神話の国へ向けて出発!

私たちにとって初めての寝台特急です。ワクワクしながらプラットホームで待つ私たちの前に、日の出をイメージしたワインカラーとベージュのおしゃれなボディの「サンライズ出雲」が、すべるように入ってきました。2階建ての背の高い車体。窓からこぼれるオレンジ色の温かな灯りを見ると、夜の東京駅から出発する神話の国「出雲」への旅に、期待感はますます膨らみ、今や最高潮です。

私たちと同じように初めて乗るのか、サンライズの前で記念撮影する人たちも何組かありました。飛行機に乗れば、東京−出雲間は1時間余り。でもゆっくりと旅を楽しみたい方には、一晩かけて走る列車の旅が何とも味わい深く贅沢。そんな特別な気分にさせてくれる何かがここにはあります。

ゆったり快適な旅

「サンライズ出雲」は、個室を中心とした構成で、シャワールームやラウンジもあり、インテリアにもこだわるなど、私たち女性にも安心して楽しめる列車です。

部屋の中はやわらかな室内灯に照らされ、とてもきれいで落ち着いた雰囲気。さっそく荷物を置いてベッドに腰掛け、リラックス。

インテリアのデザインは住宅メーカーの「ミサワホーム」と共同で行われたそうで、通路から個室内まであたたかな木目調で統一されていて、ほっと寛げる空間となっています。

昔の夜行列車のイメージを一新した新時代の寝台列車として、登場した1998年には「グッドデザイン金賞」や「ブルネル奨励賞」などを受賞したとのこと。小さなデスクや、カップホルダーが備え付けてあったり、部屋のキーは自分で暗証番号を登録できる仕組みになっているなど、さすがグッドデザイン金賞!細やかな心遣いが感じられます。サンライズ号のマークがプリントされたタオルセットや、青と白のストライプの浴衣も、デザインがかわいくて素敵です。

いよいよ出発♪ ベッドに座って、流れ行く夜景を眺めながらお弁当を食べたり、お酒を片手に楽しくガールズトーク。ファッションから友だちのこと、仕事のこと、これから行く島根の観光地のこと等々、話題は尽きません。

おしゃべりが一段落したら、車掌さんから購入したシャワーカードを片手にシャワールームへ。休む前に列車内でシャワーが浴びれるなんて、うれしいですね!(シャワーカードは給水タンクの容量の関係から20枚の限定販売ですので、ご購入はお早めに…)

読書をしたり、ベッドに横になって広く大きな窓から星空を楽しんだりしているうちに、いつの間にか夢の中へ…。まるでシティホテルのような快適さで寝心地も抜群、ぐっすり眠ることができました。

登る朝日の中を出雲へ

目覚めると間もなく列車は岡山駅へ到着。東京から岡山までは、「サンライズ出雲」と「サンライズ瀬戸」が併結されていますが、ここで「サンライズ瀬戸」とはお別れ。列車の切り離しの様子を鉄道ファンの方たちが見学していました。

私たちは、サンドイッチと飲み物を持ってラウンジへ行き、朝食です。サンライズは個室中心の構成なので、グループでおしゃべりや食事をしたい時など、誰でも利用できるフリースペースのラウンジは重宝しそうですね。朝のすがすがしい山々を眺めながらの朝食なんて、とっても贅沢な気分です。

岡山−米子間の伯備線は山あり谷ありで、窓の外の風景を見ていて飽きることがありません。街や村、緑豊かな山、線路に沿って流れる川、そして県境には分水嶺があり、米子の手前では朝の雄大な大山の姿を見ることもできます。


やがて線路は山陰線へ。車窓にのどかな山陰の景色が広がって来ると、サンライズ出雲の旅もそろそろ終わりです。これから、神話や豊かな自然に彩られた、松江や出雲の観光地を思いっきり楽しもうと思います。

サンライズ出雲DATA

発着時刻下り 東京22:00発 → 出雲市9:58着
上り 出雲市18:55発 → 東京7:08着
往復
運賃・料金
(通常期)
出雲市・松江 〜 東京 (おとな一人当たり)
●A寝台個室シングルDX \57,920
●B寝台個室サンライズツイン \45,580
●ノビノビ座席 \31,100  ほか
その他料金等、詳しくは『JRおでかけネット』へ
旅を終えて ― しまね観光大使 小川千春さん

都会の日常を忘れて、寝台列車で女子旅♪なんてどうでしょう?速い移動手段も魅力的ですが、夜景や駅弁、会話を楽しみながらのゆったりしたサンライズでの移動は、今までになかった選択肢の1つだな、と今回思いました。サンライズ出雲、かなりオススメですよ!

協力:西日本旅客鉄道株式会社