「俵に猫」と思ったら…　「家紋に虎」 昭和20年代 杉本豊吉 大田市長久町　渡辺家 解説 　大田市長久地区にある長久小学校からみえる民家の土蔵。俵に猫がまとわりついているような、ちょっとユーモラスな鏝絵が描かれています。米蔵をネズミから守っているのでしょうか？実は、これ、猫ではなくて虎なのです。そして、俵ではなくて家紋（九枚笹）なのです。 鏝絵博士の豆知識 「国際派の職人　豊吉」 　この作品の作者杉本豊吉（1894-1983）は、おけ職人の修行をした後、左官になり、サハリン（樺太）の日本人町で終戦を迎えました。豊吉は、この地で彫刻技術を習得し、20人程の職人を使って仕事をしていたようです。また、気さくな人柄で人望も篤く、議員を務めるなど日本人町の発展に尽くしました。 ＜＜前の鏝絵　　鏝絵一覧　　次の鏝絵＞＞