語り:古川シナさん(江津市 明治24生・昭和46年収録) |
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バカ婿さんが嫁さんの所へ初めて婿入りに行くそうな。そうすると、嫁さんが言うことにゃ、
「うちにええ家を建てただけえ、『ええ家だ』と褒めて、うちの大事な大黒柱に、ちいとギリギリがある。
節くれが、穴がある」言うてな、
「『こりゃあ、大事なとこに穴があるが、これは何か神さんのお守りでも貼っておきんさい』いうて言いんさい」
て言うて、嫁さんが言うて聞かしたいうて。
そがしたら、婿さんが行ったいうて。行ったところが、その舅じいさんが、
「うちにゃ、ええ牛を買うたけえ見てごせ」
いうて言えただげな。
そがしたら、その牛を婿さんが見て、そがしたら、ケツ穴が開いとったけえ、
「こりゃあまあ、悪いとこに穴が開いとるが、神さんのお守りでも貼りんさい」
いうて婿さんが言うた、いうような昔話を聞いたことがあります。
そいでように教えた知恵というものはつまらんという・・・。
まあ、それぐらいのことしか覚えておりません。
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