EDITOR'S PICKS 編集部のおすすめ

フォトジェニックな穴場が満載
萩・津和野を巡る1泊2日モデルコース

レトロな街並みに調和したモダンでおしゃれなスポットが増え、より魅力的に変化している山口県萩市と島根県の津和野町。どこを切り取っても絵になるから、写真好きにはたまらない旅になるはず。周りにもおすすめしたくなる新しい萩・津和野を、誰よりも早く満喫しちゃいましょう!

多くのガイドブックで“歴史の街”と紹介されている萩と津和野ですが、古き良き街並み以外にも魅力はいっぱい。実際に足を運んでみれば、イメージがガラリと変わること間違いないでしょう。フォトジェニックな新スポットや、思わずカメラを向けたくなるカラフルな風景が盛りだくさん。歴史に詳しい人もそうでない人も、きっと旅を満喫できます。

1日目 絵になる穴場が満載の萩

10:00 
鮮やかな青が美しい山陰ブルーの海

持石海岸や宮ヶ島の衣毘須神社など、景色の良い場所が続く。

朝の便で羽田を飛び立ち90分。萩・石見空港でレンタカーに乗ったら、山口県萩市に向けて出発です。まもなく見えてくる、美しい日本海。「山陰ブルー」と呼ばれる特別な青さには、誰もが感激するはずです。

海沿いを走る国道191号線には無料のパーキングがたくさんある。

11:00
動画も撮りたい
イカの足が踊る人気のランチ

おいしい海の幸が豊富な萩市。必ず食べておきたいのが、「梅乃葉」名物、須佐男命(すさみこと)いか※ の活き造りです。注文を受けてからのスピード調理。運ばれてきた時には、まだ足が動くほどの活きの良さ。これは動画に残しておきたい! 身が透き通ってキラキラと輝き、まるで宝石のように美しい……。
 
※須佐漁港に水揚げされた活きたケンサキイカの呼び名。

捌きたての須佐男命いかがメインの「(かつ)イカ定食」。

噛めば噛むほど味わえる濃厚な甘みと旨み。これが須佐男命いか最大の魅力です。えんぺらのコリコリ食感もたまらない! 鮮度抜群で、わた(内臓)まで生で食べられます。頭や足を残して天ぷらにしてもらうのもおすすめ。また違う味が楽しめる最高のランチです。

天ぷらにしても甘くて柔らかい須佐男命いか。

イカの足に触れると色が変わるのも驚き。

「梅乃葉」は須佐駅のすぐそば。「いかマルシェ」には地元産の鮮魚や、イカを加工したお土産が並ぶ。

INFORMATION

口福の馳走屋 梅乃葉

  • 住所:山口県萩市須佐5010-1
  • TEL:08387-6-2354
  • ホームページ:https://umenoha.ume8.jp
  • 活イカの入荷は天候に左右されるため、電話でのご確認をおすすめします。

13:30
かわいすぎる!
カラフルな萩焼のギャラリー

「カネコツカサ」ギャラリー。

フォトジェニックな萩をめぐる旅に、陶芸家・金子司さんのギャラリーは外せません。ポップでかわいい作品の数々に、萩焼の印象が180度変わるはず。今まで興味がなかった人も、きっと心を鷲掴みにされます。

色鮮やかなカップとソーサーを自由に組み合わせ、オリジナルセットをお土産に。

繊細な技法「墨流し」の使い手による、カラフルな器につい目移り。さらに、圧巻なのがきのこ部屋です。同じ柄はふたつとない、びっしり増殖したきのこたち。斬新すぎて、まさに異空間。萩にこんな場所があったなんて驚きです!

金子さんの真骨頂「きのこ部屋」は必見。根気強さと親しみやすさを感じるアート。

スポイトで1滴ずつ色を置いていく技法「墨流し」で彩られたお皿(金子司さんのインスタグラムより画像引用)

きのこが出てくる「金子司のガチャ」。当たり付きで何度も回したくなる。

金子司さん

INFORMATION

カネコツカサ 工房・ギャラリー

15:30
カメラ片手に街歩きするなら
新スポット続々の浜崎地区

ガイドブックに載っていない穴場が多い浜崎地区へ。古民家を生かしたレストランや、一棟貸しの宿といった新しいスポットも増えています。魚市場の目の前には立ち飲みのお店「ポートサンスタンド」がオープン。コーヒーやジェラート、スタッフ厳選の国内のクラフトビールなどを取り揃え。テイクアウトにして、街歩きするのもおすすめです。

乳製品や卵が使われていないヴィーガンジェラートも人気。


くすみピンクの扉は「砂漠かわいい」がイメージなのだとか。

ローカルスポットに詳しい店長の吉岡風詩乃さん。「松本川の対岸にある、神社へ向かう階段からの景色もおすすめ」。

INFORMATION

ポートサンスタンド

18:00
築100年以上の古民家レストランで
美しすぎるコースディナー

萩の中心部から車で10分。緑の田園風景の中にひっそりと佇む隠れ家的なレストラン「彦六又十郎」で、色彩豊かなコースディナーを味わいます。

築100年以上の古民家をリノベーションしたレストラン。

ヨーロッパなどで修行を積んだ岡本智之シェフが腕を振るいます。「イタリアンがベースですが、ジャンルはこだわっていません。出来るだけ萩のおいしい食材を使い、火の通し方を工夫して素材の良さを引き出しています」と、岡本さん。手の込んだ美しすぎる盛り付けに、より特別感が高まります。食べる前に写真を撮って、余すことなく思い出に。


サゴシにイカ墨のソース、グリルした色とりどりの野菜が添えられた一皿。

5種類のデザートが楽しめるドルチェミスト。

魚・肉料理、パスタ、デザートなど、萩の食材がふんだんに使われた料理に舌鼓を打つ。

INFORMATION

リストランテ&カフェ 彦六又十郎

20:30
萩ゆかりのインテリアに囲まれるゲストハウス

今宵は「萩ゲストハウスruco」に泊まります。階段横の壁はまるでアート作品。萩焼をはじめとした、萩にちなんだ小物がパッチワークのようにはめ込まれています。他にも、廃材から生まれ変わったおしゃれなインテリアがずらり。スタイリッシュで居心地の良い空間に、リピーターも多いのだとか。ここに連泊しながら萩を旅するのにも憧れます。

階段横の壁。山口県の地酒の瓶に、萩の菊が浜の砂が入っていたり。ルーツを知るのも楽しい。

木の温もりを感じるゲストルーム。洋室、和室、ドミトリーがある。

スタッフの谷勇気さん。1Fのカフェ・バーは、観光客や地域の人々も利用でき、交流も楽しめる。

INFORMATION

萩ゲストハウス ruco

2日目 自然豊かな大絶景 津和野

8:30
菊ヶ浜を散歩しながら
海に浮かぶ島々をパシャリ

指月山や、沖合の島々を眺めながらお散歩。

旅の2日目は菊ヶ浜の散歩からスタート。青く澄んだ海と白い砂浜のコントラストが美しい! 国指定天然記念物の指月山や、海に浮かぶ島々が絵になります。

行けるとこまで行って記念撮影したい。

萩でモーニングするならうどんもアリ。地元の人に混じり、「どんどん」で牛肉たっぷりのうどんをすすります。しっかりお腹を満たして、島根県の津和野町へ。

山口県民のソウルフードでもある「どんどん」のうどん。

INFORMATION

どんどん唐樋店

  • 住所:山口県萩市唐樋町30−1
  • TEL:0838-22-0761

10:30
津和野の絶景スポット
青野山の麓で煎茶体験

のどかな県道を走ること1時間。茶所でもある津和野で、70年以上の歴史を持つ茶園「秀翠園」に到着です。国の名勝、青野山の大絶景が目の前に。こんな素敵なロケーションで、四代目の田中懸志朗さんからレクチャーを受けて美味しい煎茶をいただきます。

青野山の麓にはJR山口線が。タイミングが合えば朱色の車両(キハ40系)が駆け抜ける姿も見られる。

難しい作法は一切ナシ。気軽にお茶を学んで味わえるのが魅力です。3種のお茶の飲み比べクイズでは、簡単そうで意外にも迷う人が続出。笑い声がこだまする楽しい時間を過ごせます。撮影のベストシーズンは5月。青野山とその麓に咲き誇るつつじ、100匹の鯉のぼりが泳ぐ姿をひとつのフレームに収められるそう。秋には紅葉も楽しめ、色んな季節に何度でも足を運びたいスポットです。

お茶テラスで、煎茶の上手な淹れ方を教えてくれる田中懸志朗さん(左)。

茶葉が開いていくのをゆっくりと待つ。贅沢な時間が流れる。

津和野名産のまめ茶・ほうじ茶・紅茶の飲み比べクイズ。香りや色にも注目。

特別な人へのお土産にしたい秀翠園のお茶。「まめになる」が由来のまめ茶もおすすめ。

INFORMATION

秀翠園

12:00
ヘアサロン併設のカフェで
おしゃれランチ

津和野駅のすぐそば、「SALON HORN」でランチタイム。外観は津和野らしい白壁ですが、店内は洋風にリノベーション。カフェの中にヘアサロンスペースがある、おしゃれでユニークな造り。オーナーの長田妃女乃さんが「誰にとっても居心地の良い場所をつくりたい」との思いでオープンさせた複合店舗です。実はIターンで移住してきた長田さん。津和野でのおすすめの過ごし方なども、気さくに教えてくれます。

天然酵母のハンバーガー(左)と、2種のスパイスカレーを半々でオーダーした欲張りな一皿(右)。

着色料不使用のメロンソーダ(左)と、自家製クラフトコーラ(右)

心地よい店内でのんびりランチ。デザートにチーズケーキもおすすめ。

INFORMATION

SALON HORN

14:00
どこを撮っても絵になる朱塗りの千本鳥居

日本五大稲荷のひとつ、太皷谷稲成神社。

津和野に来たら、太皷谷稲成神社へお参りを忘れずに。稲荷ではなく、“稲成”と書く日本で数少ない神社です。願望成就や大願成就の「成」の意味が込められ、願い事がよく叶う縁起の良いスポットです。

千本鳥居をくぐり、263段の石段をのぼる。

車で本殿の近くまで行くこともできますが、写真好きなら表参道は外せません。約千本にもなる朱色の鳥居の中は、どこを切り取っても絵になります。撮影を楽しみながらゆっくり登り、お願い事を考える時間に。

二礼二拍手一礼。商売繁盛や家内安全など、心を込めてお参り。

自分で目を描き入れる狐面絵馬。裏面には願い事を。

INFORMATION

太皷谷稲成神社

  • 住所:島根県鹿足郡津和野町後田409
  • TEL:0856-72-0219

14:30
津和野城跡の頂上からライブ配信したい

太皷谷稲成神社からの眺めも素敵ですが、さらなる高みへと誘う津和野城跡も見逃せません。リフトに揺られながら緑の森をぐんぐん登ります。到着直前には角度がさらに急になり、ハラハラドキドキ、テンションマックスです!

日本遺産に認定された「津和野百景図」にも描かれている津和野城。

リフトを降りて15分ほどトレッキング、津和野城本丸跡へ到着です。眼下に広がる大パノラマの絶景に、疲れなんて吹き飛んでしまいます。石垣にゆっくりと腰を下ろし、石見を象徴する赤瓦の街並みや、美しい田園風景をカメラでパシャリ。山頂からライブ配信したくなるほどいい眺めです。

津和野城跡から見える集落。大自然の中、石州瓦の赤が映える。

森の中を登っていくリフト。下りもスリル満点!

津和野城 出丸跡。城跡周辺のもみじやけやきが色づく紅葉シーズンもおすすめ。

INFORMATION

津和野城跡

  • 住所:島根県鹿足郡津和野町後田
  • 問い合わせ先:津和野町観光協会
  • TEL:0856-72-1771

16:00
石見をイメージした瑠璃色の器をお土産に

自分へのお土産選びに「シキノカ」へ立ち寄ってみては。明治初期から続く種苗店の一角に、店のオリジナルデザインの陶磁器や、ハンドメイドのガラス食器が並びます。一瞬で心を奪われる宮内窯の瑠璃色の器は、石見の海や空の色がモチーフ。いつでも旅を思い出せる素敵な品を手にして、萩・石見空港へ。夕方の羽田行きの便で石見をあとにします。

江津市にある宮内窯と、シキノカとのコラボで生まれた陶器「イワミイロ」のシリーズ。瑠璃色の他に白もある。

明治時代の味わい深い建物。

スパイスの量り売りやお茶、伝統野菜の種などを扱っている。

INFORMATION

俵種苗店 SHIKINOKA

まだ多くの人が知らない所で、思わず写真を撮りたくなる景色に出会いたい。そんな人にぴったりな1泊2日の旅。レトロかわいい街並みに、四季折々の景色が楽しめる大絶景。ふらっと街歩きすれば、地元の人しか知らない隠れたフォトスポットに巡り逢えます。歴史の街だけに留まらない、新たな魅力を発見しに、萩・津和野を訪れてみてはいかがでしょう。

Photo / Yuichiro Iwatani
Text / Megumi Tsukuba

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