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小原先生の注釈 ■■
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我れこそは新しくやって来た島守だよ。隠岐の海の荒い浪風よ、十分気を付けて吹けよ。 |
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小原先生の解説 ■■
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「しま守」は島を守る者。隠岐に流されて間もない侘しさが表白されており、「新島守」に頼り無さと孤独の哀れが滲み出ているが、それとともに、確たる自覚と宣言的語調も感じられる。そして、「あらきなみかぜ心してふけ」には堂々たる命令的強さも見られる。院は「惨めな流人として、しかも自分のため、哀願しているのでは決してなく、この島を守るものとして、誰か他人のため、海に命令しているのだ。この歌は島に流されて間もない頃の歌であろう。 |
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