EDITOR'S PICKS 編集部のおすすめ
郷土玩具から知られざる手しごとの名品まで……編集スタッフが取材時に買い集めたビジュアル自慢なおみやげたちをご紹介。おみやげ迷子の方はご活用を。
※商品の金額はすべて消費税を含みます。価格は掲載時のものですので変更になる可能性があります。

絵本の世界を天然木で。お母さんがつくる木工おもちゃ。

お魚を泥棒する“どろニャン”の、この顔……子どもならずとも胸が高鳴ります。こちらは萩に工房とお店を構える守重シゲ子さんが手掛ける天然木の組み木細工。始まりは30年ほど前、シゲ子さんが自身のお子さんに安心して触って遊べるおもちゃを与えたくて、自ら絵本のキャタクターを木でつくり始めたことがきっかけです。「うちの子にも欲しい」「作り方を教わりたい」と、地域のお母さんたちの評判を呼び、オリジナルキャラのおもちゃの制作に発展。わが子を想うお母さんたちの想いから生まれたと知れば、一層あたたかな気持ちに。お店には手作業で作られた木のおもちゃがずらり。ギフトにもおすすめです。
涙は優しさの証。島に伝わるハンドメイドの貴重な凧。

萩市の離島「見島」では、長男が生まれると、子の成長を願って和紙を貼って手作りした凧「鬼ようず」を揚げるお正月の風習があります。そんな伝統の工芸品ですが、今は作れる職人さんが数人のみと貴重な存在になっています。 そんな鬼ようずを、なんと萩市内のおみやげ屋さんで発見! 聞けば島の方に頼んで少量ずつ製作し、送ってもらっているそう。出会えたらラッキーな貴重な萩みやげ。鬼の目から涙を模した飾りが垂れているのは、「強いだけでなく優しい子に」という願いから。ポップな色合いと素朴なデザインは、魔除けや玄関飾りとして人気です。
福沢諭吉に思いを馳せる、夏みかんマーマレード。

日本初のマーマレードが萩名産の夏みかんで作られたことはご存じでしょうか? 時は明治の頃、ヨーロッパ帰りの福沢諭吉が萩から届いた夏みかんでマーマレードを作ったという記録が残っているんです。そんな夏みかんマーマレードの文化は、現代の萩にもしっかり受け継がれています。写真は、萩に現存する中で最も歴史あるマーマレード。異国情緒漂うモダンなパッケージデザインは発売された戦前から変わっていないそう。このままテーブルに並べても素敵ですよね。萩では、春先になれば軒先の夏みかんの香りに街が包まれるのが風物詩。マーマレードの香りからそんな萩の風土を想うなんて、シャレてませんか。
使っても飾っても。職人技が光る手染めの手ぬぐい。

港町として栄えた萩ですから、船にまつわる手しごとも見逃せません。こちらは100年以上前から萩で大漁旗を製作する名店「岩川旗店」による手ぬぐい。大漁旗は職人や店ごとに得意の図柄があるのですが、こちらの岩川旗店のアイコンは「鯛」。この目の覚めるような発色と大漁旗の伝統的なデザイン。見ているだけで晴れやかな気持ちになるものです。ちなみに、手ぬぐいの染めは職人による手仕事。発色や細部の表現に腕が見えるのがいいんですよね。手ぬぐいという実用品ですが、タペストリーとして飾っても素敵です。
郷土食から生まれた、しっとり系ふりかけの草分け。

井上商店の「しそわかめ」は、萩の食卓では超定番のソフトタイプのふりかけです。「ふりかけを作ろうとしたわけじゃないんです。郷土の食文化を再現したらこうなったんです」とはメーカーの方のコメント。聞けば、“干したわかめを刻んでご飯にのせる”という、港町・萩に伝わるわかめの食べ方を商品化したそう。地域のうまいもんを、みんなに食ってほしい。そんな思いが、ソフト系ふりかけの先駆けになったんですね。編集スタッフのおすすめは混ぜご飯のおにぎり。歯応えにぷちぷち変化が出て美味です。地域のスーパーや道の駅などで購入可。
Photography Yuri Nanasaki
Text & Edit Masaya Yamawaka