美肌県しまね うるおい研究室美肌県しまね うるおい研究室

美肌たび 研究日記diary

もう一度誰かと一緒に来たくなる
安らぎと魅力あふれる街、安来

安来(やすぎ)市は島根県の東端にある、鳥取県との県境の街。古代の地誌書「出雲国風土記」の中で、スサノオノミコトが“吾が御心は安平(やす)けくなりぬ”と言ったことから「安来」と命名されたと言われています。心を穏やかにしてくれる日本画と庭園美術館や温泉、伝統工芸など、見どころ満載の安来の街を旅しました。

荘厳な本堂と優美な三重塔。
山寺の風情たっぷり瑞光山 清水寺

瑞光山 清水寺は、587年に尊隆上人によって開山された1400年以上の歴史ある山寺です。国の重要文化財にも指定された大きな本堂と、山陰で唯一の三重塔を持つ天台宗の寺院です。

寺院への道のりは、山のふもとから石段を上ります。
ひんやりと湿気を帯びた空気に包まれながら一歩一歩、石段を踏みしめながら登ります。途中、大門をくぐりゆるい坂が続く苔の路。秋はもみじの紅葉が見られ、赤く染まった景色を見ることができます。

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清水寺は厄除けのお寺として有名で、一年を通して多くの参拝者で賑わいます。
最盛期には境内に48もの坊があったとされていますが何度かの火災、さらには尼子と毛利の戦いに巻き込まれ焼き討ちにも遭いました。

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戦乱の中、唯一焼けずに残ったのがこの根本堂で、1393年に建立された当時の姿を今に見ることができます。千年杉などの巨木に囲まれ、ひなびた山寺の風情がたっぷり。こけら葺きの大きな屋根が圧巻です。
境内に清らかな水が流れていたことから名づけられた「清水寺」の命名由来のとおり、この本堂裏手から井戸が発見され、今でも水が湧き出ているということです。

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清水寺のシンボルでもあり、美しい石垣の上に堂々とそびえる三重塔は島根県指定の有形文化財です。江戸時代後期、門徒の浄財によって建てられました。高さは33.3メートルで、33年の歳月をかけて建立されたと言われています。
優雅に広がる端正な屋根の軒反りが青空に映えて、とても美しい光景でした。

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秋には赤や黄色、オレンジに染まる紅葉の中に際立つ三重塔を見るため、特に多くの人が訪れます。深まる秋を感じられる絶景スポットです。

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清水寺のお土産と言えば小豆の風味が生きた、艶やかで滑らかな羊羹です。境内には4軒の羊羹屋が並びます。

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昔ながらの羊羹は、素朴でやさしい味わいです。脂肪が少なく、洋菓子に比べてカロリーも低いので、ヘルシーで、女性に嬉しいスイーツです。
小豆のほんのりとした甘さは、参拝客の一服にぴったりです。小分けになった個包装の商品もありますから、ご自宅や職場へのお土産にいかがでしょうか。

山陰の古刹・清水寺。心もしっとりとうるおうような優しさと凛とした空気感。長い歴史から感じる風格と安らぎの中、しっかりと参拝ができました。

しまね観光ナビ
瑞光山 清水寺
https://www.kankou-shimane.com/destination/20335

寺院境内にある雅な佇まい。
手の込んだ精進料理を提供する宿「紅葉館」

清水寺を拝観した後は、境内の旅館で精進料理のランチをいただきます。地元では、「清水寺と言えば精進料理」というほどに、寺詣の後の楽しみのひとつとして親しまれてきました。
精進料理を提供するお店のひとつ、「紅葉館」。
創業は江戸時代末期。境内の今とは別の場所で茶屋を開き、参拝客に向けた精進料理を提供したのが始まりでした。その後、昭和9年に現在の場所へと移転。その際に旅館業も始めたという歴史を持ちます。
清水寺に参拝する人々をもてなし胃袋を支えてきた、長年の技と奥深さを感じる料理が食べられます。

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椅子席のお庭が見える部屋で食事をいただきます。
ここからも清水寺の三重塔が良く見えました。2階には6部屋の宿泊部屋がありますが、どの部屋からも自然の中に溶け込む名刹を眺めることが出来ます。
木々が色づく紅葉の季節になると、食事席からも紅葉に染まる景色を楽しめます。

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宿泊者でなくても食事することができるので、清水寺へ行くことが決まったらぜひ精進料理のランチやディナーを計画してみてください。

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精進料理は肉や魚など命のあるものを使わずに、調理する料理です。質素であるがゆえに下準備に手間と時間がかけられ、地元の山菜やきのこが使われ季節の移ろいも感じられるとても贅沢な料理です。
永い歴史の中培われてきた経験や技術により、滋味深く、創意工夫ある品々が並びます。

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温かいものを温かいうちに、冷たいものは冷たいうちにと、ひとつずつ順番に運ばれてきます。
こちらはわらび粉を使った精進イカ刺し。
わらび粉を丁寧に練ってあるので弾力が違います。このように、精進料理は食感や風味付けなどにも非常に工夫がなされている料理です。

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精進料理の中で肉や魚を用いない代わりに、それらに似せた料理を野菜や豆腐で作ったものを「もどき料理」といいます。
わらび粉のイカ刺しも見事なものですが、究極の“もどき”が「うなぎもどき」です。
木綿豆腐を裏ごしし、長芋、じゃがいも、小麦粉などを加えて作ったうなぎもどきをかば焼きにした料理。裏側にはうなぎの皮をイメージさせる海苔がつけてあり、味はもちろんのこと、どこから見てもうなぎそのもの。
うなぎを焼くよりも手がかかっているのでは、と思うほどの凝った一品でした。

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どの料理もひとつひとつが創意あふれたものばかり。肉や魚が食べられない時代に先人たちの技と工夫を凝らした食事に、感心するばかりでした。

野芹と里芋をたっぷりと使った混ぜご飯。
ふんわりシャキシャキとしたセリの食感が残り、爽やかな香りが口いっぱいに広がります。里芋はほっくほく。食事の時間に合わせて炊き上げられるごはんは、目の前で炊き立てをお釜からよそってもらえるのでアツアツです。

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大豆や穀物のたんぱく質を活かした野菜たっぷりの彩りあるランチは、ヘルシーで体に優しいだけでなく、ひと口ひと口味わうたびに五感が開いてゆくようです。会話も弾んで「楽しい、おいしい、癒される」リラックススイッチがオンされたごはんになりました。

しまね観光ナビ
紅葉館
https://www.kankou-shimane.com/destination/21650

世界から注目される日本庭園と日本画。
足立美術館で感じる和の美

足立美術館は、2020年に開館50周年を迎えた、近代から現代の日本画を中心とする美術館です。
5万坪に及ぶ日本庭園が有名で「名園と名画」の美術館とも言われます。特に、アメリカの日本庭園専門誌の日本庭園ランキングにおいて、第1回から18年連続1位の快挙を達成、またミシュラン・グリーンガイド・ジャポンで山陰エリア唯一の「三ツ星」として掲載され、世界から注目を浴びています。

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創設者である足立全康氏は、能義郡飯梨村字古川(現安来市古川町・美術館所在地)に生まれました。
幼少期より家業の農家を手伝う傍ら、大八車に木炭を乗せ、長い道のりを運搬する仕事を始めます。運搬するだけでは儲からないので、自らも炭の小売りを始めます。こうして少しずつ商いを行うようになりました。
その後、大阪で実業家として成功した足立全康氏は、幼少の頃から興味を持っていた日本画を収集。現在は近・現日本画、陶芸、童画、漆芸など、焼く2,000点を所蔵しており、中でも横山大観コレクション120点を数え、質、量ともに日本有数との呼び声も高いです。

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開館50周年を迎え、2020年4月に新たな展示施設「魯山人館」がオープン。
北大路魯山人の作品400点に及ぶ所蔵品から、常時120点が公開されています。

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雄大な山々を借景に、こんもりとした芝生の築山を組んだ枯山水庭は、自然の情緒があふれています。丁寧に剪定された800本に及ぶ赤松は、奥に行くほど緑を濃くし立体感を感じさせ、遠くに亀鶴の滝が流れ落ちる風景は和の風情に満ち、これぞ世界が認めた名園であると思わずにはいられません。
この庭があるからこそ、作品を穏やかな気持ちで見ることができ、また、素晴らしい作品が置かれた美術館にふさわしく、生命を宿した絵画のような庭園が作庭されるという、ここに名園と名画の呼応と調和が生まれています。

美術館内の様々な場所からは、自然の一部を切り取り額装されたかのような純和風庭園が眺められます。ガラス越しに次々と変化してゆく「苔庭」から「枯山水庭」、「白砂青松庭」などの庭と、その奥の遠景に広がる安来の山々とが溶け合い、堂々たる景観を館内の至る場所から見ることが出来ます。
豊かでみずみずしい景色は、訪れる人誰しもの気持ちを優しく鎮めてくれます。

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館内の喫茶室「翆」は、コーヒーやカフェラテを飲みながら庭園を楽しめる鑑賞スポット。
人工のものが一切見えない枯山水の庭をパノラマで楽しめ、自然と一体になれる極上の時間を過ごすことができました。

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日本一の「庭園鑑賞」と日本画、陶芸などの名品で「美術鑑賞」という、双方を適えることができる美術館。奥深い緑の庭園はすっきりと気持ちを浄化させてくれ、美術品に間近に触れることで和みと癒しを感じることができました。
365日開館し年中無休という“おもてなし精神”が素晴らしく、また専属の庭師により毎日隅々まで手入れと整備が行われ、一遍の曇りもない美しい庭園が保たれています。
3か月に1度の特別展や様々な企画展、さらに四季折々の顔を見せる庭園など、何度訪れてもその時々の楽しみ方があります。
日本美の粋を極めた庭園と作品とを、ぜひ一度その目で確かめてみてください。

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足立美術館
https://www.kankou-shimane.com/destination/20251

旧街道沿いにある
創業120年の酒蔵・青砥酒造

1895年に創業した青砥酒造は、広瀬町の飯梨川近く、山あいの街道沿いにある歴史感じる酒蔵です。
建物は1887(明治20)年建築。惚れ惚れするような味わい深い外観です。

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店舗に掲げられた「ほろ酔」は、戦前から作られている青砥酒造のブランドです。今でも続く定番のお酒です。
一日の終わりに飲むお酒として優しいお酒を造りたい、そして“ほろ酔い”という優しい響きを持つ言葉をあてたのがこのお酒です。

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伝統を守りつつも新しい風を吹き込みながら酒造りを行う青砥酒造では、スタイリッシュなボトルの日本酒も話題を集めています。
それが「蒼斗七星」。
昔の旅人は北斗七星を目印に旅をした、それと同じく美味しい酒を造る目印としたいと、七つの星をイメージしたラベルになっています。

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60年使っている木槽(きぶね)にもろみの入った袋を並べ、自重だけで酒を落としていく「木槽造り」で造っています。酒袋にもろみを一つずつ入れていくだけでも十分な手間がかかりますが、さらにゆっくりと搾っていくため時間がかかり、また熟練の技が必要となります。しかし自然の力だけで搾るので雑味が少なく、繊細で香り柔らかなお酒を醸すことができます。

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この木槽造りで残った酒粕はまだまだ旨味が残り、機械で搾った後のように固くはなりません。
真っ白で柔らかな酒粕を見て、これを何かに使えないかと試行錯誤し生まれたのが「酒粕チョコレート」です。

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滑らかなチョコレートに木槽で搾って残った酒粕を練り込み、日本酒の香り高い大人のチョコレートが完成しました。
酒粕は日本古来の発酵食品で、豊富な栄養素を含み、健康食としても美肌食材としても注目されています。さまざまな料理に活用されますが、粕汁や焼き粕など、滋養に良い食品と昔から親しまれてきました。
また、料理に使っても、お肌にそのまま使っても効果があるといわれています。
酒粕に含まれるビタミンB2やビタミンB6は脂質やタンパク質の代謝をサポートし、肌のターンオーバーを促す効果があります。食物繊維も豊富なので、腸内環境の改善につながり、美肌にも導いてくれそうです。

酒造りという日本の伝統から、新たな味を作り上げた青砥酒造。
歴史のある酒蔵としての誇りとチャレンジ。これからがますます楽しみです。

青砥酒造
http://www.aotoshuzo.co.jp/

癒しの宿が立ち並ぶ小さな温泉郷
「さぎの湯温泉」

足立美術館や安来節演芸館から目と鼻の先ほどの距離にあるのが、さぎの湯温泉です。3軒の温泉宿と食事処などが並ぶちいさな温泉街ですが、湯量豊富で源泉掛け流しの贅沢なお湯を楽しめるのが特徴です。

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その昔、白鷺が脚の傷をその出湯で癒したという伝説からその名がついたといわれています。
この温泉街で創業110年、さぎの湯温泉街の中で最も歴史のある宿「さぎの湯荘」へお邪魔しました。

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正面玄関がある本館は、昭和30年に建てられた趣ある和風の建物です。
本館の大浴場は岩の露天風呂付。共同源泉ですが毎分600リットルという、豊富なお湯が湧き出しています。源泉温度も54度とちょうどいいです。
含放射能‐ナトリウム・カルシウム‐塩化物・硫酸塩泉で、体がぽかぽかと温まる温泉です。塩分を含んだお湯により皮膚に薄い膜ができ、その膜が保湿の役割や熱を逃がさないように働きかけてくれます。これにより“しっとり”とした潤いのある肌のできあがりです。

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本館には風呂付のお部屋が3室。
源泉掛け流し露天風呂からは、箱庭を眺められる贅沢なつくり。広いデッキもついていて、足湯に浸かりながら自然と一体になれる、癒しの空間です。

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本館を一度外に出て別邸へと到着すると、出雲の古民家を移築した建物に迎えられます。この建物は築130年のお屋敷で、何本もの太い柱や梁に圧倒されます。古い建物と思うなかれ、とてもきれいに整えられており、どっしりとした風格と高級感が漂います。
温泉熱を利用した床暖房が敷かれ、板の間もぽかぽか。湯量豊富なさぎの湯温泉ならではの設備です。

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天井高の別邸2階にはライブラリーを兼ねた共用スペースがありました。
ここは屋根裏部屋のような楽しさがあり、天井に近く立派な梁を目の前に見ることができます。

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食事は、地元の食材を中心とした12品の和食懐石料理です。

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「田の蔵」「野の蔵」と名付けられた離れの2室は特別なお部屋。古民家とともに移築された蔵を改装し、メゾネットタイプのお部屋になっています。静かなプライベート空間を愉しめ、どちらも露天風呂付です。
のどかな田んぼの景色や和風庭園といった緑濃い景色を眺められ、また、部屋の中でゆっくりと過ごすことができるようにという心遣いから、セレクトされた本も用意されています。

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メゾネット2階はベッドルーム。
包まれるようなお籠り感があり、ここはきっとよく寝られる…と思わずつぶやいてしまいました。

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施設内の大浴場や貸切風呂には岩風呂もあり、お湯三昧なステイを楽しめます。
都会のように慌ただしくない田舎時間を楽しむことこそが贅沢。喧噪から離れたこの地で、ぜひゆっくりと時間を使っていただきたい、そんな気持ちあふれる優しいお宿です。
安来の名湯・さぎの湯温泉は、穏やかな心を取り戻せる場所でした。

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しまね観光ナビ
さぎの湯温泉
https://www.kankou-shimane.com/destination/20347

文:西村 愛 
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授

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