美肌県しまね うるおい研究室美肌県しまね うるおい研究室

美肌たび 研究日記diary

山陰の秘湯・有福温泉で
満喫する美肌の湯と、
浜田のグルメを楽しむ旅

江津市の山あいにある有福温泉は、“美人の湯”とも呼ばれる温泉地です。温泉街中心地から奥に潜んだ大人の隠れ家のような宿がこの日のお泊まりどころ。早い時間にチェックインしてお風呂とお食事を楽しみます。お次は浜田市へ。海鮮グルメやこだわりコーヒーを楽しみ、漁港の景色を堪能。心もからだもパワーアップできる、自然の恩恵豊かな江津・浜田エリアを旅します。

和の趣きにふれられる贅沢な空間でおもてなし。
「旅館 ぬしや」

有福温泉は1300年以上もの歴史を持つ、緑深い山に抱かれる温泉地です。
昔のままの細い道と、切り拓かれた斜面に温泉宿と民家が並び、まるで時が止まったような情景が広がります。
この温泉街の中心地から、少しだけ離れた場所にひっそりと佇む湯宿。
「旅館 ぬしや」は広い敷地内にその数わずか9室という、ラグジュアリーな雰囲気でもてなしてくれる温泉宿です。
創業250年の老舗旅館は17年前に現在の場所に移転した際、古民家移築などを行い、今の形へと生まれ変わりました。9つの部屋のうち洋室が3つあり、有福温泉街ではベッドタイプのお部屋を持つ唯一のお宿です。

NEW NEW

ロビーがある本館、離れとなる客室の中心には自然を活かした池と草木の中庭が広がり、窓から眺める景色は、まるで緑の森の中にいるようです。客室まで向かう外廊下では風が揺らす葉の音や鳥のさえずりに包まれながら、心和む景色に迎えられました。

NEW

この日宿泊するのは2階建の露天風呂付和室。
古民家ならではのしっかりと太い梁や柱、足の裏から伝わる畳の感触に、情緒と温もりを感じました。
家族連れでも十分な広さと部屋数があり、贅沢な気分を味わえます。

NEW NEW

部屋の源泉掛け流しの露天風呂は、地元の石材「福光石」を使ったもの。
無色透明の単純アルカリ泉のお湯は泉質の良さに定評があります。刺激が少なく赤ちゃんや年配の方、お肌の弱い方にも安心の、優しい美肌の湯です。

NEW NEW

また大浴場には内風呂、露天風呂、さらに貸切風呂があります。
大きなお風呂にゆっくり浸かれるのも温泉旅館の楽しみのひとつですね。
こちらの大浴場には、石見地方の神楽で使われるヤマタノオロチの頭を模した、趣向を凝らした湯口がありました。

NEW NEW

夕食は本館のお食事処やまてらしにて。
浜田漁港から届く鮮魚のお造りをはじめとした、日本海の幸が楽しめる内容。こちらも浜田の特産品、“のどぐろ”は夕食には煮付けとして、朝食には干物として必ず献立に入る宿の名物です。

NEW NEW

石見地方の地酒やクラフトビールなど、美酒もしっかり揃っています。
のんびりと温泉街を散策しお湯にゆっくり浸かって、地元食材を肴に一献。有福温泉街だけでも、温泉と地酒・グルメの満喫旅が完成です。

NEW

ゆっくりと日頃の疲れを取って、美味しいものに舌鼓。
明日の活力もしっかり充電できた宿でした。

NEW

なつかしの国いわみ
旅館ぬしや
https://www.all-iwami.com/reservation/detail_1573.html

昔ながらの風情が残る、温泉街の小道や路地にうっとり

翌朝は、せっかくなので温泉街の散策に出かけました。
いわゆる“ひなび系”と言われる、昭和がそのままパッケージされていたかのようなレトロな雰囲気。細い階段が山肌に続き、開かれた斜面に旅館やお土産屋さんが建てられています。
朝の空気の中、流れる水路の音もクリアに聴こえ、清々しい気持ちでいっぱいになります。

NEW NEW

小さな温泉街ですが外湯が3軒もあり、湯めぐりが出来るのも楽しみのひとつ。
ひときわ目立つ洒落た建物が「御前湯」です。熱めのお湯で、加温・加水なしの源泉100%というのも温泉好きには嬉しいところです。その泉質は肌あたりがとても柔らかく、pH9.0とアルカリ度の高い美肌の湯と評判の温泉です。

NEW

御前湯は白いレンガタイル造りにアーチ型の窓が特徴的で、飾り屋根には丸型瓦が使われた和洋折衷の近代建築の建物。
街の中でも特に存在感を放っていて、人々を惹きつけます。

NEW

石畳や石段を上りながら、ところどころから立ちのぼる温泉の湯気に気持ちまでほっこりします。迷路のような路地は、探検気分も味わえます。細い路地裏に素敵なフォトスポットが隠れていることも。

NEW NEW

有福エリアは、冬の時期も最高です。町のあちらこちらに立ち上る湯気の景色は、冷え込む朝の美しい景観を作り出し、澄んだ空気としっとりとした湿度が、優しく肌を包み込んでくれます。

NEW NEW

有福温泉は、海水浴場やバーベキューが出来る「石見海浜公園」、また水族館「しまね海洋館アクアス」からも近く、少し足を伸ばすだけで、つるつるお肌を手に入れる名湯を味わうことができます。
“有福”という縁起のいい名前も魅力的です。
秘湯・有福温泉にぜひ足を運んでみてください。

NEW

しまね観光ナビ
有福温泉
https://www.kankou-shimane.com/spa/detail/46_arifuku

浜田漁港の行列必至店で食べる島根の味
“のどぐろ”ランチ「めし処ぐっさん」

温泉を堪能した後、今度は海へ。車で30分も走ればあっという間に青い海に到着します。山も海も楽しめるというのは、2つの距離が近い石見地方の特権です。

まずは日本海を見て深呼吸。
浜田漁港を見下ろす道の駅から見えるのは、波止場と入江をつなぐスラリとのびたプロポーションの浜田マリン大橋。その近くにある水産物の街・浜田市で人気の漁港メシ「のどぐろ炙り丼」を求めて、めし処ぐっさんへ向かいます。

NEW

めし処ぐっさんは、漁港にある公設仲買売り場の外階段を通り、2階に上がったところにある小さな食堂。
漁港で働く人たちの胃袋を満たすだけでなく、今ではわざわざぐっさんを目指して各地から人が押し寄せる人気のお店です。

※2021年3月 リニューアルオープンされる「しまねお魚センター」内に移転予定です。(状況により移転時期の変更あり) 

NEW NEW NEW

刺身定食や海鮮丼も人気。でもやっぱり一番オーダーされるのは「のどぐろ炙り丼」です。
山陰沖で揚がった新鮮なのどぐろ。日々漁業に携わる仲買のプロが選んだ魚と、魚屋のご経験があるというご店主の目利きという何重ものジャッジをくぐり抜けて提供される、最上級クラスののどぐろが食べられるお店です。

NEW NEW

そののどぐろをきれいにさばいた後、サッと炙って香ばしく仕上げます。
決して火を通しすぎない絶妙な炙り。香ばしさを出すために特製のだし醤油をかけてから火を通します。
この作業により、のどぐろがプリっとした弾力を持ち口の中で溶けて広がります。ただ脂っこいのではなく、とても上品な甘みを伴った脂です。
のどぐろは実は皮もおいしいので、この炙りにより香ばしい皮目も楽しめるようになります。

NEW

脂ののったのどぐろには、魚に多く含まれるDHAやEPAという血液をサラサラにしてくれる血管に優しい脂肪がたっぷり含まれています。ストレスの多い現代人の滞りがちな血液の流れを改善してくれるので、肌の細胞の隅々まで、うるおいや栄養を運んでくれる効果があります。
輝く素肌のためにも、日常的に浜田港の新鮮な魚をいただきたいものですね。

NEW NEW

この丼には、途中でのどぐろや魚のアラからとった出汁をかけて、二度楽しめるのも美味しさの秘訣です。
リピーターも多く、また誰かに話したくなってしまう、忘れられないおいしさ。
お腹いっぱい、心も満足した後は、浜田の海を眺めてのんびりするのもいいですよ。

NEW

浜田市観光協会公式サイト はまナビ
めし処ぐっさん
http://www.kankou-hamada.org/guidepost/6422

浜田市出身の偉人が遺した究極の味わい「ヨシタケコーヒー」

最高ののどぐろランチを済ませたら、コーヒーブレイク。独特の抽出方法で淹れるコーヒーのお店を訪ねてみました。
そのコーヒーとは、浜田市内の喫茶店やカフェで提供される「ヨシタケコーヒー」です。

ヨシタケコーヒーの生みの親である三浦義武氏は明治32年、那賀郡井野村(現浜田市)の豪農の家に生まれました。大学進学のため上京、そこでコーヒーと運命的な出会いをします。その後、熱烈なコーヒーマニアとしてネル製法による独創性の高いコーヒー抽出方法を編み出します。

NEW

細長い綾織のネル袋の中に丁寧に焙煎された挽き豆をたっぷりと入れ、水を注ぎながら混ぜ返し、最後に湯を入れるという独特の注ぎ方により、香りが高くコク深い一杯を抽出します。その味は、淹れる人によって変化する不思議な飲み物とも言われています。
このコーヒーが飲めるお店のひとつが「珈琲時間(コーヒータイム)」です。

NEW NEW

せわしない日常の中、一滴、一滴とゆっくりとドリップされてゆく一杯のコーヒー。この優雅でのどやかなひと時こそ、まさに店名のとおりのコーヒータイムです。
浜田市ではヨシタケコーヒー認証制度を設け、ヨシタケコーヒーのドリップ方式を正しく受け継ぎ、そして伝えていく人々を認証することで、ヨシタケコーヒーのブランド化を行っています。

NEW

ネル袋には200グラムのコーヒー粉が入っています。このひとつでだいたい6~7杯のコーヒーを抽出していきます。基本は水出しで、少しずつ水を足しながら雑味や渋味が出ないよう丁寧に底の方からかき混ぜます。最後にひと回しだけ香りを立たせるためのお湯を入れて完成させます。仕上がるまでに約1時間を要するともいわれ、手間ひまを惜しんでいては絶対に味わえない極上の一杯を味わえます。

NEW

三浦義武氏はコーヒーに並々ならぬ情熱を注ぎ、美味しいコーヒーを追求するための研究に余念がなかったと聞きます。浜田市にあるヨシタケコーヒー認証店は、そんな三浦氏の意志を受け継ぎ、昨日よりも今日、今日より明日の美味しい一杯を提供しています。

NEW

日本きってのコーヒーマニア、そして先見の明を持ち多方面に才能を発揮した島根の偉人・三浦義武氏を想い、特別なコーヒーが目の前で注がれる過程を楽しみつつ、深い味わいとその香りに癒される時。
高台から眼前に広がる浜田の海を眺められるカフェで、先人が研鑽を積み、我々に遺した粋な文化をしみじみと味わいました。

NEW

浜田市
ヨシタケコーヒー ~極上のネルドリップコーヒー~
https://www.city.hamada.shimane.jp/www/contents/1445997212239/index.html

文:西村 愛 
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授

トップに戻る