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小原先生の注釈 ■■
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人の寿命には限があり、定まっているものなので、今に生き永らえて、粗末な住居の萱の軒端に月も眺めることになった。分からないのは人間の行末というものだ。 |
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小原先生の解説 ■■
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隠岐の島に遷って、萱で葺いた粗末な住居で月を眺めるとは、思いもよらなかったのだ、実に人間の将来の運命など予測もつかないものだ、常無いものだ、という無常述懐の歌である。「月もみつ」に万感の思いが籠められている。しかし、こうなったのも、考えてみれば、人の運命なのだ。人の寿命には限というものがあるからである、と自らに思いをめぐらしていられる。 |
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