた町並みを観光することができます。龍源寺間歩は、世界遺産石見銀山遺跡の中で、常時公開されている唯一の坑道。

龍源寺間歩までは、便利なレンタサイクルで気軽に訪れることができますが、オススメはガイドさんの案内で巡ること!龍源寺間歩までの道のりも、ガイドさんからの案内で目からウロコの連続間違いなし!

採掘の技術、往時の暮らし、歴史、そして先人を敬い受け継いでいこうとしている土地の人々のスピリッツを、ガイドさんと歩いて感じてみましょう!

 

前編はこちらから
ガイドさんと巡ろう!石見銀山(1) 「龍源寺間歩」前編

 

豊栄神社

豊栄神社

幕末の激動を垣間見る神社

永禄4年(1561)に毛利元就が山吹城に自分の木像を安置し、元亀2年(1571)には長安寺を建立、木像を移したと伝えられています。幕末に長州藩が石見に侵攻したとき、長安寺に木像が安置されていたことから、そこに隊士たちが建立しました。

豊栄神社

【ガイドさんから一言】
境内におかれている灯篭には「第三大隊二番中隊銃手」、「第三大隊二番中隊会計」、用水桶には「勇力隊中」(藩のお抱え力士)、狛犬には「第二大隊一番中隊司令」などと刻まれています。名前を読んでみるのも面白いですよ。

豊栄神社
〒694-0305 島根県大田市大森町 銀山地区 [MAP]
TEL:0854-88-9950  (大田市観光協会)

 

 

清水谷製錬所跡

清水谷製錬所跡

明治期の銀生産を伝える近代の精錬所跡

明治28年(1895)から29年に操業された近代的な精錬所です。最新式の技術を投入し、総工費20万円をかけて建設した大型製錬所でした。高さ33メートルの谷の斜面に8段の石垣を築き、上から下に連なるように建物が建てられていました。周囲の鉱夫住宅跡、変電所跡、選鉱場跡、トロッコ道などが見られます。

【ガイドさんから一言】
この製錬所を設計した武田恭作の開発した技術が、携帯電話などから金銀銅を取り出す技術につながっていますよ。

清水谷製錬所
〒694-0305 島根県大田市大森町 銀山地区 [MAP]
TEL:0854-88-9950  (大田市観光協会)

 

 

清水寺(せいすいじ)

清水寺の門

長安の家紋が描かれた本堂の格天井は必見!

推古天皇の時代に創建された真言宗のお寺です。銀山開発に関わった領主や代官らに信仰されました。江戸の初期、銀山師安原伝兵衛がこのお寺の観音様のお告げにより大量の銀を生産し、徳川家康に13.5トンの銀を献上したと言われています。境内には、狛犬や安原備中(伝兵衛)のお墓もあります。

清水寺本堂の格天井
家紋で埋め尽くされた本堂の格天井。上から3列目中央が大久保長安の家紋

【ガイドさんから一言】
格天井は初代銀山奉行大久保長安と地役人の吉岡出雲らが奉納したと伝えられています。長安の家紋をとどめた格天井は、清水寺のみに伝わっていますよ。

清水寺
〒694-0305 島根県大田市大森町 銀山地区 [MAP]
TEL:0854-88-9950  (大田市観光協会)

 

 

新切間歩

大森の町に最も近い新切間歩

大森の町に最も近い間歩

600カ所を超える石見銀山の間歩のなかで、最も大森の町に近いのが新切間歩です。正徳5年(1715)代官鈴木八右衛門の時代に開発され、当初は水を抜くために掘られたと考えられています。江戸時代後期に、520mまで堀り進んでいましたが、その後休山となりました。

【ガイドさんから一言】
江戸時代の中期から江戸時代後期まで、役人が常駐する石見銀山を代表する間歩の一つでした。4月から5月には銀山に咲く花「ハクサンハタザオ」の花が見られます。

新切間歩近くの休憩場所
新切間歩の周辺は遊歩道が整備され、トイレやベンチで一息つく事もできる

新切間歩
〒694-0305 島根県大田市大森町 銀山地区 [MAP]
TEL:0854-88-9950  (大田市観光協会)

 

 

福神山間歩

3ヵ所の坑道がある福神山間歩

ひとつの間歩に3ヵ所の坑道がある特殊な構造を見よう!

龍源寺間歩へ向う市道沿いに坑道口が残る間歩です。当初は、採掘にあたった山師の『自分山』でしたが、一時は、代官所直営の『御直山』(おじきやま)になったことがあるとか。3カ所ある坑道は、上段が空気抜き、下段の2坑は中でつながり、銀山川の下をくぐって仙ノ山に伸びている特殊な構造です。

【ガイドさんから一言】
昔は、対岸の平面になっている場所にお寺がありました。そのお寺の下に坑道を開けたのではないかと考えられます。それが特殊な構造になっている理由です。

福神山間歩
〒694-0305 島根県大田市大森町 銀山地区 [MAP]
TEL:0854-88-9950  (大田市観光協会)

 

 

龍源寺間歩

龍源寺間歩

銀を採掘した坑道「間歩」を通年で一般公開

江戸時代の初期から採掘されていると言われています。全長約600mの坑道のうち157mが公開されています。通路になっているところは明治期の掘り跡で、通路の両横の坑道が江戸時代に銀を採掘した跡です。途中立ち入り禁止となっているのは100mの排水溝で、通路の約400m下まで坑道があります。

龍源寺間歩の排水溝
坑道に溜まった水を地下100mの永久坑道へ排水する排水溝

龍源寺間歩の入り口
龍源寺間歩の入り口(左)と入場受付(右)

【ガイドさんから一言】
坑道内は、冬は暖かく、夏は天然のクーラー。ガイドと歩けば、銀がどこにあるか教えますよ。坑道の入口の前には、銀山に生えるヘビノネゴザというシダも見えます。「ガイドさんがいなかったら何にも分からないね」という観光客の声が多いスポットです。

龍源寺間歩
〒694-0305 島根県大田市大森町ニ183 [MAP]
TEL:0854-89-0347
【入場料】大人410円(310円)、小人210円(150円)、幼児無料 ※( )内は20名以上の団体料金
【時間】9:00~17:00(12月~2月は16:00まで) ※最終入場は10分前まで

 

 

銀山観光にはレンタサイクルが便利

ガイドさんとの徒歩による銀山巡りもオススメですが、体力に自信がない方やもっと気軽に巡りたいという方にはレンタサイクルが便利。

 

レンタサイクル河村

【貸出場所】代官所跡バス停付近
【営業時間】9:00~17:00
【料金】[電動アシスト自転車]2時間 700円 、[自転車]3時間 500円

レンタサイクル河村
〒694-0305 島根県大田市大森町宮ノ前ハ48-1 [MAP]
TEL:0854-89-0633

 

 

 

この記事の続編はこちらから
ガイドさんと巡ろう!石見銀山(3) 「大森の町並み」編

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世界遺産 石見銀山徹底ガイド「銀山ぶらり」

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