津和野

津和野の町あるき

◆太皷谷稲成神社

日本五大稲荷の一つがここ、太皷谷稲成神社。「稲が成る」と表記するのは珍しく、大願成就の祈りが込められているとのこと。日本全国数万ある稲荷神社でもこのように書くのは太皷谷稲成神社だけなんだそうです。

津和野川沿いにある弥栄神社の脇から、千本鳥居の参道を登ります。鳥居はトンネルのように連なっていて、鮮やかな朱塗りが見事です。城山の中腹にある境内まで登ると、結構いい運動になりました。

“しまねっこ”と一緒に、島根に沢山の方が観光に来てくださいますように・・・とお願いをしました。

太皷谷稲成神社

島根県鹿足郡津和野町後田409
[TEL]0856-72-0219

◆殿町通り・本町通り

山陰の小京都・津和野の観光メインストリートです。かつて津和野藩亀井氏の城下町として栄えたこの町には、今も歴史を感じさせる景観が残っています。

殿町通りには、武家屋敷や藩校養老館、カトリック教会などが建ち並び、津和野のシンボルとも言える通りです。白壁に面した通りの掘割には大小様々の鯉がこの付近だけで700匹余り放流されているそうです。鯉の泳いでいる姿を眺めながらの町歩きは心が和みますね。

あっ、しまねっこが随分熱心に鯉をながめてると思ったら、よ、よだれが…!だめよ、しまねっこ。これは食べちゃいけないんだから!(笑)

殿町通りの先の本町通りには、和菓子屋、造り酒屋、薬店など昔ながらの商屋の町並みが続いています。

しまねっこと一緒に通りを歩いていると、町の人や観光客の方に「かわいい」とか「頑張って」とか、たくさん声をかけてもらいました。しまねっこは記念撮影の大サービスをしていましたよ。

美術館めぐり

◆安野光雅美術館

津和野町出身の画家・安野光雅さんは、1984年に国際アンデルセン賞(国際児童図書評議会)を受賞するなど、世界的な絵本作家として名が知られ、絵本のみならず、風景画、装画、エッセーなど幅広い分野で活躍されています。安野光雅さんの作品を一堂に展示している安野光雅美術館を訪れました。

ひとつひとつの絵がやさしいタッチで描かれていて、心が温かくなるような絵が沢山展示してありました。

館内で販売している絵葉書や一筆箋もおすすめです。

安野光雅美術館

島根県鹿足郡津和野町後田イ60-1
[TEL]0856-72-4155

◆葛飾北斎美術館

葛飾北斎美術館には、浮世絵師・葛飾北斎とその門下生たちの版画、版本、肉筆画約1000点が収蔵されています。代表作『冨嶽三十六景』など貴重な作品が並んでいました。

「どうして津和野に葛飾北斎の美術館?」と最初不思議に思ったのですが、何でも津和野は、葛飾北斎の作品「北斎漫画」の初ずりが発見された地であるとのこと。

昔の町並みのペーパークラフトも展示してあり、すごく興味深かったです。

葛飾北斎美術館

島根県鹿足郡津和野町後田ロ-254
[TEL]0856-72-1850

◆杜塾美術館

杜塾美術館には、津和野町出身の洋画家・中尾彰、吉浦摩耶夫妻の作品が展示されています。淡く夢見るような美しい作品の数々に心ひかれました。

建物は、津和野藩筆頭庄屋・弥重家の「庄屋屋敷」を往時のままに修復したもので、高い天井に太い梁、大黒柱など、趣きあるお屋敷に歴史を感じました。

2階から眺める津和野城跡や、太皷谷稲荷神社なども素敵でした。また、季節によってSLの走る姿もここから眺めることができます。雨戸のふし穴から入る光で、庭園がほのかに障子に映し出されるという、針穴写真にもびっくりしました。

杜塾美術館

島根県鹿足郡津和野町大字森村イ542
[TEL]0856-72-3200

森鴎外生誕150周年

◆森鴎外記念館・旧居

「舞姫」「高瀬舟」などの作品で有名な津和野出身の文豪・森鴎外が、2012(平成24)年1月19日に生誕150周年を迎えると聞き、森鴎外記念館に伺ってきました。

第一展示室では、鴎外の60歳までの生涯をビジュアルや著作、遺品、直筆原稿など豊富な資料で紹介しています。また第二展示室では、鴎外が書いた自記材料を元に多感な時期を過ごした津和野時代をビッグスクリーンによるハイビジョン映像で視聴こともできます。

記念館ロビーからながめる、伝統と現代が混じり合ったモダンな庭園のモニュメントが印象に残りました。

記念館の隣には森鴎外の生家が保存されていて、実際に鴎外が10歳まで住んでいた家を見学できます。何だか昔懐かしい気持ちになる家でした。

森鴎外記念館

島根県鹿足郡津和野町町田
[TEL]0856-72-3210

津和野グルメ

◆アルチジャーノ

津和野は造り酒屋が多いことでも有名ですが、本町通りにある老舗古橋酒造さんの酒蔵を改装して、自家製手打ちパスタをメインとしたイタリアンのお店がオープンしました。お店の名前「アルチジャーノ」は、イタリア語で職人という意味だそうです。

ホウレンソウのペーストを練りこんだパスタや、トマトや白魚たっぷりのパスタなど、新鮮で旬な地元野菜を使った手打ちパスタが人気です。

アルチジャーノ

島根県鹿足郡津和野町後田ロ196
[TEL]0856-72-3365

◆寿司割烹 あおき

津和野名物といえば「うずめ飯」に「芋煮」。あおきさんでいただいた料理は、石見出身の私にとって、どこか懐かしい料理ばかりでした。

益田名産の葉山葵の醤油漬けは鼻にツンとくる辛さが後を引きます。素麺瓜の酢の物も涼しい気分を味わうことができます。

寿司割烹 あおき

島根県鹿足郡津和野町後田イ-78-10
[TEL]0856-72-0444

◆三松堂

津和野を代表する和菓子といえば「源氏巻」。笑小巻は、その源氏巻を一口サイズにしたものですが、表面にニッコリかわいい笑顔の焼き印があって、見るだけでも楽しく、食べるとふんわりした生地に程よい甘さの小豆が入っていて、見た目も味も満足の和菓子でした。

この他にも、さくら餅やうぐいす餅、枝豆の大福、柚子餅など季節ごとの美味しそうな和菓子がたくさん並びます。

三松堂

島根県鹿足郡津和野町森村ハ19-5
[TEL]0120-174-006

◆能濃

駅に近い和風の喫茶「能濃」さんで、コーヒーぜんざいを頂きました。和風コーヒーフロートといったイメージです。「えっ、コーヒー×ぜんざい!?」と思いますが、意外とマッチしていて、奥深い味がくせになるかも…(^^)

新しいメニューなのかなと思ったら、実は30年以上前からあった伝統のあるデザートでした。

能濃

島根県鹿足郡津和野町後田イ-52-2
[TEL]0856-72-0238

益田

雪舟終焉の地、益田

◆萬福寺

水墨画で有名な雪舟。幼い頃、涙でねずみを描いた話はよく知られています。その雪舟は晩年を益田で過ごし、この地で87歳の生涯を閉じたと伝えられています。

萬福寺は益田氏11代兼見によって創建された、益田氏の菩薩寺です。こちらには、寺に伝わる貴重な文化財や雪舟作と言われる見事な庭園があります。

庭園はとても広く、様々な角度で眺めてみるとまた違った顔を覗かせるのでおすすめです。訪れた日は真っ白な睡蓮が一輪、池の中に凛として咲いているのが印象的でした。

予約すれば、この雪舟庭園をながめながら精進料理をいただくこともできます。

萬福寺

島根県益田市東町25-33
[TEL]0856-22-0302

◆医光寺

萬福寺の他にも雪舟が手がけた庭園が残されています。そのうちの一つがここ、医光寺。医光寺の雪舟庭園は国史蹟および名勝に指定されています。

春のしだれ桜が有名で、満開のしだれ桜がたわわの庭園はまるで日本画のよう。つつじや新緑、紅葉、雪景色と、四季折々に趣の異なる庭園を拝見することができます。

医光寺

島根県益田市染羽町4-29
[TEL]0856-22-1668

◆雪舟の郷記念館

雪舟の終焉の地は諸説あるそうなのですが、雪舟が晩年を過したとされる、益田の旧東光寺が最も有力なのだそうです。東光寺跡に建てられた大喜庵境内には、ひっそりと雪舟のお墓もあります。 大喜庵に隣接して、雪舟の郷記念館が建っています。館内には雪舟のゆかりの地の写真や屏風絵などが展示されています。

ロビーからながめる枯山水風の庭園は、雪舟が描いた「花鳥図屏風」をヒントに作られたのだそうで、樹齢100年を超える松や、竹、桜など四季折々の景色を楽しむことができます。

展示の中で、高村光雲の彫刻である雪舟像が私には印象的でした。

雪舟の郷記念館

島根県益田市乙吉町イ1149
[TEL]0856-24-0500

柿本人麻呂

◆柿本神社

高津町にある柿本神社は万葉の歌人柿本人麿を祀り、地元の人に最も親しまれている神社です。初詣や9月1日の八朔祭にはたくさんの方が参詣に訪れます。

今からおよそ1300年前に、地元で人麿終焉の地との言い伝えがある、益田川河口沖の鴨島に神社が作られました。ところがこの神社が津波によって流されたため、後に現在の地に移築されました。 現在の本殿は、江戸時代中頃に新しく建て直され県の文化財に指定されています。

境内には柿本人麿の歌碑や、「水底の歌」で人麿の鴨島終焉説を唱えた梅原猛氏が、昭和52年に海底調査を行った際に引き上げられた石(石段に使用?)などがあります。

柿本神社

島根県益田市高津町上市イ-2616-1
[TEL]0856-22-0756

◆島根県立万葉公園

高津柿本神社に隣接して、県立万葉公園があります。

園内には、万葉集に登場する植物が植えられた万葉植物園や、曲水をイメージした流れがあるまほろばの園、オートキャンプ場などがあります。

ここは私も友達とよく遊びに来ていました。親子で楽しめるアスレチック広場、広い芝生広場もあって、運動するのに最適の公園です。家族でお弁当を持ってピクニックもいいですね!

しまねっこと一緒にかけっこをして、とっても気持ちが良かったです。そうそう、しまねっこはゴルフも上手でしたよ!

島根県立万葉公園

島根県益田市高津町イ2402-1
[TEL]0856-22-2133

文化

◆島根県芸術文化センター グラントワ

グラントワは、フランス語で「大きい屋根」を意味します。島根県西部の風景で特徴的な赤い石州瓦を、屋根ばかりか壁面や中庭にまでに使用した斬新なデザインで、建物自体が巨大なオブジェのようです。全国でも珍しい美術館と劇場が一体となった芸術施設で、島根県西部の文化の拠点となっています。

グラントワのマスコットキャラクターのオロチくんも、しまねっこを元気にお出迎えしてくれました。最近食べ過ぎで少々動きがまったり気味のしまねっこに比べ、フットワークの軽いオロチくん。でもハイタッチで友情を確認し、中庭の池の周りを一緒にランニングするなど、息もぴったりでした。

島根県芸術文化センター グラントワ

島根県益田市有明町5-15
[TEL]0856-31-1860

益田グルメ

◆遊行膳(ゆぎょうぜん)

創業80年の老舗旅館・市原屋が、5年前から「遊行膳」の提供を始めました。

この遊行膳とは、時宗(じしゅう)の54代尊祐上人が遊行(布教のため全国を旅すること)で萬福寺に来訪された際に、警護などの任務についた藩の役人をもてなした料理の、朝・昼・夕食の献立を総合して昼食として再現した、二汁三菜の身体にやさしい精進風料理です。

事前に予約すれば、萬福寺の庭園をながめながらいただくことができます。

遊行膳(市原屋)

益田市本町5-32
[TEL]0856-22-0231

◆栗栗珈琲

益田駅に近い栗栗珈琲は、こだわりのエスプレッソ・スペシャルティコーヒー専門店。

店内は落ち着いた雰囲気で、マスターもとっても気さくな人柄。ラテ・アートがとってもきれいで感動!エスプレッソの味わいは、まるで異国の地に来た気分になれるような奥深い味でした。 シフォンケーキもふんわりととろけるような味わい。スタンプカードまでがおしゃれなデザインでしたよ。

栗栗珈琲

島根県益田市あけぼの西町8-6
[TEL]0856-22-7870

石見神楽

島根県西部(石見地方)に伝わる伝統芸能・石見神楽は、独特な速いテンポのお囃子や、豪華絢爛な衣装や表情豊かな面をつけての華麗な舞が、多くの人々を魅了しています。

元々神楽は、その年の豊作や豊漁に感謝して、毎年秋祭りに氏神様へ奉納される神事です。しかし石見神楽は、神事でありながらも演芸的要素が濃く、ストーリーも明解。舞もお囃子も激しく、胸のすくような爽快さと勇壮さがあるのが特長です。

私たちも今日は、この季節石見地方のあちこちで演じられる夜神楽を見学しました。この日の演目は、異国より到来した大悪鬼を退治する「塵輪」と、古事記のスサノオ命によるヤマタノオロチ退治に題材をとった「大蛇」。演ずる木ノ口社中の皆さんは年代が様々で、子供から大人まで迫力ある舞を披露され、神楽に勢いを感じました。大蛇で出て来るおじいさんやおばあさんも、益田弁を使いながらの演技ですご〜く親しみを感じました。

上演が終わって油断していたら、いつの間にか2匹のオロチがしまねっこに迫り、あっという間にぐるぐる巻きに。しまねっこ、ピーンチ!でもしまねっこは、スサノオ命から借り受けた剣を使って、みごとオロチを退治しましたよ!本当にはらはらのハプニングでしたー。

石見神楽

[TEL]0855-29-5647(石見観光振興協議会事務局)
体験レポート
今回の旅のレポーターは、しまね観光大使の吉田 環(よしだ たまき)さんと、島根観光キャラクター「しまねっこ」でした!

<吉田さんプロフィール>
好きなこと:きれいな物を見ること(景色、絵、布、焼き物、ケーキなどなど…)、美味しい物を食べること、音楽を聞くこと
趣味:お菓子作り&料理作り
特技:トロンボーン

<津和野・益田の旅を終えて>

地元ながらも新しい発見が沢山あり、充実した2日間でした。しまねっことは初のお仕事でしたが、2日間をとっても楽しく過ごすことが出来ました。

お寺巡り、庭園巡りも疲れた心を癒すきっかけになりますね。皆さんもぜひ石見に足を運ばれて、アートな旅、癒しの旅を楽しんでみてください。