美肌県しまね うるおい研究室美肌県しまね うるおい研究室

美肌宿体験レポート

美食と健康 癒しの宿
「はたご小田温泉」

出雲市の西、穏やかな海辺の町にある「はたご小田温泉」。四季折々の景色が美しい、里山にひっそりと佇む旅館です。日頃がんばりすぎている人に、リラックスと美肌を作るための癒しのプログラムを提供し、地元の食材をふんだんに使った食でもてなしてくれる温泉宿をレポートします。

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神話の女神「トヨタマヒメ」の
お膝元に潜む隠れ宿

ここは、大正時代末期に川の中で源泉が発見され、美肌の湯が自慢、自然の趣あふれる温泉宿です。清らかに流れる小田川沿いにあり、今年創業100年を迎えました。
館内には宿の主人が製作、蒐集した美術品が飾られ、自然の趣をそのままに生かした庭園も眺められます。
多伎の豊かな自然と暮らしの調和があり、安らぎと寛ぎが感じられます。

旅館のロビーも純和風な佇まい。
ここでは着物の古着や器なども販売され、ノスタルジックな空間が広がります。あれこれと自分のお気に入りを、宝探しのように探す時間も、ステイ中のお楽しみです。

はたご小田温泉では「癒しのプログラム」が用意されています。
そのひとつが、「小田神社での正式参拝」です。

小田神社は宿と同じ多伎町にあり、出雲国風土記にも「小田社」として登場する由緒ある神社。手を合わせることで心を落ち着け、その歴史やおかげを感じることができ、厳かな場所で神聖な気持ちになれますね。

神社では、毎月1日と15日に神事が執り行われ、それに合わせて正式参拝を受けることができます。
事前に宿へ予約しておくと、現地では宮司や地元ガイドから手水の使い方から参拝の仕方、また地元で崇敬されてきた神社に祀られている神々の話をわかりやすくご説明いただけます。

神前で祝詞を唱え、玉串を奉納。手を合わせて日頃の感謝を伝えました。普段、あまりすることがない正式参拝ですが、厳粛な空気に包まれ、静寂の境内で気持ちが引き締まるような心持ちになります。
御朱印、お守りも授かれます。これは、正式参拝以外の日でも後日届けとなりますが、いただくことができます。出雲の旅の思い出にもなりそうですね。

小田神社に祀られている神、彦火火出見尊(ヒコホホデミノミコト)と豊玉姫命(トヨタマヒメノミコト)はそれぞれ、民話である浦島太郎と乙姫様であると伝えられています。
海にまつわる神話や民話にこの海辺の地で触れることで、ぜひ美しい女神トヨタマヒメのご利益にあずかりたいものです。

自然のパワーあふれる
多伎の海からエネルギーチャージ

はたご小田温泉から車で数分行った場所には、コバルトブルーの海が楽しめるスポットがたくさんあります。
ここまで来たならば、ぜひ海の美しさも体験して帰りたいものです。
多伎町のキララビーチは、海水浴場として地元でも人気のビーチです。このビーチの前にある「道の駅キララ多伎」も地元のグルメやおみやげが購入でき、海遊びの立ち寄りスポットとして多くの人が利用する人気スポットです。「キララ」とは、公募で付けられた名前で、多伎町がキラキラと輝く町になるようにという願いが込められています。

ここで買いたいのは多伎町の特産品、いちじくを使った製品です。いちじく製品は1年を通して50種類ほどが揃い、道の駅の主力商品。8月から10月までは生いちじくも入荷するので、新鮮な生果も手に入ります。
干しいちじくやいちじくのドレッシングなど、日頃のおやつや食卓に使いやすい商品があります。
いちじくは女性に嬉しい食物繊維や、抗酸化作用のあるアントシアニンをたっぷりと含んでいるので、美肌づくりにはぴったりの食材です。

道の駅に併設された「キララベーカリー」は種類豊富なパン屋さん。
駐車場も広いので、ドライブのお供に、またおいしく小腹を満たす軽食にも立ち寄りやすい立地です。

キララビーチからは、海に沈む夕日も眺められます。
周辺を赤く染めながら、ゆっくりと水平線へと落ちていく夕日に感動を覚えます。

「海辺の多伎図書館」にも立ち寄ってみました。
ここからは空と海の絶景パノラマを楽しめます。

デッキテラスがあり、海風に吹かれながら癒しの時間を過ごすことができます。また、借りた本はそのまま持ち出して、読書することができます。
包み込んでくれるような海のパワーでリラックス。脱疲労、脱ストレスの良い時間を持ちたいものですね。

道の駅キララ多伎
https://www.kirara-taki.co.jp/

海辺の多伎図書館
https://izumolib.icv.ne.jp/library/lib-taki/

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「嗅覚反応分析」で今の自分を知り、
「豊玉の湯」で心と体を整える

多伎エリアの散策を終え、「癒しの美肌プログラム」を体験しに宿へ戻り、美肌調査を続けます。
はたご小田温泉では、心と体を癒すプランがたくさん用意されています。
ちょっと耳慣れない「嗅覚反応分析」という言葉。これは好みの香りから今の心と体の状態を明らかにし、より良い生活習慣を提案してくれるという分析方法です。
分析にかかる時間は30分ほど。8つの精油を嗅いでそれらを好みの順番に並べるというシンプルな作業だけで、自分が必要としているリラックス法や運動方法、健康法、食事方法などを知ることが出来ます。

この分析により、宿での滞在の仕方や、今後の生活の改善点などを分析士からアドバイスしてもらえます。その結果はグラフ化して見せてもらえるので、わかりやすく体質を客観視することもできます。
アロマの香りの好みを並べてみると、私の場合はこのようになりました。
香りを嗅ぐだけでもスッといい気分になりますね。

この結果をチャートにしてもらうと、自分の欠けている部分やバランスが乱れている部分が一目瞭然。
日常生活の中のストレスなどからくる内臓の疲れなどが、数字となって現れます。

嗅覚反応分析は、今の自分に合った食生活や改善点などの今後のアドバイスをもらえるものですが、今夜から実践できる“宿での滞在の仕方”を教えてくれるのは、はたご小田温泉だけの特別なプランです。

アロマを使い自分の体調や改善方法を知り、都会で疲れた心と体を見つめ直し、さらに、自分にとって最も良い滞在をこの宿で体験するというプログラム。
初めての体験でしたが、次回体験する時にはその時の体調や心持ちによって結果は変わってくるということです。もちろん個人差もあり千差万別の結果が出るので、その時の自分を冷静に判断できる貴重な機会です。新しい“気づき”を得ることによって、自分との向き合い方や食生活、日常生活を再考するきかっけともなるでしょう。
はたご小田温泉を十分に楽しむためにも、ぜひステイの早い段階で参加したいプログラムです。

さて、癒しと美肌の素でもある温泉も、極上のひとときにするための工夫がありました。
2021年に新設された貸切風呂は、小田神社の豊玉姫命にあやかり、「豊玉の湯」と命名されました。
県内産の福光石を敷き詰めた檜風呂、浴室からは小さなウッドデッキが続き外気浴も楽しめます。

豊玉の湯を利用するにあたり、宿からは五感を解放させ、自らの免疫力を高めながらセルフケアの力を引き出すプログラムが提案されています。
五感とは視覚、聴覚、触覚、嗅覚、味覚といった感覚のこと。プログラムを受けることで感覚を正常に戻し、あえて意識的に“感じる”ことで、気持ちが整い心を満たす体験を得られることができます。
メタケイ酸やメタホウ酸を含む天然温泉は泉質の良さはもちろん、明るい時間には小田川のせせらぎと鳥の声、風の音に親しめ、夜にはキャンドルを灯して静かに心を鎮め、自分と向き合う時間を過ごせます。日常では忘れている“感じること”を少し意識して、キャンドルの火が優しく揺れる陰影を見つめながら体をゆっくりと温めることで、心地良い睡眠を得られ、次の日への活力を養うことができます。

嗅覚反応分析で、私はゆっくりと時間をかける全身浴を提案されたので、アドバイスどおり豊玉の湯でゆらゆらと揺れるキャンドルの灯に癒されながら、ゆっくりとお風呂に浸かりました。

手作りのタイルを敷き詰めた浴槽で存在感を放つ、アンティークな雰囲気の大浴場も趣があります。
タイムスリップしたかのような情緒あふれるお風呂も、ぜひ滞在中に利用したいですね。

落ち着きの空間と
美肌食材中心の献立

2018年にリニューアルされた、ベッド付和洋室タイプの「萩の間」。
ヒノキを使った格子が上品さを感じさせ、居心地の良い空間です。
大きな絵画は宿の三代目が描いたシルクロードの墨絵。畳敷きにベッドが置かれる和洋折衷で、全体的に落ち着いた印象です。

窓からは人工物が見えず、豊かな緑を感じながら自然を十分に堪能できます。大きなテーブルもあるので広々と利用でき、部屋の中で様々な過ごし方ができそうです。

小さな場所にもさりげない個性があるので、見逃せません。
引手も手作りの焼き物で出来ていました。

はたご小田温泉は料亭旅館としても知られ、併設した「茶寮 清泉亭」は食事のみでも利用できます。
お部屋から食事どころは、風流美とも言うべき趣のある渡り廊下でつながっていました。

ランチでは、美肌を意識したメニューのお弁当スタイル「たまて箱」が用意されています。これは氏神様であるヒコホホデミノミコトとトヨタマヒメの浦島太郎伝説にちなみ、蓋を取るのもワクワクしてしまいます。

白木の2段のお弁当箱の蓋をそっと開けると、地物の食材を中心とした手の込んだ料理が美しく詰め合わされています。目にも美しいお昼の御膳です。

隠岐の海藻“あらめ”や“出西生姜”の甘酢、白キクラゲ、湯葉、そばの実など、美肌食材が満載です。その他、“あご野焼き”や“しまね和牛”、多伎の名産である“いちじく”など、郷土の食材も盛り込まれています。
特に、産地として有名な宍道湖産や神西湖産ではなく、出雲市内を流れる神戸川(かんどがわ)で揚がったしじみを使ったニンニク醤油漬けやみそ汁は、他ではなかなか食べられない珍品です。しじみはオルニチンやビタミンAを含み、肌の代謝や保湿効果も期待できる食材です。
たまて箱はお風呂とセットにすることもでき、日帰りでも美肌と癒しのプチ贅沢が味わえます。

夕食はさらに豪華に。

食事にも定評があるはたご小田温泉。
夕食のスタートは、自家製の仁多米の餅米を使った甘酒。甘酒には、食事前の胃腸を活性化させ、消化を助けてくれる働きがあります。
食べる甘酒と言ってもいいようなとろりとした食感で、ライスプディングのようでもありました。優しい自然の甘さと穀物のコク。大粒のクコの実の風味も広がり、食前の胃袋にじんわり沁み込みます。

旬や鮮度といった島根の食材の恵みを感じられる献立が並びます。
一方では丁寧な仕事が施してあり、盛り付けや器に工夫が見られます。
優しい出汁がひかれ、野菜もたっぷりでヘルシーです。

米茄子田楽と海老。
ポリフェノールを含む茄子の抗酸化作用で、体がサビるのを防ぎます。

肉や魚のバランスも良く、タンパク質もしっかり摂れます。
甘鯛塩焼きや島根和牛のモモ肉の蒸し焼きといった、ご馳走が続きます。

最後を締めるのは、多伎の名物「ヤマモモ」と一畑薬師のほうじ茶を使った冷たいデザート。
涼しげな見た目とヤマモモのほのかな酸っぱさが食事の締めくくりにふさわしい、さっぱりとした味わいでした。

様々な美肌のメニューを体験できる宿。
包み込むように滑らかなお湯と美食に加え、おもてなしも優しく丁寧です。
最後に、玄関の靴の上に小さな手紙が添えられていたのが、とても印象的でした。

はたご小田温泉
https://odaonsen.jp/

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