八百万の神々が旧暦の十月に集い、縁結びの会議を行うとされる出雲の地。聖地を訪ね、改めて今あるご縁やつながりに感謝し、これからも続き広がる未来を願いましょう。
日本一の縁結びの聖地として知られる出雲大社。縁結びとは、男女の仲だけではなく、この世に存在するすべてのものが共に豊かに栄えていくための尊い結びつきを意味しています。今までのご縁に感謝し、未来に幸せをもたらす新たなつながりを願いましょう。
お参りの仕方は、多くの神社の「二礼二拍手一礼」とは異なり、「二礼四拍手一礼」。いくつものご縁が重なり合って大切な人と巡り会えたこと、そんなご縁を自分自身が育んできたことに感謝しましょう。
出雲大社の境内には、主祭神と関係の深い神々を祀る摂社や末社などが多数あります。御本殿周辺もぐるりと回って、ご利益を授かりましょう。
御本殿の北側、聖山八雲山の手前にあるのが、ヤマタノオロチ退治で有名な素戔嗚尊(スサノオノミコト)を祀る素鵞社(そがのやしろ)です。素戔嗚尊は、出雲大社の主祭神である大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)の祖神とされています。神話では猛々しいイメージも強いですが、日本で初めての和歌を妻に贈るなど風流で家族思いの側面もあり、縁結びや家内安全などのご利益があるとされています。
大国主大神が鎮座する御神座が西側を向いていることから、御本殿の西側にも遥拝場が設置されているので、そちらにも足を運んでみましょう。
【観光スポット情報】≫出雲大社
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旧暦の十月、全国各地の八百万の神々は出雲に集い、縁結びの会議を行います。ご縁にまつわる会議の締め括りと直会(なおらい)という宴を催した後に、神々が諸国へ旅立つ場が、万九千神社です。出雲大社から南東に向け車で約20分、ヤマタノオロチ退治の舞台としても有名な斐伊川を越えて間もなくの地にあり、五穀豊穣・開運招福・良縁成就など諸願が成就するとされています。
神々の旅立ちの場となる万九千神社は、新たな一歩を祈願するのにぴったりな場所。嬉しいなにかがたくさん待っている未来をイメージしてお祈りしましょう。
万九千神社を訪れた際にぜひ口にして欲しいのが、「出雲生姜じんじゃエール」。由緒ある神社のお膝元で作られた生姜を使い、微炭酸に仕立てたジンジャーエールです。その名も「御神酒代」(おみきしろ)。全国で唯一の名前です。ユニークなネーミングの通り、2014年の遷宮以来、お神酒の代わりとして献上され、授与されています。身体を温める辛味成分を通常の約3倍含んでいるのが、冷え性の人にも嬉しいところ。これまでのご縁と健康に感謝しつついただきましょう。
【観光スポット情報】≫万九千神社
大切な人にはいつまでも健康で輝いてほしいもの。古代の姫君が疲れを癒やし、さらに美しさを増したという美肌温泉で、心身に潤いと安らぎをチャージしましょう。
和歌山県の龍神温泉、群馬県の川中温泉と並び「日本三美人の湯」と称される弱アルカリ性の温泉。出雲大社から東へ約20キロ、四季折々の自然を楽しめる心休まる緑の地にあります。近くには358本もの銅剣や複数の銅鐸などが出土した荒神谷遺跡もあります。
大国主大神(オオクニヌシノオオカミ)に恋をした因幡(いなば)の国の八上姫(ヤカミヒメ)が、想い人を追う旅の途中に立ち寄ったとされる温泉です。因幡国は今の鳥取県東部。出雲へと西へ向かう姫は途中で湯に浸かり、旅の疲れを癒やしただけでなく、一層美しくなったことから、のちに「美肌の湯」と呼ばれるようになりました。
良質な湯をゆったりと味わっていると心も体もほぐれてきます。日々頑張っている自分自身や大切な人たちの心身を労わりましょう。
【観光スポット情報】≫湯の川温泉
日常に戻っても旅の余韻を楽しんだり、大切な人に伝えたりできるのがお土産の力。とっておきの逸品を自分自身や大切な人々に贈ってみませんか。
日本海を望む島根県には各地に絶景スポットがありますが、出雲路エリアでイチ押しなのが、キララビーチです。海に張り出す丘の上には北欧風の建物「道の駅 キララ多伎」があり、休憩場所だけでなく、撮影スポットやグルメスポットしても人気を集めています。
太陽が沈みゆくとともに茜色に染まる海。そんな幻想的な景色を目の前で楽しむことができるキララビーチは、日本の夕陽百選にも選ばれています。高台にある「道の駅 キララ多伎」では、眼下に広がるパノラマビューを眺めながら、新鮮な日本海の幸や焼きたてパン、名物海鮮たこ焼きなどの地元グルメを楽しめるのが魅力。刻々と移りゆく景色と、当地でしか味わえない地元フードのコラボレーションは、忘れられない思い出になるでしょう。
海風が育んだ「多伎いちじく」は上品な甘みが特徴で、山陰をはじめ、各地で高い人気を誇る出雲の特産物の一つ。旬は8~10月ですが、スイーツやジャムなど多くの加工品が開発されていて、お土産や贈り物におすすめです。このほか、キララ多伎には干物や地酒・地ビールなどのアイテムも豊富にあるので、心に響く逸品がきっと見つかるはず。自分や友達、家族にぴったりな品を探してみましょう。想いの詰まった贈り物は新たなご縁につながったり、ご縁が深くなったりするものです。
【観光スポット情報】≫キララ多伎
同じ場所に立っても、季節や時間、横にいる人などによって見え方は変わってきます。大切な人と共に見た風景は、いつまでも心のアルバムで輝くでしょう。
国内最大級の花の展示温室を持つ、世界的にも珍しい花と鳥のテーマパーク。宍道湖を望む緑豊かな丘陵地にあり、花や鳥の温室をはじめとするさまざまな施設が屋根付きの回廊でつながっているため、天候に関わらず一年中楽しむことができます。
約90種類400羽の鳥たちがいて、“動かない鳥” として話題になったハシビロコウも中国地方で唯一展示しています。さまざまな鳥の魅力を身近に楽しめるイベントも毎日開催されており、一番人気は季節の衣装を身にまとったケープペンギンと一緒に敷地内を歩ける「ペンギンのお散歩」。大迫力の「フクロウショー」や、ワシやタカなどのダイナミックな「バードショー」にも目を奪われます。
非日常の空間で過ごした時間は日常に戻っても忘れられない思い出になることでしょう。
【観光スポット情報】≫松江フォーゲルパーク
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「水との調和」をテーマにし、夕日もアートとして鑑賞できる宍道湖畔の美術館。風景と一体化したような優美な建物は、遠くから見ているだけでも心を揺さぶられます。湖岸には12羽のウサギの彫刻が並んでいて、宍道湖側から2番目のうさぎを西の方角を向いて優しく触ると幸せが訪れるとか。縁結びスポットとしても人気です。
建物は、湖岸に沿うように緩やかなカーブを描いていて、どこからでも雄大な宍道湖の姿を堪能できます。2階展示室への階段を上がっていくごとに対岸の建物が見切れていき、最後には水面だけが見えるように計算された設計が、景色とアートの一体化を体感させてくれます。
日没30分後に閉館する(10~2月を除く)という全国的にも珍しい夕日推しの美術館。類まれな絶景を大切な人とシェアしましょう。
【観光スポット情報】≫島根県立美術館
オープンは、夕日が美しい日限定のカフェ
美術館のそばには、夕日が美しい時だけ営業しているテイクアウト式の限定カフェもあります。人気商品はもちろん、松江の夕日をイメージしたオリジナルドリンクです。夕日指数の高い日の夕刻から日没までオープンという独特の営業スタイル。約束されない夕日との出合い —— まさにご縁です。
旅の醍醐味のひとつがお土産選び。定番ものも譲れませんが、作り手の想いが詰まった希少なオリジナル商品にも目を向けてみませんか。
玉造温泉街にある、こだわり品のアンテナショップ。知られざる島根の名品にフォーカスし、その魅力を磨き上げてプロデュース・発信しています。生産者の想いや商品が誕生したストーリーなども紹介されているため、手に取るだけで新たなご縁が生まれる予感がします。
オリジナル商品も続々と開発されていて、一番人気は松江産の希少なチェリートマトを100%使った「プレミアムトマトジュース」。他にも、島根限定のメロン、ゴールデンパールの風味を生かした「ご縁玉メロンソーダ」や、松江産のイチゴ、紅ほっぺと甘酒をコラボさせた「いちごたっぷり甘酒」など、店内には島根愛にあふれるハイセンスな品々が並んでいます。「美味しい」だけでなく「愛おしい」と思える名品は、自分自身のご褒美にもおすすめです。
東西に長い島根県で、東側の玄関口になるのが安来市です。イチゴや二十世紀梨は県内最大の産地であるほか、タケノコやブドウ、メロン、清水羊羹などおいしいものにあふれています。
ご縁の聖地を旅する人に、“スイーツを食べてさらなる良縁が訪れますように” という思いで誕生したのが『ご縁Sweets』。伝統文化を受け継いだ風味豊かな和菓子から、インスタ映えする華やかなご当地パフェや不思議な食感の新感覚スイーツまで、松江・出雲・安来市内の各店舗が、「ご縁」をイメージしてバラエティ豊かなスイーツを提案しています。
中でも県内最大のイチゴの産地である安来市内では、宝石のように真っ赤に完熟したイチゴをふんだんに使ったスイーツが目白押しです。横から見るとハートのようなフォルムや花言葉から、「縁結びのラッキーアイテム」とも言われるイチゴ。見て、味わって、素敵な縁に触れてみましょう。
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山陰道米子西ICから約1.65キロにある国道9号線沿いの道の駅。島根県の東側の玄関口にあり、特産品の直売所やレストランも併設されているので、情報収集やお土産購入などに便利です。
地元安来の農家から毎朝届く新鮮な農産物のほか、山陰沖直送の海産物や加工品など地域色豊かなアイテムが並んでいます。季節によっては、やすぎの完熟いちごや、朝掘りのタケノコ、手作り味噌など地元ならではの特産品をリーズナブルに購入することができます。安来ならではのお土産を自分や大切な人に選んでみましょう。
【観光スポット情報】≫道の駅あらエッサ
“ご縁” をイメージしたオリジナリティ満載のスイーツを大切な人と一緒に食べて、旅の思い出を共有しましょう。写真には残せない味の記憶は、リアル旅ならではのとっておきの宝物になるはずです。
旧暦の十月、八百万の神々が集まる神在祭で振る舞われた「神在(じんざい)もち」に由来し、「ぜんざい」発祥の地と言われている出雲地方。最古級のご当地スイーツは今も根強い人気を誇っています。そのほか、ご縁や縁結びをイメージした和洋ユニークなスイーツを各地で味わえます。旅先で一緒に楽しめば、美味しさも倍増。共有した甘い思い出は、時間が経っても旅の記憶を彷彿させてくれそうです。
城下町松江では今も茶の湯文化が浸透していて、一見敷居が高そうな抹茶や和菓子を気軽に楽しむことができます。職人手作りの茶椀に注がれた抹茶と芸術品のような和菓子を老舗店でいただくもよし、洋菓子と抹茶の新鮮なコラボを楽しむもよし。大切な人と一緒に甘い出合いを堪能しましょう。
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今、共にいる人とのかけがえのない “ご縁”。出雲路の旅は、そのご縁と、大切な人への「ありがとう」の気持ちをきっと再確認させてくれることでしょう。素敵なご縁への感謝を忘れず、毎日をgoodにつないでいきたいですね。