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 関敬吾氏の『日本昔話大成』の分類では、「笑話」の「一、愚人譚」の項目に「B 愚か聟(息子)」があり、そこに「馬の尻に札」として位置づけられています。そして全国的に広く分布しています。島根県内でもあちこちで収録されていますが、やはり、牛よりも馬が登場する方が多いようです。したがって、この話は牛が使われている点で、やや珍しい部類に属していると言えそうです。 (解説 酒井董美先生)
酒井董美先生のプロフィール

語り:古川シナさん(江津市 明治24生・昭和46年収録)

 バカ婿さんが嫁さんの所へ初めて婿入りに行くそうな。そうすると、嫁さんが言うことにゃ、
「うちにええ家を建てただけえ、『ええ家だ』と褒めて、うちの大事な大黒柱に、ちいとギリギリがある。
節くれが、穴がある」言うてな、
「『こりゃあ、大事なとこに穴があるが、これは何か神さんのお守りでも貼っておきんさい』いうて言いんさい」
て言うて、嫁さんが言うて聞かしたいうて。
そがしたら、婿さんが行ったいうて。行ったところが、その舅じいさんが、
「うちにゃ、ええ牛を買うたけえ見てごせ」
いうて言えただげな。
そがしたら、その牛を婿さんが見て、そがしたら、ケツ穴が開いとったけえ、
「こりゃあまあ、悪いとこに穴が開いとるが、神さんのお守りでも貼りんさい」
いうて婿さんが言うた、いうような昔話を聞いたことがあります。
そいでように教えた知恵というものはつまらんという・・・。
まあ、それぐらいのことしか覚えておりません。


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