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石州半紙

石州半紙とは石州浜田、津和野両藩で漉(す)かれた半紙の総称である。寛政10年(1798)石見国遠田(とおだ)の紙問屋国東治兵衛(くにさきじへえ)の出版した『紙漉重宝記(かみすきちょうほうき)』によれば、「慶雲(けいうん)和鋼の頃柿本人麿石見の国の守護たりしは、民をして此製法を教へ漉(す)かしむ」とあるが、それはともかく古代より石州地方は製紙業が盛んだった。現に『延喜式』にもこの紙が貢物として納められたことが載っている。近世、浜田、津和野両藩は石州半紙製造に力をそそぎ、産業開発の主要政策として、技術改革を指導し、生産増強を図った。そして年貢米の代わりに半紙を代納させたり、専売制を施行し、藩の主要財源とした。その後改良普及につとめ、第二次大戦後洋紙の大量生産におされるまで、この地方の主要産業であった。現在、国の重要無形文化財の指定を昭和44年(1969)にうけた石州半紙技術会が伝統を守っている。近年手づくりの良さが見直され、石見の風土ととけあい、微細で強靭(じん)な手すき石州半紙にあらためて伝統工芸品の良さが見出せる。昭和57年(1982)3月、島根県ふるさと伝統工芸品に指定され、平成元年(1989)には通商産業大臣指定の「伝統的工芸品」となった。

また、石州半紙の技術は、国際交流・国際協力の舞台でも生かされ、平成7年度、これまでのブータン王国との和紙を通じた技術協力の成果が認められ、外務大臣表彰を受賞している。

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