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小原先生の注釈 ■■
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暁見た夢がはかなく、それを思いながら、うちうとしていると、吹く松風の音が、夢よりもいよいよはかなく聞こえる。 |
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小原先生の解説 ■■
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はかない夢とはあるが、暁方の夢はどんな夢であったろうか。我が身の上をつくづくと思っていられた夢であろう。その夢から覚められたが、その夢のことを思いながら、またうとうととしていられると、松風の音が聞こえる。その音は、さきの夢のはかなさよりも、さらにはかない声に吹いている。それで、我が身のはかなさが、いよいよしみじみと感じられてくるのである。 |
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