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高山都さん・安井達郎さんの萩・石見旅
「津和野のお茶と歴史」後編

モデル 高山都 / 安井達郎

安井達郎さん・高山都さんとの津和野旅の後編です。(津和野の「ざら茶」と「煎茶道」を体験した前編はこちら

高山都
1982年生まれ。モデル、俳優、ラジオパーソナリティなど幅広く活動。料理やうつわなど、日々の暮らしを発信するInstagramも支持を集める。趣味は料理とマラソン。著書に『高山都の美食姿』シリーズ(双葉社)など。
 
安井達郎
1988年生まれ。モデルとしてCMや広告、雑誌などで活躍。映像作家としてnever young beach、indigo la EndなどのMV監督を務める。近年はYouTubeでのVlog発信に加え、写真家としても活動中。

煎茶道の余韻を感じながら分銅屋を後に、津和野の町を散策します。観光地として知られる津和野ですが、歩いてみれば、風情ある歴史的な街並みの中で、今も日々の暮らしが営まれていることがわかります。

道すがら、ふらりと立ち寄ったのは地元の人たちに愛される酒蔵「華泉酒造」。290年以上の歴史を持つ老舗です。
お店の方にすすめられさっそく試飲。夜に宿で楽しむ一本を選ぶのも旅のたのしみ。

2022年にデビューした人気銘柄の「㐂津禰」(きつね)。純米吟醸、純米大吟醸など、それぞれの味を確かめ、お土産も購入しました。

さらに歩いていると、ふたたび都さんの足が止まりました。視線の先にあるのは「俵種苗店  SHIKINOKA」。野菜の種子や量り売りのパイ酢、オリジナルデザインのプロダクトなど、食と暮らしの道具たちが並ぶお店です。木造の建物は、国有形文化財にも指定された歴史的な建築。中も扱うものも素敵ですが、つぎの予定があるので、またの機会に。

日が暮れはじめると冷え込みます。そろそろ宿へ向かいましょう。

リニューアルした、津和野で唯一の温泉宿へ

今夜の宿「ゆとりろ津和野」は、津和野の中心部にある、地域で唯一の温泉宿。2023年にリニューアルした館内に入ると、ロビーには津和野のおすすめスポットを紹介するカードが並び、ウェルカムスイーツには、津和野銘菓の「源氏巻」が。さらには地元のお茶園「秀翠園」のお茶も楽しめます。

本日の夕食はホテル内のレストラン「agansai」へ。名前の由来は「召し上がれ」を意味する津和野の方言だそう。こちらでは津和野の郷土料理を現代的にアレンジした料理が楽しめます。

せいろ蒸し、茶碗蒸し、お作り、八寸など、地の食材を使った料理たち。津和野の地酒を使った鍋は、寒い季節にぴったり。
ロビーの壁に並ぶのは津和野のおすすめスポットを紹介するカード。100枚の中から気になるものを集めて自作のガイドブックも作れます。

ドリンクコーナーでは創業1949年の地元のお茶園「秀翠園」オリジナルのお茶が楽しめます。

ウェルカムスイーツは津和野の銘菓「源氏巻」。(写真:ゆとりろ津和野提供)

大浴場の露天風呂。晴れた日は星空が見もの。(写真:ゆとりろ津和野提供)

利き酒スタンドには、津和野や近隣地域の地酒が並びます。

知る人ぞ知る夜のアクティビティ「つわの太鼓」

夕食後、ふたりは再び外へ。夜は静かな町というイメージのある津和野ですが、実は、夜だけの特別な体験もあります。

向かったのは「つわの太鼓」の練習会場。扉を開けた瞬間、目に飛び込んできたのは、ずらりと並ぶ大太鼓。

ここでは、週に2回、一般にも公開された練習が行われています。見学は自由。海外からの旅人にも人気の、知る人ぞ知るスポットです。
 
見学だけのつもりだったのですが、「よかったら、叩いてみませんか?」というお誘い。団員の皆さんに混じり、練習曲に参加させていただくことに。

はやくもコツを掴んだ様子。「いい! うまい!」と団員のみなさんも褒め上手。
ちょっと失敗したみたいです。

最後のしめくくりは、つわの太鼓のみなさんによる演奏披露。大きな掛け声、地響きのような低音。鋭い高音のリズム。さっきとは別物のような迫力に、場の空気が一変します。

このみなさんの表情。あまりの音圧に達郎さんのカメラマイクが不調になるアクシデントも……!

2曲目は軽快なオリジナル曲。つわの太鼓のメンバーは地元の有志の人たち。年に数回演奏公演を行なっています。

「想像をはるかに超える迫力で、本当にすごかったです」と、興奮気味に語る達郎さん。都さんも、「音の振動が体に残っていて、まだドキドキしています」

こちらの体験と見学に費用はかかりません。つまり、みなさんの善意から見学を受け入れているということ。

代表・野村さん曰く「せっかく津和野に来てもらって、夜に出かける場所がないと寂しいでしょうから。少しでも楽しんでもらえたらそれが何より嬉しいんです」。
 
優しい「ざら茶」で心身をいたわり、丁煎茶と骨董でお迎えする。客人をもてなし、ともに楽しい時を過ごす、という津和野人の心配りが、つわの太鼓のみなさんにも感じられます。

「大人になると新しいことを学ぶ機会って少なくなりがちですが、今回の津和野では、素敵な先生たちに出会えて刺激になりました。」(達郎さん)
 
「私はお友達をうちに招くのが好きなんです。器を選んで、料理をつくって、合わせるお酒を考えて。相手を想像しながら準備する時間っていいですよね。津和野は、そんな、おもてなしの心に触れるあたたかな旅でした」(都さん)

旅の締めくくりは、おみやげ選び。津和野らしさの詰まった、とっておきの品をご紹介します。

さらに!

編集部が激推し! 津和野みやげ

手紙に香りを添える、分銅屋の「文香」

煎茶道体験の「分銅屋」で見つけたオリジナルの「文香」。小さな袋に詰められたお香で、手紙に添えたり、衣服に忍ばせたりして香りを楽しむもの。平安時代には手紙に香を焚きしめて送る風習があったといいますが、旅先から手紙と香りを届けるなんて素敵ですよね。

三松堂「むしどら」と地酒「初陣」のマリアージュ

日本酒と和菓子が合うこと、知っているでしょうか? 津和野の老舗・三松堂の冬の名作「むしどら」は、ふわふわの黒糖生地に甘さ控えめのあんこがマッチする一品。それにぜひ合わせてほしいのが、古橋酒造が手がける津和野の名酒「初陣」。おすすめは吟醸酒。フルーティーで華やかな飲み口が、蒸しどらの品の良い甘みを引き立てます。「この組み合わせ、お客様に教えてもらってから私もハマってます」とは三松堂の方の言。地元で愛される間違いのないペアリング。津和野みやげにいかがでしょう。

この記事で訪れた場所

ゆとりろ津和野

住所:島根県鹿足郡津和野町後田ロ82-3
TEL:0570-031-085
https://yutorelo-tsuwano.com

つわの太鼓

練習日:毎週月曜・金曜 19:00〜21:00
見学自由(公演前など体験不可の場合あり)
住所:津和野町後田447-10(津和野伝統文化館)
TEL:090-6831-9741
https://www.kankou-shimane.com/destination/21449

Photography Yuri Nanasaki  
Edit&Text Masaya Yamawaka

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