美肌県しまね うるおい研究室美肌県しまね うるおい研究室

美肌たび 研究日記diary

温泉津(ゆのつ)温泉でタイムスリップ!
湯の街効果で美と健康を手に入れる

古くからの趣を残した、静かな温泉地・温泉津(ゆのつ)は、なだらかなカーブを描く街道の左右に旅館が立ち並ぶ、昔ながらの温泉街。
こんこんと湧き出る古の湯にからだを委ねて、日頃の疲れを癒す旅。赤瓦の赤茶の優しい色合いに、気持ち凪ぐ一日を過ごしました。

温泉津の町を見守り続ける山寺「清水大師寺」

温泉津の街並み、天然の港・温泉津湾、山なみ、そしてはるか日本海まで見渡せる「清水大師寺」。ここから見下ろす景色は、それらを一望できる観光スポットです。
訪れたのは雨上がり。洗い流され浄化された凛とした空気感が、お参りには絶妙なタイミングです。
鬱蒼とした木々の間を縫うようにうねる細道を登り切ったところに見えてくるのは、ピンク色の薬医門。
石見特産の赤い瓦「石州瓦」が使われているところが、まさにこの地域の特徴を表しています。

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このお寺は特に女性にご加護があるとされています。門の手前の右手にある「淡島さま」は、女性の病に効験があるといわれています。控えめな姿も可憐な雰囲気を感じさせます。
ここで手を合わせてから、門をくぐります。

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山頂にあるお寺からは眼下に小さな湾沿いに広がる温泉津の町並み、そのさらに奥には日本海という絶景を見ることができます。
山肌から湧き出る霧の合間をぬって姿を現した、世界遺産の町。しっとりと湿気を帯びた景色はまるで絵画の世界。美しい景色に、しばし言葉を忘れるひとときでした。

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海と山が近い石見の地形をダイナミックに体感できるこの場所には、カフェやスイーツを楽しむことが出来るお寺カフェがあります。
靴を脱いでゆっくりくつろげる畳の空間です。

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カフェにはたくさんの本や雑誌が置かれています。
石見地方のガイドブックから小説、仏教の教えに至るまで自由に手に取ることができるようになっています。

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メニューの中心はドリンクですが、完全予約制で精進料理やおまかせランチも食べられます。
この日はお抹茶と甘味のセット。

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味のある器に点てられた抹茶と、あんこたっぷりのお団子がやってきました。
干菓子も添えられていて、満足度高めのティータイム。

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一服いただいた後は本堂にお参りです。
本堂は境内でもひときわ高い場所にあります。

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ご本尊である胎蔵界大日如来は、女性にご加護があると言われています。
「胎蔵」とは、密教では女性そのもののことを指し、母親の胎内で子どもを守り育てるという意味があります。
大日如来のまなざしは慈悲深く、そっと手を差し伸べてくれるような温かさがありました。

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清水大師寺では法話や写経、瞑想、アロマテラピーなど、日常から少し離れた環境で気持ちを整え、そして自己発見、自己成長することを目的に、何か自分自身の気づきを持ち帰るという、本来の自分へ立ち戻るお手伝いをしてくれるのだそう。
自然の中で自らを見つめ直し、神聖な空気の中で穏やかな時間を過ごすことは、日頃の疲れたからだをセルフケアするとても良い機会となるでしょう。

しまね観光ナビ
宿坊清水大師
https://www.kankou-shimane.com/destination/21581

ゆるりゆるゆる温泉津温泉街歩き。
旅気分が盛り上がる、歴史を感じる蔵元を訪問

温泉津駅から温泉街へ、昔のままの入り組んだ路地を車で数分進むと見えてくる、若林酒造。
その一角に蔵を構える若林酒造。赤瓦の上に乗った銅板の色合いが、年季を感じさせます。

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ここ若林酒造は明治2年創業。その堂々たる風格の建物は、温泉津の名物になっています。
この地で酒造りをはじめ、大正時代には仕込み水もここに引き、根をどっしりと据えて100年以上の歴史があります。現在は若林家5代目が蔵元であり、島根の名酒のひとつに挙げられる「開春」ブランドが人気です。
その他にも10数種類のアイテムがあり、個性的なお酒造りを得意としています。例えば精米歩合90%という、磨かない米を使った酒「イ宛(おん)」や、スパークリング開春、米作りから手掛けた会員のみ限定で販売される「亀五郎」など、ユニークで楽しいお酒がたくさんあります。

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店舗も非常に味わいがあり、趣に富んだグルメ旅には欠かせないスポットです。
現地へ訪れて色々とお話を聴きながら自分に合うお酒を探したいものですね。

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蔵も見せていただきました。
決して大きくはないのですが、大事に大事に、修理しながら使われている温かみのある古蔵です。

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お店の中を歩いていると「イ宛(おん)」という字がところどころに書かれています。
お酒の名前にもなっているこの「イ宛(おん)」という文字ですが、パソコンの文字変換には出てきません。

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この文字は、ある日三代目の奥様の夢のお告げに出てきた文字なのだそうです。
それ以来、若林酒造の“お守り”になっている言葉。どのボトルにも小さく印字されていますし、店舗内や蔵のあちこちに刻まれていますから探してみると面白いです。

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もう一つ、お店で見つけたのが「開春石鹸」。
純米酒粕を使ったオリジナル石鹸です。
日本酒は、百薬の長とも言われますが、飲むだけでなく、外側からも美しくなれるということですね。120gもあり、たっぷり使えます。泡立ちも泡切れも満足の商品でした。

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お店に行かないと知らなかったエピソードをたくさん聞けたお店訪問となりました。
一般には蔵見学は不可となっていますが、歴史的な建物外観を見るだけでも価値があります。また楽しいお酒の話や開春グッズなどもありますから、ぜひお店に立ち寄ってみてくださいね。

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なつかしの国いわみ「若林酒造」
https://www.all-iwami.com/gourmet/detail_1256.html

肌あたりの優しい泉質「薬師湯」と
「震湯カフェ内蔵丞(くらのじょう)」

若林酒造から温泉街へ進むこと、車で数分。
温泉津温泉は、全国で唯一の「重要伝統的建造物群保存地区」に指定された、情緒あふれる街並みと泉質の良いお湯で全国的に人気です。

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温泉宿やお土産屋さんが並ぶ道沿いに、ひときわ目を引くレトロな洋館があります。
温泉津地区で最古の温泉「薬師湯」と、もともと温泉施設だった場所をカフェへと改装した「震湯カフェ内蔵丞(くらのじょう)」です。

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薬師湯はクリーム色の建物で、レトロモダンな雰囲気です。
多面体になった番台やカラフルなステンドグラスが備えてあり、大正時代の洋風建築のデザインが散りばめられています。しかし一歩温泉内へ入ると和風の脱衣所、お風呂には渋い浴槽が待ち受けており、和洋折衷の造りがふんだんに見られます。古い建築様式マニアには、外せない価値ある様式です。
カーブしたデザインの2階の出窓は、とてもおしゃれで、ここからの景色もとても良いです。

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薬師湯の源泉は、建物の裏にある施設で自然湧出しています。
温泉成分をそのままに、加水・加温なしで提供できるのはまさに自然の恵み。源泉掛け流しで、成分の濃さをしっかりと感じられるお風呂です。

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常にあふれ出している温泉なので、新鮮なお湯との入れ替わりも早く、気持ちよくいただけます。浴場は、まるで鍾乳石のように固まった析出物が芸術的です。これも温泉成分が濃さの証ですね。

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明治5(1872)年の浜田地震の際、湯の量が増えたことで温泉施設として経営が始まり、別名「震湯」とも呼ばれる薬師湯。ナマズの湯口が風情あります。

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お湯をいただいたら、すぐお隣のカフェへ。
ここはもともと温泉施設だった場所。湯ぶねや脱衣所の跡を改装しカフェにしたとのことですが、ひとつひとつの意匠の美しさに驚かされます。
昔の写真も飾られていましたが、当時はかなりモダンな建物だったのではないでしょうか。

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天井には釘を使わない「木組み工法」が用いられており、非常に貴重な建築様式を残します。

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温泉で疲れたからだを潤したり、お腹を満たしたりできるカフェがすぐお隣にあるのは嬉しいですね。
ここでは温泉津と同じ大田市にある「奥出雲薔薇園」のバラを使ったスイーツやドリンクが楽しめます。
奥出雲薔薇園の食用バラ「さ姫」をシフォンケーキにしたデザート。バラの花びらを入れたアイスと花びらも一緒に。
また香りがふんわりと立ち上るバラの花びらを使ったお茶をいただきました。

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花びらは全くクセがなく、シルキーな食感です。
大きさを見るだけでも、いかに大輪のバラであるかを想像させます。バラの花びらを食べる体験はなかなか出来ないことですし、素敵な空間で優雅にバラをいただくとは、なんとも贅沢なスタイルです。

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人気のランチは「奉行飯」。
鹿児島の「鶏飯(けいはん)」が伝わったという奉行飯。あっさりとした出汁をごはんにかけてさらさらと食べるお茶漬け風「汁かけご飯」と、温泉水で蒸しあげた野菜が付きます。
疲れたからだにじんわりと染みる新鮮で甘みのある野菜や出汁に、ホッと一息つけます。

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温泉津温泉の景観を印象的に作り上げる薬師湯と震湯カフェ内蔵丞。
心もからだも温めほぐす、自分へのご褒美時間にぴったりのスポットでした。

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しまね観光ナビ 「薬師湯」
https://www.kankou-shimane.com/destination/20486

温泉津の夜に立ち寄りたい、地酒と地物食材を使った料理が自慢のカフェバー「路庵」

温泉街の暗がりに、ほわんと明かりが灯る場所。それがカフェバー路庵です。
温泉地は旅館が多いので、1泊2食が基本。外で食べる機会はなかなかないと思います。
しかし最近は「泊食分離」をとっている宿も多く、またこの温泉津ではゲストハウスができたこともあり、今後ますます人気店になるお店だと思います。

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私も以前このお店を利用したことがありました。
その時は、石見神楽を観に行った後で宿の夕食に間に合わなかったのです。この場所で、遅くまで開いてくれているのがどんなにありがたいことか…。
お酒に合う手の込んだ煮込み料理や鮮魚を使った本格的な料理から、ピザやどんぶりメニューまで、ジャンルも幅広く老若男女が色んな好みで使えるお店です。
2階はイベントにも使えるスペース。30名くらいは入れるフリーのスペースというのも魅力的です。

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旅も終盤で疲れたから、さっそく地元のクラフトビールでもいただきましょう。
地元の甘夏を使ったクラフトビールは、「温泉津女子会」の皆さんが考案したイチ押しビール。 確かにさわやかで美味しい。

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この日は店主おすすめの料理をいただきました。
茗荷と青じそのサラダはボリュームもしっかりあって、3人位でちょうどいい量。
薬味たっぷりなので、脂っこい料理との相性が良さそうです。

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ミズガレイの燻製カルパッチョ。
干物にされることが多いミズガレイ。
鮮度の良さを生かし、軽く燻製にすることで身を引き締めて、味を濃くする工夫が見事な一品でした。

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人気の牛すじ煮込みは贅沢素材、島根和牛を使っています。
温泉卵を絡めてコクもアップ、牛肉の旨味がしみ込んだ根菜類はそのおいしさゆえ取り合いになりそう。
最高においしい夕食を堪能しました。

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焼酎、梅酒、ワイン、カクテルやハイボールも揃い、お酒も豊富です。そんな中でも、日本酒だけは地元のお酒「開春」に絞っているというところにこだわりがあって、好感が持てました。
夜の温泉街で、あえて宿から一歩出かけてみるのも、何か発見があるかもしれません。星を眺めていたら神楽のお囃子の音が聞こえてきた…なんて体験が出来るのも、温泉津温泉の醍醐味です。

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カフェバー 路庵
http://yunotsu-onsen.com/news/2066/(温泉津温泉旅館組合)

文:西村 愛 
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授

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