EDITOR'S PICKS 編集部のおすすめ

島根イチの漁業のまち「浜田市」で
海鮮三昧のはしご酒

日本海の魚をつまみに、ローカルの美酒に酔いしれる。そんな呑んべえの天国「浜田市」で、旬の魚を味わい尽くす、はしご酒へ!

日本海に面した島根県。なかでも浜田市は県内随一の水揚げ量を誇る「山陰浜田港」のある港町。“白身のトロ”と評される高級魚のどぐろ(アカムツ)や、脂乗り抜群のアジなど、一年を通して良質な魚が水揚げされます。さらに、米作りが盛んで水も美味しい石見地方は日本酒も最高と、ローカルな酔いどれ体験に期待が高まります。

1軒目 <呑み処 神楽>
“とろけるアジ”目当てに人が押し寄せる名店

JR浜田駅南口から、交番横の路地を進んだ先にある。

JR浜田駅南口そばの居酒屋「呑み処 神楽」。店内は、伝統芸能「石見神楽」にまつわる物たちで溢れ、お祭りのような雰囲気。笑顔で迎えてくれた支配人、廣中豊さんによると「県外からのお客さんの多くが、浜田産のアジを目当てにやって来られます。浜田沖は魚の餌となるプランクトンが豊富でね、脂が乗って美味しいよ」。

浜田産アジの刺身。どの季節に食べても最高だが、脂乗りがピークを迎える夏場は特におすすめ。

さっそくアジの刺身とビールを注文し、乾杯。魚の輝きもひと味違うな〜と感激しながら口へ運ぶと、初めての食感にびっくり。ここまで脂乗りが良いと、口の中で身がとろけるんですね……!  軽快な神楽囃子に合わせて、おもわず歓喜の舞!
 
2杯目は「特製じらまい」というオリジナルのミックスチューハイをオーダー。焼酎がベースであること以外は企業秘密だけど、“じらを舞う”(石見の方言で、駄々をこねるようにバタバタするといった意味)ほど美味しいのが名前の由来だそう。飲みやすくてグビグビいけちゃう。

オリジナルチューハイ「特製じらまい」と、バトウ(マトウダイ)のフライ。バトウは浜田ではお馴染みの魚で、こちらでは特に身が厚いバトウがいただける。

石見神楽に登場する大蛇(ヤマタノオロチ)や、紙垂(しで)が天井からぶら下がる。店内のわちゃわちゃ感も推せる。

一緒にお店を営み27年。支配人の廣中豊さん(左)と、代表の齋藤恵子さん(右)。

INFORMATION

呑み処 神楽

住所:島根県浜田市浅井町56-22
TEL:0855-23-1032
ひと言メモ:16:00開店、21:30閉店。
はしご酒をするなら早めの時間がおすすめです。

2軒目 <縄文そして長兵衛>
白身のトロ・のどぐろを究極に美味しくいただく

カウンターとテーブル席が2つ。お店の方との距離が近く、コミュニケーションが取りやすいのが旅行者には嬉しい。

2軒目「縄文そして長兵衛」は、予約推奨の知る人ぞ知る魚料理の名店。メニューを見渡し、浜田名物のどぐろの煮付けを注文。新鮮な高級魚をリーズナブルな価格でいただけるのは産地だからこそ。ふわっと炊き上がった白身に、甘辛いタレを絡めてパクリ。そこへ合わせる地元の酒の名前はなんと「環日本海 純米吟醸 のど黒」! のどぐろの濃厚な旨味をさらに引き出す辛口で、その名に違わぬ、至高のペアリング。

浜田産のどぐろの煮付け。絶妙な味付けのタレに、魚の上質な脂が溶け出し、より深い味わいに。浜田市三隅町にある酒蔵、日本海酒造の「環日本海 純米吟醸 のど黒」と相性ぴったり。

「日本海酒造さんのような老舗の酒蔵も、飲みやすさを工夫した新しい日本酒を次々と作っています。若い世代にも日本酒を飲んでもらいたいっていう思いがあるんじゃないかな」と、お店の大将、田中衛さん。島根のお酒の他、山口県の萩や、新潟、長野など、田中さん厳選のさまざまなお酒が楽しめるのも魅力。

場所は浜田駅前。路地の奥に見える赤提灯が目印。これぞ隠れ家といった佇まい。

濃厚でクリーミーな浜田産の「マフグ白子ポン酢」。温かいうちにぜひ。

大将の田中衛さん(右)と、お母さま(左)。親子ならではの息の合ったコンビネーションでお店を切り盛り。

INFORMATION

縄文そして長兵衛

住所:島根県浜田市浅井町1408-10
TEL:0855-23-3223
Instagram:https://www.instagram.com/jyoumonsoshitetyoube/
ひと言メモ:予約がおすすめ!

3軒目 <craft beer cafe BEER LAB>
ブルワーが営む、クラフトビール専門バー

満腹寸前で、ここらで休憩を……と思ったのも束の間、ビールのイラスト看板が目に入り、入店。「飲むだけ=休憩」なのだ!
 
「craft beer cafe BEER LAB」は、浜田駅前に2024年10月にオープンしたばかりの、クラフトビール専門のビアバー。営むのは、クラフトビールの記事で紹介した「FARMER’S BREWERY穂波」で腕を振るう醸造家、安達豊さん。

FARMER’S BREWERY穂波の紫芋エール。「淡い色の麦を使うことで、紫芋の色味をそのまま生かしたビールができた」(安達さん)

安達さん自慢の「紫芋エール」で、地元のお客さんと乾杯。自社農園で採れた有機紫芋を使い、香りも色味も紫芋感たっぷり。「ビールって、本当に色んな種類があるんです。紫芋エールのように、苦味を抑えて作っているものもたくさん。これまでビールが苦手だった人も、気軽に立ち寄ってほしい」と安達さん。石見の旅でお気に入りのビールを見つけたい人もぜひ。

穂波ビールの他にも、江津市にあるブリュワリー「石見麦酒」や、島根県外の選りすぐりのクラフト生ビールを常時約7種類取り揃えている。

ブルワー歴10年、マスターの安達豊さん。店内では缶や瓶での販売もあり、お土産を選ぶのも楽しい。

INFORMATION

craft beer cafe BEER LAB

住所:島根県浜田市浅井町790-21
TEL:090-7135-1970
Instagram:https://www.instagram.com/cbc.beer.lab/
ひと言メモ:唐揚げ・ポテト・バトウフライなどのおつまみもあります!

4軒目 <立呑TOMOJI>
日本酒ビギナーにもおすすめ。「銀天街」の立ち呑みで〆

最後は、居酒屋やバーが軒を連ねる銀天街にある「立呑TOMOJI」へ。日本酒推しの店主、田中友治さん(愛称はトモジさん)が、県内・外の日本酒を数多く取り揃えています。
 
トモジさん曰く、「日本酒はこうでないといけないって決まりはないんです。自由に楽しむのが一番いい」。つまり、お酒に詳しくない人も、日本酒ビギナーも超ウェルカム。その日の気分や好みからお酒を選ぶ、そんな時間もワイワイ盛り上がること間違いなし。

左:玉櫻酒造「純米 とろとろにごり酒」(邑南町)、中:若林酒造「生酛四段仕込 開春」(温泉津町)、右:日本海酒造「純米吟醸 渦 八反錦五割五分」(浜田市)

この日は石見の日本酒を冷酒で飲み比べ! それぞれ味わいや香り、余韻までが全く違い、何度も発見がある。どれも美味しかったけど、特に「純米 とろとろにごり酒」のシュワっとした刺激にはどハマり。
 
お酒の供は、浜田産あなごの串揚げ。浜田で水揚げされるあなごはとにかく大きく、ふっくら肉厚で食べ応え十分。頭に近い方、尾に近い方、部位によって味わいや弾力が変わるのも面白い。お酒も進み、心も身体もポカポカ良い気分に。

あなごの串揚げ。浜田で獲れるあなごは、大きいものでは1mを超え、太さは500mlのペットボトルくらいになるというから驚き。

「はしご酒をする人は、1軒目やシメに来ることが多いですね。たまに1日に2回来る人もいますよ」と、店主のトモジさん。

ディスカッションしながらお酒を選んでもらった。島根、秋田、茨城、広島など約50種類、バリエーション豊かな日本酒の数々。

INFORMATION

立呑 TOMOJI

住所:島根県浜田市浅井町86-23
TEL:090-7506-4183
Instagram:https://www.instagram.com/tacinomi_tomoji/
ひと言メモ:魚のおつまみは仕入れによって変動します。

他にも、冬のアンコウやウチワエビ、夏のサザエなども、お酒のアテに最高だとか。浜田市へのアクセスは、羽田から萩・石見空港へ飛行機で約90分。そこから車で1時間もかからず、東京から意外と近くて驚き。春夏秋冬、何度も足を運んではしご酒するのもおすすめ!

Photography / Yuichiro Iwatani
Text / Megumi Tsukuba

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