EDITOR'S PICKS 編集部のおすすめ
[プロの偏愛グルメ vol.1]江木功平さん
浜田市『ふしみ亭』の〈タコカルゴ〉
名店の店主が愛してやまない、萩・石見のローカルグルメを紹介する連載企画。舌の肥えた人々を唸らせ、「何度も通った」「いつもコレを頼んでしまう」……そんなおすすめの一皿を、忖度ナシで教えてもらいます!
老舗の『赤てん屋さん』が惚れ込んだ
手作りバターソース
海と山の幸に恵まれ、綺麗な水でつくられるお酒もおいしい美食の宝庫。そんな萩・石見エリアで「食」に携わる人々に聞いた「あなたの偏愛グルメは?」
こんな問いに「タコカルゴです!」と即答してくれたのは、浜田市にある『江木蒲鉾店』の江木功平さん。明治時代から続く練り物店の専務さんです。お店の代名詞とも言える『なうなう赤てん』は、石見のソウルフードとして地元で大人気。そんな老舗の味を守り続ける江木さんを虜にした『タコカルゴ』とは、一体どんな食べ物……?
江木蒲鉾店の専務、江木功平さん。看板商品『なうなう赤てん』は、赤くてピリ辛な揚げ蒲鉾で、石見地方のお土産としても人気
JR浜田駅から歩いて5分。創業40年を超えて地域に愛されている居酒屋『ふしみ亭』に到着です。道の反対側に目をやると『赤てん』の暖簾が。実は超ご近所さんという間柄で「子どもの頃からの常連です。両親が『晩ごはん作るの面倒だなあ』って日は、家族でふしみ亭さんに行っていました」と江木さん。
噂の『タコカルゴ』とご対面。江木さんに「アツアツだから火傷しないように」と教えてもらっていたことも忘れて、ついかぶりつきそうになってしまうほど良〜い香り。正体は、フランス料理のエスカルゴに使われるバターソース。ふしみ亭自慢の手作りソースを、カリッカリに揚げたタコ焼きにたっぷりかけたのがエスカルゴならぬ、名物『タコカルゴ』!
「タコ焼きにね、限界までソースを絡めたいんですよ…‥」と噛み締めるように語る江木さん。タコ焼きを箸で割り、ソースをじゅわっと吸わせるのがお気に入りの食べ方だそう。少し冷めたかな、とパクリ。まだ熱い!でもハフハフしながら味わうのが最高! 鼻に抜ける香りに思わず「おかわり」。口が勝手に注文しちゃう魅惑の逸品です。
Photography / Takafumi Matsui
Text / Megumi Tsukuba