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美肌たび 研究日記diary

世界遺産の町・石見銀山に根付いた
自然との共生と和の美学

石見銀山は2007年に世界遺産登録された鉱山遺跡。戦国時代から江戸時代にかけては世界最大級の産出量を誇りました。銀で栄えた大森の町は現在も人々が居住し生活をしていて、世界遺産でありながらも人々の暮らしが隣り合わせの観光地です。
世界遺産の町並み・大森をレンタサイクルでまわる旅です。

健康的な旅のカタチ、レンタサイクルでまわる世界遺産

大森の町は谷に形成されたこともあり、周囲を高い山で囲まれています。また町の中には清らかな銀山川が流れ、その川べりには木々や草花が植えられて、自然に包まれた美しい集落です。
鉱山経営を行っていた時代から自然と共生し暮らしを紡いできた大森の町。
のんびりゆっくり健康的に、自転車で巡ります。

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レンタサイクルは電動自転車を選んで、坂道も楽々。
出発時に簡単な操作を教えてもらえるので、誰でもすぐに乗りこなせます。

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銀を産出するためには山の開発や炭づくり、また坑道を補強するための木材の調達などが不可欠な要素でした。石見銀山では、森林の伐採をすると同時に山々に植林を行っていたということが文献から明らかとなっています。江戸時代からサスティナブルな考え方を用いて自然を守り、その精神は数百年を経て現代にも受け継がれ、さらに未来へとつながっているのです。この町を歩いていると町の人の地元愛や、変わらずに守られてきた大森の自然や暮らしの大切さを感じずにはいられません。
石見銀山地域では「パークアンドライド方式」を採用、駐車場からの移動にはマイカー規制が敷かれています。この町に暮らす人たちの生活を守り、そして維持されてきた環境を守っていくという取り組みのひとつです。

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石見銀山のレンタサイクルライドは、住民の皆さんとのなにげないあいさつや迎え入れてくれる温かい人柄にも触れられ、町との一体感を感じられました。美味しい空気と風を感じて走り抜ける爽快感は、気持ちをリフレッシュさせてくれます。途中止まったり戻ったりしながら写真を撮って、お気に入りのシーンを収めるにも自転車は気軽な手段です。
ガイドをお願いすると、「石見銀山ガイドの会」の方が丁寧に、そしてわかりやすく説明してくれます。

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一般公開されている坑道のひとつ「龍源寺間歩」までは、ガイド付きでじっくりまわると2時間ほどかかりますが、ガイドの皆さんはフレキシブルに対応してくださるので、時間制限や行きたい場所の希望を伝えて連れて行ってもらうことも可能です。

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色んなカワイイも見つかる石見銀山。
宝探しするように、細かいところまで拾いながら歩くのも楽しいですよ。

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しまね観光ナビ「石見銀山と周辺エリア」
https://www.kankou-shimane.com/spot/452.html

歴史的、文化的な価値ある豪商の家「熊谷家住宅」

熊谷家は代官所の御用達を務め、石見銀山の町並みでは最も大きな商家です。
敷地面積は1,500㎡とお屋敷と呼べる広さ。主屋だけでなく米蔵や雑蔵以外に、衣装蔵、道具蔵などを持つ、昔の熊谷家の豊かさを感じられる興味深い建物で、全てが整ったのが明治元年です。国の重要文化財としての指定を受け保存修理された後、2006(平成18)年から一般公開されています。

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見どころが多く、建築物としての価値も非常に高いのですが、興味を惹かれるのは江戸時代のそのままを再現した台所。
ここは今でも実際に使用することが出来ます。

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かまどが3つあるのは、今のキッチンとも共通ですね。それにしても大きな台所で、一体どれくらいのもてなしをしていたのでしょうか。

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食器類の数を見ると、とても多くの来客をもてなしていたのでないかと考えられます。
良く知られているとおり、昔は冠婚葬祭を自宅で行っていました。熊谷家の場合はそれらの規模も大きかったことが想像できますね。

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熊谷家住宅は、銀山における熊谷家の重要性や建物の歴史的価値がクローズアップされがちですが、なにげない季節の花々や昔の柄や布を取り入れた装飾、落ち着いた日本家屋の佇まいに、旅の途中でもふっと穏やかな気持ちになれる場所です。

その理由は季節ごとのしつらえ。

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日本の古き良き暮らし方を学びながら、熊谷家の四季の空間演出を行っているのは地元の女性たちグループ「合同会社家の女たち」の皆さん。
熊谷家に残された家財や道具は日本の暮らしそのもの。それらを季節によって模様替えし、足したり引いたりしながらもこの大切な街の宝を保存管理しているそうです。
文化財の建造物が使うことによってさらに輝きを放ち、そこに人のつながりが生まれるとはとても素敵なことですね。
たとえ家の中にいても四季の移ろいや自然の音、風、空気、うるおいを感じる、日本家屋とはこんなに合理的だったのかと改めて感じます。
この時は夏。涼しい演出があちこちに施されています。

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大人の女性として知っておきたい、日本人としての心得やたしなみが生きづいている場所。
私たちが健康や美や教養といったものを磨いていくためには、昔の日本の暮らしに学ぶことが沢山あるのかもしれませんね。

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しまね観光ナビ「重要文化財 熊谷家住宅」
https://www.kankou-shimane.com/destination/20372

ローカルな生活雑貨とカフェ「石見銀山群言堂本店」

全国に支店31店舗を持つ群言堂の本店は、大森の街の中にあります。築約170年の旧商家を改築し、ショップとカフェ、そしてギャラリースペースを持つ広々とした空間。お土産を探したり休憩したりと、様々に楽しむことが出来るお店です。

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カフェは窓が多く開放的な空間。
必要以上に手を入れず、自然のままの草木の成長を生かしたお庭が良く見えます。

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ランチ「季節の野菜とお豆のカレー」。
野菜とフルーツをじっくり煮込んだカレー。季節の野菜とお豆がトッピングされています。
カレーには様々なスパイスが使われ、独特の香りと風味が美味しさの秘訣です。スパイスは、新陳代謝を活発にし食欲を増進させ、疲れた身体を回復させるなどといった、薬効のある食材として古くから継承されてきました。
カレーを作る時には、ターメリック(和名「うこん」)、赤唐辛子、クミン、ガラムマサラなどが使われることが多いです。これらは適度な刺激を与え胃腸を活発化し、独特な香りは気持ちを整えるなど、スパイスの魅力は語りきれません。

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ハヤシライスは、トマトの酸味と濃厚なコクが味わえる牛肉がたっぷり入ったハヤシソースが使われています。
トマトには、昆布だしと同じ成分であるグルタミン酸やアスパラギン酸が含まれ、旨味と食べ応えのあるハヤシライスです。

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ショップでは群言堂のアパレルや、セレクトされたお土産品、生活用品などが並べられています。
ランチプレートに使われている、生け花の箸置きも購入できます。さりげなく、でもお客様にお出しすると会話も弾むような、ちょっと気になる生活用品がいっぱいです。
日常が想像しやすいディスプレイで、ついつい手に取ってしまいます。

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群言堂が開発した「MeDu(めづ)」。
石見銀山に生える梅の花から発見された、地元産自然由来の「梅花酵母」を用いたケアコスメ。
肌本来の力を引き出す「自力美肌」づくりを考えた商品です。

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陽射したっぷりのカフェランチとお買い物で、ちょっとスッキリ。
日頃のストレス解消ができた、小さな幸せ時間でした。

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石見銀山群言堂公式サイト
https://www.gungendo.co.jp/

ぴったりサイズのシルバーリングを作る「きゅうあん

石見銀山に行って、せっかくだから銀を持って帰りたい。
しかも体験まで出来ちゃう、シルバーアクセサリー作りを行うため「鳩庵」へお邪魔しました。

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今回はシルバーリングを作ります。
こんなのを作りたい、とまずはリングデザインを決め、サイズを決めます。

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マンツーマンで指導してもらえるので、初心者でも心配はありません。難しい作業に関しては手伝ってもらえます。
小さいので慎重に、デザインを刻印します。
集中する時間っていいですよね。脳が活性化してる気がします。

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サイズ調整をしながら、丁寧に形を作っていきます。

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石見銀山へ行った、とてもいい体験になりました。SV950(銀含有95%)を使うので質の良いものが完成します。
カップルで来てペアリングを作って帰る方もいるそうです。
時間にして2時間ほど。予約なしでも受け付けてもらえますが、予約が入っていた場合はそちらが優先となります。

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鳩庵では、すでに完成したアクセサリーを購入することもできます。
リングを見る度に石見銀山の思い出に浸れそうです。

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石見銀山 鳩庵公式サイト
http://www.ginzan-web.com/

“暮らしを旅の一部に” 大森の日常を体験する宿「他郷阿部家」

大森の町並み保存地区内にある「他郷阿部家」は、古民家宿泊できる宿。
元々は1789(寛政元)年、今から約230年前に建てられた地役人・阿部家の武家屋敷でした。この古民家を、石見銀山に本社を持ち、アパレルショップ「群言堂」などを手掛ける「石見銀山生活文化研究所」の創業者、松場家のご自宅として修復することを目的に、13年かけて工事が行われました。

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自宅にお客様を招くというスタイルで、2008年から宿泊施設としての活用が始まりました。
当初は1日3組、現在は1日1組という一棟貸しを行っています。

中へと進み最初に驚くのが台所です。
懐かしい土間造り。かまどが現役で使われるなど、古き良き日本のしつらえです。

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通常キッチンというものは、宿泊施設では決して見せない「裏側」にあたる部分。
しかし暮らしを見せる他郷阿部家にとっては台所が、人が生きるための“食”を生み出す大事な場所。現にここは宿の中心的な存在で、みんなで集まるのも台所の大きな食卓です。

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船形のお風呂にろうそくの火を灯して入る。
外からは虫の声が聴こえます。石見銀山の中で泊まれるということだけでも特別なのですが、日本中探してもこの雰囲気を味わえる宿はそうそうないと思います。

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群言堂本店の項でも紹介した「MeDu」。
宿ではこれをシリーズで使うことが出来ます。
無香料、無着色、アルコールフリー、肌からじんわりと浸透する、天然由来成分でできた自然派スキンコスメ。

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蚊帳を吊るして寝るなんて、一体いつぶりでしょう…。
藍で染められた涼しげな色の世界の中で就寝できます。
人生で最も寝心地の良い布団、シーツ、寝間着でした。未だここを超えたものはありません。

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日本中に色んな宿があり色んな魅力がありますが、他郷阿部家は丁寧な暮らしを実践されている松場さんの生活を体験することが出来る、貴重な宿です。昔の人たちが多くの知恵を使って生き抜いてきたことをすっかり忘れた私たち現代人が、立ち止まって自分の頭で考え、何かに気づくことが出来る。そんな場所でした。

ここで毎晩行われることがまさに衣食住に関わるライブ。
他郷阿部家は大森の暮らし、人の営みを日々再現する舞台で、宿泊者はそれらを楽しく体験するのです。

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暮らす宿 他郷阿部家公式サイト
https://kurasuyado.jp/

文:西村 愛 
監修:島根県立大学 看護栄養学部 今中美栄 教授

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