ひと粒のチョコレートは、口に含むだけで一瞬にして笑顔と幸せをもたらしてくれます。世界中の誰もが、そのとろけるくちどけと魅惑の甘みの虜になってしまいます。
チョコレートというと、“美味しいけれど甘い”、“甘いものはよくない”というイメージで、ダイエット志向の女性や子どものおやつから敬遠されていた時期がありました。
実は、チョコレートの原料である“カカオ”は決して甘くなく、苦みがある食材です。カカオには植物性の脂肪がたっぷり含まれ、鉄分や亜鉛、ビタミン、カリウムやマグネシウムなどによる代謝や免疫力アップ、貧血や冷え性の予防に欠かせない栄養素がふんだんに含まれています。また、高血圧予防に効果があるという報告まであります。
最近では健康効果を謳った「機能性チョコ」が大手菓子メーカーから多く発売されるようになり、その効用が注目されています。
チョコレートの原材料であるカカオの健康成分への興味と関心が高まったことにより、チョコレートは健康をサポートしてくれて、美しくもなれる嗜好品であるという意識変化が生まれてきたのです。

カカオ豆は薬効をもつ貴重品として、古代から薬の成分としても使われていました。赤道を中心とし、北緯20度から南緯20度にあるカカオベルト地帯に生育するカカオの木の実から採れる種子が、チョコレートの原料となります。
このカカオ豆に含まれる成分として、最初に挙げられるのがカカオポリフェノールです。
ポリフェノールはワインに含まれることで有名な、食材の色素に含まれる成分で、苦味や渋味があります。活性酸素を除去する働きがあり、細胞の酸化を防いでくれ、老化予防に効果があると言われています。
またコレステロールの抗酸化作用もあるため、動脈硬化になりにくいという健康面への効果もあります。
カカオの効能が取り上げられるようになってからは、手軽に健康と美を摂取できるチョコレートに注目が集まり、単なる甘いお菓子としてではなく、カカオの含有量や種類、製法などにこだわりを持った「チョコレート専門店」や、「ビーントゥーバー」と呼ばれる、カカオ豆から板チョコレートを製造するまで、全ての工程を自社で行うこだわりのチョコレート店も話題となっています。

2018年、のどかな平野が広がる出雲市斐川エリアにショコラトリがオープン。
パッケージやカカオの濃度などに細部にまでこだわった魅力的なチョコレートショップは、瞬く間に人気となりました。
季節ごとのフレイバーを用いたものや、希少なカカオを使ったチョコレートを少量ロットで販売しています。
カカオの含有量で苦さが決まるだけでなく、カカオ豆それぞれの風味が異なるため、香り、酸味、コク、余韻など奥深い味わいが楽しめます。
また、チョコレートにする前のカカオ豆をローストした「カカオ ニブ」も販売されています。カカオの成分をそのまま食べられる「高カカオ」のスーパーフードです。
肉料理と合わせたり、ミルクアイスに砕いて振りかけて食べたりしても美味しいです。
写真の商品では、苦味のあるニブをドライフルーツと合わせることで食べやすくなっています。


チョコレートはもはや子どものお菓子といった概念を超越した大人の嗜好品です。
カカオの繊細な味わいを楽しみながら、大人のティータイムを過ごしてみませんか。
文:西村 愛
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授
La chocolaterie NANAIRO(ラ ショコラトリ ナナイロ)
問い合わせ先 | La chocolaterie NANAIRO
0853-25-7676 |
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