美肌県しまね うるおい研究室美肌県しまね うるおい研究室

美肌たび 研究日記diary

飯南町の自然と文化にふれ、
秘湯を巡るほっこり癒し旅

飯南町は広島県との県境に位置し、県内でも有数の自然豊かな高原地帯です。夏は涼しく、冬には美しい雪景色が見られます。四季折々に見られる様々な景色が魅力です。にごりの名湯や伝統食、縁結びの神社として知られる出雲大社ゆかりのしめ縄づくりなど、自然の恵みと伝統文化を体験しながら、五感を満たす旅を楽しみます。

稲わらの香りに癒される
「飯南町 大しめなわ創作館」で
しめ縄作り体験

飯南町では神社に奉納する“しめ縄”を住民による手づくりで行っており、その拠点となるのがこの施設です。
大しめ縄で有名な出雲大社では6~7年に一度、しめ縄の架け替えが行われます。長さ13.6メートル、重さ5.2トンにもなる神楽殿のしめ縄は、ここ飯南町で作られています。

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しめ縄づくりは、稲の作付けから始まります。通常のうるち米などよりも丈の長い藁が必要になることから、「赤穂餅」という種類の種もみを植え付けます。
出雲大社神楽殿しめ縄は日本最大級の大きさを誇り、その材料となる稲わらは約1.5ha分。前年に植え付けを行い、実る前の夏の間の青刈りの時期に収穫します。秋から翌年春にかけて、じっくり乾燥させます。これだけの藁を乾燥させるにも広大な場所が必要で、大しめ縄づくりの作業にはさらに広いスペースが必要となります。そのため2014(平成26)年9月、それらの作業場兼展示スペースとして、飯南町大しめなわ創作館がオープンしました。

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施設内では、代々伝えられてきた飯南町のしめ縄文化に関する資料の展示が行われています。タイミングが良ければ製作の現場を近くで見ることもできます。

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ここではしめ縄作りの体験メニューもあり、自分だけのしめ縄が作れます。
参加したのは初級コース。想像していたほど難しくなかったので、少し教えてもらうと、初心者の私でもすぐに作ることができました。
稲わらを触っていると新しい畳のような香りがとても心地良く、また柔らかく温かい感触にも癒されます。初めての作業の程よい緊張感、そして出来上がった時の達成感は、何とも言えない嬉しい気持ちになります。

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出来上がったしめ縄に付ける短冊を選んだり、スタンプを押したり、ちょっとした小技で差をつけてみるのも楽しいです。
だれでも同じように見栄えする作品が作れ、初級コースでも十分な満足度を得られる体験でした。

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何十年も受け継がれてきたしめ縄作り。
飯南産しめ縄には毎年多くの注文が入ります。年間2メートル以上のものでは50本、それより小さいものは数えられないほどの数が作られており、作り手もそれに合わせて増やさなければなりません。飯南町では町で予算を設け、技術者育成に力を入れています。地域おこし協力隊などにも協力してもらい、若手を育成、また、販路拡大を行い職業として“しめ縄づくり”で食べていけるよう住民一丸となってしめ縄づくりに励んでいます。

これからも飯南町では、ひと編みひと編みに込めたものづくりの伝統が受け継がれていくことでしょう。
しめ縄づくりの体験は、そんな伝統文化に直接触れることが出来る貴重なものでした。また、この旅の思い出とともに自分だけのしめ縄をおみやげとして持って帰ることができるというのも嬉しいです。
柔らかな稲の感触と藁のいい香りに五感を刺激され、癒しの時間となりました。

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しまね観光ナビ
飯南町大しめなわ創作館
https://www.kankou-shimane.com/destination/21035

野趣料理 ミセス・ロビンフッドで
美味しく学ぶ薬膳の基礎

飯南町の薬膳料理専門店、ミセス・ロビンフッド。
薬膳を学んだシェフが、からだの内からの健康を目指す薬膳の考え方を取り入れ、飯南町の元気な葉物野菜や根菜、きのこなどを使って作る料理は、カジュアルで気取らないスタイル。私たちはそれらを美味しく楽しく食べることで健康に一歩近づける…。
そんな嬉しいランチをいただきにやってきました。

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薬膳とは、中国の歴史の中で脈々と受け継がれてきた伝統医学であり、「医食同源」など食の中に医学的見地に基づいた考え方を取り込んだものです。
なんとなく元気が出ない…、お肌の調子もあまり良くない…、そんなことを感じるとき、ほんの少し食生活を整えることで回復することがあります。それは、ちょっとした食材の選び方や食べ合わせのコツだったり、何かを少し加えることだったり、小さな気づきを日々の生活に取り入れていくことでいい。難しく考えなくてもいいことを教えていただきました。

ミセス・ロビンフッドの薬膳シェフである宮脇さんには、いつも美味しい食事の中から色々なことを教わります。
例えばサラダの野菜ひとつにしても、小さく切らずにできるだけ大きいままで食べると、食物繊維を摂取できて、かつ野菜をしっかり噛むことでうま味や美味しさがわかるそうです。
これなら、私たちにも毎日の生活に取り入れることができそうです。

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またミセス・ロビンフッドで大人気の薬膳カレーには、生薬にも使われる材料がたっぷり使われています。
高麗人参やナツメ、陳皮などの生薬の旨味が溶け出したルーは、代謝を整え、からだを温めてくれます。これらは、アンチエイジングにも効果があるそうです。
新鮮な地元野菜もふんだんに添えられた美味しさと漢方の効果に、期待の膨らむ満足のランチタイムとなりました。

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健康につながる食生活は、美肌づくりにも密接に関係しています。
女性の悩みを解消できる薬膳料理を摂ることで、からだの中から美しく、自然に寄り添う食生活を心がけ、美肌や健康づくりに欠かせない免疫力を身につけていきたいものです。

ミセス・ロビンフッド
https://mrsrobinhood.com/

秋の味覚!
自然の中で楽しむりんご狩り
「赤来高原観光りんご園」

飯南町には中国地方では珍しい、りんごの産地があります。それが赤来高原です。
日本国内では、よく青森県や長野県が産地として挙げられますが、冷涼な地域で育つ果物として有名です。赤来高原は標高450メートルと、全国的に見れば決して標高の高い高原ではありませんが、寒暖の差が大きいという気候の特徴を生かし、おいしいりんごが育てられています。
9月上旬から11月下旬にかけてのりんごシーズンには、「赤来高原観光りんご園」では大事に育てられたりんごの木々が赤く大きく育った実をつけ、甘酸っぱい香りが漂います。県内はもちろん、広島県方面からもアクセスしやすい国道54号線沿いに位置するため、たくさんの観光客やファミリーがりんご狩りにやってきます。

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剪定により低い位置にりんごが実るので、小さなお子様でも取ることができます。家族や仲間たちと自然を存分に楽しみ、おいしいりんごの恵みを肌で感じられる、楽しい思い出づくりになることでしょう。
店頭にもなかなか出回らない希少品種の「さんさ」や、糖度の高い「北紅」、皮が薄くそのまま食べることのできる「千秋」、人気の「ふじ」や「つがる」など、9種類の品種が植えられており、少しずつ実りの時期をずらしながら次々と旬を迎えていきます。

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りんごは、コラーゲンをつくるビタミンCをたっぷりと含み、美肌づくりに嬉しい果物です。毎日の食卓を飾るフルーツとしてもおすすめです。皮ごと食べることでポリフェノールも摂取し、色白美肌をめざしましょう。
また、8月上旬から9月下旬にはブルーベリーの摘み取りも可能です。こちらは要予約となっています。

飯南さとやまにあ
赤来高原りんご園
https://www.satoyamania.net/spot/2019/03/post-6.html

温泉通も喜ぶ飯南の秘湯、疲れを癒す温泉と
ごんべえ茶屋の呉汁(ごじる)

国道54号線から少し入った場所にあるのが、2004年にオープンした「加田の湯」です。
地元の人に愛される、良質な湯の源泉掛け流し温泉。
まさに秘湯といった雰囲気を持つ施設です。

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その昔、この地域の武将も傷を癒したと伝えられる名湯「加田の湯」。ナトリウム・カルシウムや炭酸成分を含んだ冷鉱泉で、湯冷めしにくく冷え性に困っている方にはぴったりの温泉です。
冷鉱泉なので加温はしていますが、38℃~40℃の少しぬるめに設定されていて、ゆっくりと浸かり、からだを癒すことができます。
浴槽の周りにも温泉成分が凝固した湯の花が付き、湯の成分の濃さを感じます。

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おサウナや水風呂なども併設されていて、充実した温浴施設でした。特に島根県内では珍しい“にごり湯”なので、話題性にも富んだ貴重な温泉です。

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豪雪地帯でもある飯南町。特に冬期の訪問の際には立ち寄って、からだの奥から温まって帰りたいものです。
旅の情緒をかきたてる風情ある温泉。時間をかけてゆっくり浸かって、ほかほか湯上がりを楽しみたいですね。

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施設内には飲食店も併設されています。
「ごんべえ茶屋」では、地元の食材を使った家庭的な料理が提供されていました。
中でも“呉汁(ごじる)”と呼ばれる料理は、根菜の美味しさを生かした素朴な料理。煮大豆をすりつぶし味噌を加えた汁で、美肌効果も一段とアップ。
温泉効能にプラスして、大豆と温野菜の栄養をたっぷり補給して、お肌のハリを取り戻しましょう。

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しまね観光ナビ
加田の湯
https://www.kankou-shimane.com/spa/detail/33_kada

飯南さとやまにあ
ごんべえ茶屋
https://www.satoyamania.net/spot/2019/03/post-30.html

文:西村 愛 
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授

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