島根県江津市と広島県三次市とを結んだ全長108.1キロの鉄道路線「三江線」。2018年3月末に惜しまれながら廃線となりました。今回紹介するのは、この旧三江線の廃線路と、並行して流れる中国地方最大の河川・江の川に沿い、日本海に面した江津市街までひたすら下る全長87kmのコース。下り基調ながらも、ほど良いアップダウンを備えた中級者向けです。廃線路とともに眺める江の川の雄大な流れと、各所に架けられた様々な形の橋。そして旧三江線沿線地域の営みや自然に触れながらの行程です。
広島県との境、旧口羽駅から日本海に向けて出発!
コースの出発点は旧口羽駅(邑南町下口羽)。旧三江線の中で最も広島県に近い場所にあり、駅舎には島根県西部で生産される赤い「石州瓦」を葺いています。スタート後まもなく、江の川沿いを走るコースに突入します。
コース途中の邑南町宇都井地区には、三江線の駅の中でも特に有名な旧宇都井駅があります。駅の高さはなんと地上約20m。ホームにたどり着くまでに116段の階段を上る「天空の駅」として知られます。地域住民らによる駅のイルミネーションイベントは全国でも話題になりました。旧宇都井駅を後にすると、再び江の川沿いのコースへ。
最初の休憩スポットは緑色の屋根が特徴の「道の駅・グリーンロード大和」。農産物の直売所があるほか、併設のカフェではおいしいスイーツを味わえます。
その後は再び江の川と廃線路に沿って下ります。途中、旧潮駅(美郷町長藤)近くにある桜並木は花見の名所として知られ、春には大勢の来訪者があるそうです。
グリーンロード大和
住所:島根県邑智郡美郷町長藤248-2
電話:0855-82-2812
営業時間:9:30-18:00
定休日:年末年始
個性豊かな旧三江線の駅舎、関連施設を巡る
旧宇都井駅を後にすると、一方には江の川の解放感あふれる景色が、もう一方にはのどかな田園風景や町並みが広がります。岩壁をくりぬいたトンネルや、場所によって趣の異なる駅舎など、いたる所で旧三江線の施設を目にすることができます。
日本海側に向かって進む途中には、長大な江の川に10本以上の橋が架けられています。茶色の斜張橋、ピンク、緑のトラス橋など多彩なバリエーションを楽しむことができます。
産直みさと市
住所:島根県邑智郡美郷町粕渕
電話:0855-75-1006
営業時間:8:30-20
定休日:無休
道の駅 インフォメーションセンターかわもと
住所:島根県邑智郡川本町因原505-5
電話:0855-72-1111
営業時間:8:00-19:00
定休日:年末年始
コース途中の江津市川平町には木造の旧川平駅があります。旧三江線の中でも最初期に建てられており、駅舎が醸し出すレトロで温かい趣が大勢のファンを生みました。島根県石見地方を舞台にした映画「天然コケッコー」、「砂時計」のロケ地になったこともある同駅は、今でも地域のランドマークとして愛されるスポットです。
旧川平駅から線路を渡り、再び江の川沿いへ。江津バイパスがかかる新江川橋と工業地帯が見えてくればゴールの江津駅(江津市江津町)は直ぐそこです。
ゴール付近にあるカフェ「本町キッチン今出屋」は、江の川沿いに建つ長屋を改修した隠れ家的なお店。
食材にこだわった料理やお茶を楽しめ、コース終盤の小休憩にも便利です。
本町キッチン今出屋
住所:島根県江津市江津町46
電話 0855-52-0722
営業時間:ランチ 11時より15時
ディナー17時より21時(予約制)
定休日 火曜日
HP:https://tuganishi-imadeya.com/
ゴール地点の江津駅に到着しました。江津駅付近、江津市役所となりの「丸子山公園」は、日本海を見下ろす高台にソメイヨシノやツツジが植えられ、花見のシーズンには桜と海の景色をいっぺんに楽しめるスポットです。旧三江線とともに、江の川流域の魅力を堪能した旅路もここでひとまず終了です。
<旧三江線の跡地を巡り、江の川沿いの大自然を満喫する ルートラボコース紹介>