今や東京の人気店でも見かけるようになった島根県・浜田の名物練り物「赤てん」。
名前の由来は、切ってみると現れる赤い断面。練り物に赤い色をつけ、ピリ辛味に仕上げた独特な蒲鉾です。パン粉をつけて揚げてあるので、サクサクとした食感も特徴です。

赤てんは戦後、時代が少し落ち着いてきたころに浜田のかまぼこ屋さんが開発し、それぞれのお店から発売されました。当時まだ食糧難だった時代に、おいしい練り物を作ろうと考え出されたオリジナルのかまぼこです。残念ながらその歴史ははっきりしたことがわかっていません。
しかし今、県内ではほぼどこのスーパーにも置いてあり、居酒屋メニューにも必ずと言っていいほど人気のメニューで、島根県の名物になっています。
地元では少し炙ってからマヨネーズをつけて食べるのが定番です。


かまぼこやちくわ、さらには島根の特産物でもある「あご野焼き」などの練り物は、魚のすり身を練り合わせて蒸したり、焼いたりしたものです。練り物には魚の栄養が凝縮されているだけでなく、脂肪が少なく低カロリー高たんぱくで、ダイエットにもオススメ。
赤てんにマヨネーズとサラダを添えた一皿は、栄養的にもバランスのとれた見事な組み合わせです。練り込まれた唐辛子のカプサイシンは、代謝を上げる効果も発揮してくれそうです。

文:西村 愛
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授
赤てん
問い合わせ先 | 江木蒲鉾店 0855-22-1538 山本蒲鉾店 0855-22-0093 |
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