聞いて、触れて、感じる 見えない旅の楽しみ方 松江めぐり

国宝松江城(天下一優しいお城ガイドまつえ時代案内人のもと、石垣に触れる)

堀川遊覧船(船頭のガイドや歌、橋をくぐる感覚を楽しむ)

そば打ち体験(自ら体験し、名物を味わう)

国宝松江城

城下町松江のシンボル国宝 松江城は全国に現存する12天守の中の一つで、2015年に国宝に指定されています。合戦を強く意識して建てられた城であり、城攻めへの対策を随所に凝らした工夫も見どころのポイントです。

松江城を自由に見学するのも良いですが、武者の姿の‟天下一やさしいお城ガイド″「まつえ時代案内人」にガイドをお願いすると、細かな秘密をより深く知ることができます。担当ガイドによっては甲冑や刀・火縄銃のレプリカを触らせてもらえたり、松江城の模型や、家紋の型を紐で再現し、触ってイメージできるものを用意してくれます。

天守に向かうまでにも、守りの工夫はたくさん。石段は段の高さが違ったり入り組んだりと登りにくいのですが、それも守備のアイディアであることに気付けます。石垣は場所によって石の大きさや形が変わり、その違いの意味を知ることができます。

天守閣内は急な階段です。声掛けや手引きのサポートの元、手すりを頼りに慎重に登るようにしましょう。城内には各階に簡単な音声ガイドがありますので、自分が何階にいるかを判別することができます。最上階は窓のない楼望です。おおよそ肩の位置まで柵があるため落ちる心配はありません。風が吹き抜け解放感抜群で、天下を取った気分を味わえます。

堀川遊覧船

国宝松江城を囲む堀川を約50分ゆったりめぐる屋根付きの小さな観光遊覧船です。冬はこたつ船、夏は風鈴船など四季を感じながら水の都松江をまわれます。お身体の不自由な方は、ふれあい乗船場から乗船するとバリアフリーに安全に乗り込むことができます。遊覧船スタッフはバリアフリー研修を受講されており、声掛けがとても丁寧で安心できます。

窓がなくオープンな小船なので気持ちの良い風が吹き抜けます。自然豊かなスポットでは野鳥が羽ばたいた音や川のせせらぎも聞こえます。声が響く「幸橋(さいわいばし)」の下に差し掛かると船頭さんが民謡を謡ってくれ、そのパフォーマンスに盛り上がります。

他にも高さの低い橋が4か所あり、下を通過するときには船の屋根が下がります。屋根に当たらないよう低い姿勢になるので、橋の高さを感じることができ一種のアトラクションのようでワクワクします。

松江城や城下町の様子も水上から伺えます。船頭さんが周りの風景や松江の歴史を語ってくれるので、見えなくても江戸時代の面影をたどりながら船旅を楽しめます。約50分ぐるっと一周してもよし、別の乗船場で下船して松江城やカラコロエリアで散策するもよし。変わった角度から松江をめぐると、新たな発見があるかもしれません。

そば打ち体験(そば処玄)

出雲地方に来たら食べてほしい出雲そば。そば処玄は職人が毎朝丁寧に仕込みをする手打ちそばの店で、テラス席ではペットと一緒に利用できます。そば打ちの実演見学やそば打ち体験も実施し、新たなそばの楽しみ方を提案しています。

そば打ち体験は2から3日前の予約制で、ランチ営業後に行います。作業工程は職人が丁寧に指導してくれます。こねたり生地がまとまっていく様子や、麺棒で伸ばし薄くする工程は手の感覚で分かるので見えなくても楽しめます。

そば切り包丁で細く切るところは、切った感覚が分かりにくいので、同行者や職人に手伝ってもらうと安心です。職人が切った時には「トントン」とリズミカルな音がするのでワクワクしてきます。

1鉢5人前の量が出来上がり、その場で湯がいて食べるのも良いですし、打ったそばを持ち帰ることもできます。自分で打ったそばは太さはまばらになってしまいますが、味はお墨付きなのでとても美味しく思い出の一コマになります。

リポーター:プロジェクトゆうあいスタッフ えみ(視覚障がい)