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小原先生の注釈 ■■
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とにかくに隠岐の鵜の身の上は辛いものだ。鵜に尋ねれば、鵜はその辛さをわが名の鵜をもって憂(う)と答えるであろう。 |
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小原先生の解説 ■■
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院が御身の上を、島に孤独に荒波に濡れている鵜の身の上と見られた一首。第三句を「島つどり」と切ってここに歎きの強さを示していられる。とにかく我が身は辛いことだ。それを問われるならば、憂き辛いことと答えるより他にはないと言われるのである。「をき」(隠岐)にしろ「沖」にしろ、荒波に憂き辛い生活をしている鵜を眺められて、それを我が身の上に見られた院の御心境である。 |
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