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安野光雅美術館「人々の暮らしの詰まった『旅の絵本』展 第4期 ふるさとの情景」

第1展示室では、 「旅の絵本」 シリーズ全10編 (福音館書店) の中から、 安野さんの故郷・ 津和野も描かれている 『旅の絵本VII 日本編』 を展示しています。
『旅の絵本』 シリーズの8作目となる日本編は2013年5月に出版されました。 本作は安野さんが少年だった昭和初期の津和野や日本を舞台とし、 飯ごう炊きでつく られるごはんや花嫁行列など、 当時の風景から、 豊年を祈る田植えの場面や盆踊りといっ た伝統文化なども描かれています。
当時の生活は現代と比べて電気や水道などはそれほど普及しておらず、 手間をかける ことや節約することが当たり前であった時代について、 多少の不便をともなうとしても、 自然を大切にして生きていくこと、そして「これからの日本を生きる子どもたちの未来 が幸せであるように」 という安野さんの思いが込められた作品です。

 

第2展示室では、 前期に続き 「きりえ」 にスポットを当てて展示します。 『がまの油』 は安野さんが尊敬してやまない作家、 森鷗外と、ハンス・クリスチャン・ アンデルセンの作風をとりいれた作品です。
津和野の先哲、 森鷗外が使用した文語体とアンデルセンの「マッチ売りの少女」を組み合わせてできたこの作品は、 安野さんの熱量や楽しみが詰め込まれています。 このほか、 歌人の俵万智さんが選んだ現代短歌の恋の歌に、 安野さんがその短歌から 心に受けた印象を表現した 『安野光雅のきりえ百首 =俵万智と読む恋の歌より=』を展 示しています。 安野さんの 「きりえ」 の世界をお楽しみください。

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