EDITOR'S PICKS 編集部のおすすめ

【前編】同じ名前で違う味わい!
8店8色の源氏巻ひたすら食べ比べ極甘散歩。

津和野のお土産と聞いて、まっ先に名前が上がるものの一つが【源氏巻】。簡単に言うとあんこをカステラ生地で包んだ、味わいだけで言うとどら焼きのようなお菓子。特徴的なのは、およそ15センチ前後の平たい棹状の形と、源氏巻という名前の商品を8〜9店舗がそれぞれ独自でつくっているというシステム。同じ名前なのに、味やパッケージ、レシピは各店舗で違う。「源氏巻って何?」という源氏巻ビギナーと、「どの源氏巻を買ったらいいの?」という源氏巻難民の方のために、糖分過多上等!全8店舗食べ比べツアーへ!

江戸時代から伝わる源氏巻の由来には諸説あり、津和野藩の家老が吉良上野介に贈った小判型の菓子がはじまりだともいわれる。生地もあんこも各店舗秘伝のレシピや配合があり、あんこは甘めのものや甘さ控えめのもの、生地はふわふわ系やしっとり系など、比べると違いがあるという。さらに焼き立てや、現地でしか販売されていないレアな源氏巻も多々。現地にいってはじめて分かる、各店舗の違いをご紹介。

沙羅の木 ことぶきや

目でも楽しめる、エンターテインメント系源氏巻。

ひっきりなしにたくさんのお客さんが行き交う店内にあるガラス張りの工場。焼き立ての源氏巻は別のお菓子のよう!

津和野の町を歩いているとふわりと甘い香りが漂う。【沙羅の木 ことぶきや】では、源氏巻作りを目の前でみることができ、生地の計量から焼き上がった商品にフィルムをかけるところまで、全工程が見学できる。「食べるだけじゃなく、目でも楽しめるように」と考えての工夫だ。タイミングが良ければ焼き立ての試食も!食感が全然違うといい、それをめがけてくるファンもいるとか。機械で焼く源氏巻を見学できるのは【沙羅の木 ことぶきや】だけ。もともと地元の人が楽しんでいた源氏巻。町内で贈り合っているとあずきだけだと飽きてしまうので、こしあん、抹茶あん、白あんの3種類の味ができたという。とことん「人が喜ぶ源氏巻」と向き合ってきたお店だ。

店内には菓子型などが展示されている。販売意外にも飲食スペースもあり、観光客に人気。

INFORMATION

沙羅の木 ことぶきや

住所:島根県鹿足郡津和野町後田口70
tel.0856-72-1661

倉益開正堂

源氏巻のお供に、かわいい最中を一匹。

源氏巻だけでなく季節の和菓子も人気の【倉益開正堂】。すべて手作りで、生地は香ばしさを出すためにしっかりと焼かれ、他よりやや厚めで、つぶあん、こしあん、抹茶あん3種の味がある。源氏巻はこしあんが主流で、つぶあんがあるのは数店舗のみ。つぶあん好きは要チェックだ。津和野の町並みが描かれる昔ながらの包装紙が風情たっぷり。店内の和菓子を見ていると【こいこい最中】なるものに目が釘付けに。津和野の象徴でもある鯉の絵がついたシンプルな包装がとても可愛くて思わずジャケ買い。味も素朴でしっかりおいしく、源氏巻とはまたちがったあんこ感が楽しめる。

津和野町の古地図になっている包装紙がしぶくて素敵。

1個から買える【こいこい最中】もおすすめ。

INFORMATION

倉益開正堂

住所:島根県鹿足郡津和野町後田ロ210
Tel.0856-72-0028

三松堂 本店

美味しさを、ギリギリまで追求したい。

国産の小麦粉を使用し、なるべく精製された砂糖を避け、あずきは創業者が自ら北海道へ出向き選んだ根室のものを使用。「材料のセレクトからしっかり先代が時間をかけているので、私達は自信を持ってお届けするだけ」だという。店舗の裏にある工場ではあんこ職人が気候を見ながらあんこを炊く。「甘さがしつこくない」ことと、水分と糖分のバランスにもこだわりが。商品が劣化しにくく、かつ「ぱさつかない」ギリギリの絶妙な水分バランスを狙っているそうだ。また「源氏巻を作るお店がたくさんあるからこそ、お店での会話などの体験も大切に」と考えている。古いものがセンス良く生かされた店内では、町で暮らすような気分で源氏巻とお茶を楽しめる。

やわらかな照明や装飾が印象的な店内。

やわらかな照明の下にならぶ商品はどれも風情✕センス。

INFORMATION

三松堂 本店

住所:島根県鹿足郡津和野町森村ハ19-5
Tel.0856-72-0174

山田竹風軒 本店 本町店

小豆から自分たちで!素材から作り方までこだわりづくしの老舗。

「どうせつくるなら1から全部自分たちで」と考え、自社で小豆から作る【山田竹風軒】。あんこの商品管理を丁寧にするために種類をしぼり、こしあんにこだわっている。さらにもう一つこだわっているのがたまご。殻付きのたまごを一つひとつ手作業で割るところから、【山田竹風軒】の源氏巻づくりはスタートする。素材へのこだわりに先代の知恵と手間暇が尽くされている。源氏巻の製造は機械で行われるが、併設する建物で【源氏巻づくり体験】も。さらに4月後半〜11月の期間には先代が開発した【源氏巻アイス】が登場。源氏巻よりさらに軽い味わいで、甘みもさっぱりに感じる。生地に染み込むあずきアイスが最高。

ざらりとした風合いと美しい絵柄が特徴の包装紙。

あずきのアイスに生地が巻かれている。溶けても生地がガードしてくれるので安心。

【源氏巻体験】で職人技を目の当たりに。専用の道具で、うすく均等にのびる生地。

同じように作業しているのに、ちょっと不格好な源氏巻が誕生。

焼き立てはサクサク!約10分くらいでしっとりしてくる。すしざんまい風ポーズの優しい職人さん。

INFORMATION

山田竹風軒 本店 本町店

住所:島根県鹿足郡津和野町後田ロ240
Tel.0856-72-1858

番外編 お食事処 みのや

ちょっと味チェン!変わり種【揚げ源氏巻】

「源氏巻を食べすぎちゃった!そろそろ味を変えたい!」そんな時は、津和野駅そばの【お食事処みのや】の【揚げ源氏巻】を。揚げている分こってりしていると思いきや、あら不思議!大きさが1/3であることもあってか通常の源氏巻よりなぜか軽い!一つ130円(税別)という価格に思わず「安!」と声が出る。宗家さんの源氏巻を揚げているそう。

袋もかわいく、おだんご感覚で食べ歩きにもおすすめ。

風が抜ける気持ちいい茶屋の雰囲気。食事メニューも豊富。

INFORMATION

お食事処 みのや

住所:島根県鹿足郡津和野町後田イ75-1
Tel.0856-72-1531

そろそろ体のすみずみまで「甘味」がまわりつつある食べ比べ極甘散歩。編集部の企画のクレイジーさに薄々気づきつつも、やはり比べて食べてみたからこそ分かる絶妙な違いが面白い。残り4店舗にはどんなレシピと歴史があるのか。甘い戦いは【後編】へつづく。

【後編】同じ名前で違う味わい!8店8色の源氏巻食べ比べ極甘散歩。

Photo / Taku Fukumori
Text / Nozomi Inoue

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