観光ガイドと巡る石見銀山(3) 「大森の町並み」編

2017年、世界遺産登録から10周年を迎える石見銀山。今も当時の採掘坑道である間歩(まぶ)や銀により栄えた町並みを観光することができます。

「大森の町並み」地区は、江戸時代の武家屋敷や代官所跡、石見銀山で栄えた豪商・熊谷家住宅など、歴史的な建造物や文化財が当時の面影を今も残しています。

石見銀山 大森の町並
雰囲気のある建物が建ち並ぶ大森の町並み

思い思いに気ままに散策するのも良いですが、やっぱりオススメはガイドさんとの町巡り。旧家の家づくりの工夫や、当時の職人さんの技などをくまなく教えてくれます。

採掘の技術、往時の暮らし、歴史、そして先人を敬い受け継いでいこうとしている土地の人々のスピリッツを、ガイドさんと歩いて感じてみましょう!

 

石見銀山ガイドの会

石見銀山ガイドの会の集合写真

地元のガイドならではの細やかさが好評

石見銀山遺跡と文化的景観を楽しくわかりやすく案内したいと、平成12年に結成されました。地元ガイドならではの親しみやすさと丁寧な案内が人気です。何気なく通り過ぎてしまいそうなところも、ガイドさんの説明で驚きの連続!歴史的背景など目に見えない部分もしっかりと教えてもらえます。

石見銀山定時ワンコインガイド 「大森の町並コース」
【料金】大人500円、小中学生100円 ※別途石見銀山資料館への入館料
【定員】15名 予約不要(先着順)※1ヶ月前より予約可
【日時】毎日1回 (1)10:30~ ※年末年始は休み
【集合】代官所前ひろば [MAP]

石見銀山ガイドの会
〒694-0305 島根県大田市大森町イ824-3 [MAP]
TEL:0854-89-0120
※定時ワンコインガイド以外のガイドも行っていますのでお気軽にご相談下さい。
http://iwamiginzan-guide.jp/

 

石見銀山ガイドの会は現在約70人の会員さんが活動し、平成27年に案内した観光客数は約40000人。「ガイドさんと歩いてなぜ世界遺産なのかがよくわかって、楽しく過ごせた。」という声がたくさん寄せられています。

今回は「大森の町並み」コースで巡る、ガイドさんおススメのスポットをご紹介します。

 

城上神社

城上神社

見どころいっぱい!大森の氏神様を祀る神社

大森の氏神様を祀る神社で、祭神は大物主命(大国主命)です。永享6年(1434)に大内氏によって仁摩町馬路の高山から大森町愛宕山に遷座され、天正5年(1577)に毛利氏により現在の位置に遷座されました。拝殿の格天井に描かれた龍の絵「鳴き龍」の下で手を叩くと、リンリンという鳴き声のような音がするとか……。

城上神社 龍の天井

【ガイドさんから一言】
境内には、銀を掘り出した仙ノ山と山吹城のあった要害山が同時に眺められるポイントのほか、見どころもいろいろ。縁結びの葉やハートマークの付いた祠もありますよ。

城上神社
〒694-0305 島根県大田市大森町イ1477 [MAP]
TEL:0854-88-9950 (大田市観光協会)

 

 

石見銀山資料館

旧大森区裁判所

石見銀山の歴史や技法を知って散策をしよう!

明治35年(1902)に建てられた邇摩郡役所がそのままの姿で資料館に。昭和51年(1976)に地元有志が開館しました。鉱山道具や、鉱山に関する古文書、奉行や代官の遺品などが展示されています。江戸時代には、石見銀山領の代官所があり、今も、春は梅に桜、初夏は藤にツツジ、秋は紅葉が楽しめます。

【ガイドさんから一言】
百姓一揆などが起こった場合の代官の逃げ道と伝えられる「抜け穴」があり、抜け道はお隣の城上神社と、裏手の勝源寺に通じていると伝えられていますよ。

石見銀山資料館
〒694-0305 島根県大田市大森町ハ51-1 [MAP]
TEL:0854-89-0846
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】年末年始
http://fish.miracle.ne.jp/silver/

 

 

勝源寺

勝源寺

大切にされてきた奉行・代官さまの菩提寺

大久保石見守長安と竹村丹後守道清が建立し、1601年に完成しました。江戸幕府直轄の領地、「天領」だった石見銀山に任命された奉行・代官の菩提寺で、後に、徳川家康を祀る東照宮が勝源寺の裏山に建てられると、歴代奉行・代官は毎年参拝したといいます。

【ガイドさんから一言】
寺の四脚門に、龍の彫刻が施されています。この龍は、毎夜水を飲みに抜け出して困ることから、目に竹釘を打ち動けないようにしたと伝えられています。また、歴代奉行や代官のお墓のほか、石造隠れキリシタン地蔵やマリア観音像などがありますよ。

勝源寺
〒694-0305 島根県大田市大森町イ430-1 [MAP]
TEL:0854-89-0252
http://www.shougenji.ecnet.jp/

 

 

熊谷家住宅

熊谷家住宅

江戸時代の商家の大きさにびっくり!

鉱山業の他、酒造業、金融業など代官所の御用商人などを務めたのが熊谷家。享和元年(1801)建造の大きな梁をわたした土間を見上げると、その頑強でスケールの大きな造りが当時の財力を思わせます。屋敷の部屋は30室。母屋のほかに5棟の蔵があり、熊谷家の歴史や生活に関わる展示品が公開されています。(国の重要文化財指定)

熊谷家住宅の台所
「かまど」も現役で活躍している、幕末から明治初年の姿に復原された台所。

【ガイドさんから一言】
あまりに広くて迷路のようなお屋敷です。火災に備えて設備した地下蔵にびっくり。各展示室にいる動物探しも楽しめます。

熊谷家住宅
〒694-0305 島根県大田市大森町ハ63 [MAP]
TEL:0854-89-9003
【開館時間】9:30~17:00
【休館日】毎月最終火曜日、年末年始(12月29日~1月3日)、臨時休あり
http://kumagai.city.ohda.lg.jp/

 

 

西性寺

西性寺

左官の神様松浦栄吉の鏝絵は必見!

寛正6年(1465)の創建と伝えられる寺院です。大永4年(1524)に天台宗から浄土真宗に改宗して西性寺と称するようになりました。現在の本堂は弘化2年(1845)に再建されたもので、「左官の神様」と称された松浦栄吉が還暦を迎えた頃(大正時代中期)、経蔵の壁に描いた鏝絵「鳳凰」は、県下随一の作品と言われています。

【ガイドさんから一言】
壁面に描かれた鏝絵は素晴らしいです。経蔵には、ほかの三面の壁にも大輪の牡丹や菊の花が描かれていてとてもきれいですよ。本堂の屋根にも注目です。

西性寺
〒694-0305 島根県大田市大森町イ1510 [MAP]
TEL:0854-89-0054

 

 

観世音寺

観世音寺

世界遺産の景色を一望できるお寺

大森の町を貫く通り沿いの岩盤の上に建立されたのが観世音寺です。創建は不詳ですが、寛政12年(1800)の大火で類焼後再建されました。江戸時代は石見銀山の大盛を祈願する寺で、本堂、山門、鐘楼が残されています。石段の上り口には一畑薬師が置かれ、鉱山で目を傷めた人の祈願所だったということです。

観世音寺

【ガイドさんから一言】
岩盤を刻んだ石段を上ると、「世界遺産石見銀山遺跡とその文化的景観」を代表する景色が一望できます。石州瓦の家並みも見え、町並み随一のビューポイントです。

観世音寺
〒694-0305 島根県大田市大森町イ1383 [MAP]
TEL:0854-89-0067

 

 

旧大森区裁判所(町並み交流センター)

旧大森区裁判所 (町並み交流センター)

明治時代の洋風建築の面影を残す、かつての裁判所

大森の町の中ほどに、白い洋風建築の建物が姿を現します。明治23年(1890)に開所し、昭和20年初めまで使われていた裁判所です。当時、大森に住む住民が建築資材や土地を提供して建てられたとか。現在は、町並み交流センターとして活用され、銀山や大森の町の歴史を映像で紹介したり、町並み保存の資料が展示されていて無料で見学できます。

【ガイドさんから一言】
室内には、昔の法廷の様子を復元したジオラマが展示されています。繁栄時の大森の様子がよくわかりますよ。短時間で見られるビデオコーナーもおすすめです。

旧大森区裁判所(町並み交流センター)
〒694-0305 島根県大田市大森町イ490 [MAP]
TEL:0854-89-0330
【開館時間】9:00~16:30
【休館日】年末年始

 

 

代官所地役人 旧河島家

旧河島家
凛とした雰囲気が素敵な中の間と奥の間

代々銀山奉行附きのお役人を務めた旧家

地役人の総括役である組頭まで昇進した河島家。武家屋敷は、配置や間取りにその特徴をよく残しています。寛政12年(1800)の大火後に再建され、文政8年(1825)までの間に増築されたとか。現在、主屋は塀や庭とともに修復されています。

旧河島家

【ガイドさんから一言】
大森の町は、武家と町家が混在しているところに特徴があります。上層の武家屋敷は、通りに面して門や塀があり、主屋との間に庭を設けています。一方、町家は、通りに面して主屋を建てています。ここが見るポイントですよ!

代官所地役人 旧河島家
〒694-0305 島根県大田市大森町ハ118-1 [MAP]
TEL:0854-89-0932
【開館時間】9:00~16:30
【休館日】年末年始(12月29日~1月3日)
http://kumagai.city.ohda.lg.jp/10.html

 

 

五百羅漢 羅漢寺

羅漢寺 五百羅漢

銀山で亡くなった人々を供養する五百羅漢

宝暦年間(1751~63)に、住職の月海浄印が五百羅漢を造営し、羅漢寺を建立しました。銀山で亡くなった人々の霊と祖先を供養する羅漢寺には、3つの石窟があり、25年の歳月をかけて造られた500体の羅漢像が安置されています。石窟の前を流れる銀山川の支流に架かる返り橋も当時のまま、今に至っています。

【ガイドさんから一言】
羅漢には色鮮やかな色彩が施されていて、一つひとつ表情が違います。泣いていたり笑っていたり、説法をしていたり。思わず手を合わせたくなります。

五百羅漢 羅漢寺
〒694-0305 島根県大田市大森町イ804 [MAP]
TEL:0854-89-0005
【開館時間】9:00~17:00
【休館日】不定休
http://www.rakanji.jp/gohyakurakan.html

 

 

理容館アラタ

理容室アラタ

町並み散策途中で発見!レトロな床屋さん

大森の町を散策していると、ノスタルジックな雰囲気の理容店を見つけることができます。大正末期創業の理容館アラタ。平成24年に、全国理容連合会から理容遺産第1号店に認定されました。当時のアールヌーボーのデザインを施した理容椅子などそのままになっていて、外から眺めることができます。

【ガイドさんから一言】
今は営業していませんが、昭和時代にはとても流行っていて、経営していた荒田末市・トヨメさんは大忙しだったそうですよ。

理容室アラタ 和田珍味銀山店
〒694-0305 島根県大田市大森町ハ79 [MAP]
TEL:0854-87-0050
【開館時間】11:00~14:00
【休館日】平日、年末年始
http://wadachinmi.co.jp/ginzan.html

 

「龍源寺間歩」編はこちらから
ガイドさんと巡ろう!石見銀山(1) 「龍源寺間歩」前編

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