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日本酒

神代の時代から続く酒造り。
風土が育てる麹菌と酵母菌のチカラ

日本酒

皆さんは日本酒をどのように楽しんでいるでしょうか。
日本酒は日本の文化そのもの。その楽しみ方も様々で、種々に及ぶタイプから自分好みを見つけてみたり、ラベルやボトルで選んだりと、もはやひとつのファッションです。また、お互いに自分の好みの味を語り合いながら知識をシェアし深めていく、笑顔をつなぐコミュニケーションツールでもあります。

日本独自のアルコール飲料であった日本酒は、今や外国人にも「SAKE」として一大ブームを起こし、日本食とともにNIPPONブームを牽引しています。
また国内でもそれぞれの蔵にそれぞれのファンがつき、各地の風土を生かした多様性ある酒が数多く存在します。

島根県内は東西距離230キロ、海も山もありまた島もあるという県内に、30の日本酒蔵があります。気候風土の違いや製造方法の違いがあり、蔵の数だけ、酒の数だけ、もっというと作る人の数だけ違う酒があるのです。 島根を旅しながらご当地の美食に地酒を合わせたり、数種類の日本酒を飲み比べたりする体験はきっと特別な時間になるでしょう。

日本酒は米と米麹、そして水から作られます。杜氏と呼ばれる酒造りのプロフェッショナルが、永年の経験と感性で造り上げる美術品です。
日本酒は麹菌と酵母菌という、「菌」の力で生まれるお酒です。そこに人の技が加わり、個性あふれる多種多様な日本酒が出来上がります。

麹菌とは、日本酒や味噌、醤油、焼酎、漬物など日本の伝統発酵食品を支えている菌種です。
麹菌には米のでんぷんを分解し、日本酒の甘味成分であるブドウ糖を生成する作用を持つ酵素が含まれています。さらにはタンパク質を分解し、うま味成分となるアミノ酸を作り出す酵素も持っています。
麹菌に酵母菌が加わると、麹菌がつくったブドウ糖を食べてアルコールを作り出します。これが日本酒となります。

自然の力が造り出すアルコールは、人々を癒す薬としても重宝されました。
百薬の長ともいわれる日本酒。適度なアルコールは、時間に追われる忙しい現代人の心と身体の癒しにつながる妙薬でもあります。時にお酒がもたらすリラックス効果やほろ酔いは、老若男女の幸せなひと時をサポートしてくれます。

アルコールにより適度に温まった体とほぐされた心は新陳代謝を促し、肌を回復させるために必要な深い眠りを誘います。
日本酒の肴には、刺身や海藻、湯豆腐、芋の天ぷら、だし巻き卵やぶり大根など、タンパク質やビタミンを上手に摂ることも美肌作りのコツです。

辛口や甘口、濁り酒やスパークリング、アルコール度数の違いや無濾過や生酒。お酒と上手に付き合って、美味しく健康になりたいものです。
日本酒発祥の地とも言われる島根県。神話の時代から出雲の神々を虜にした島根の美酒を、ぜひ味わってみてください。

文:西村 愛 
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授

日本酒

関連リンク 島根県酒造組合
https://shimane-sake.or.jp/
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