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石見神楽の原点 大元神楽の楽しみ方

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2024年03月25日 公開

邑南町日貫で2017年10月13日に行われた大原八幡宮での大元神楽の奉納の様子を特集しました。石見神楽の基本といえる味わい深い舞の数々。神秘性にはらんだ大元神楽をお楽しみください。

大元神楽にやって来た。神秘的な神事が始まる

厳かな神殿の中でまず初まったのは神事。大元神楽のシンボル:藁蛇が神殿に鎮座する中、厳かにその儀が執り行われました。
聖域には「藁蛇(わらへび)」が鎮座し、神主が拝礼を行います。(蛇は自然を敬う気持ちを蛇に託したものであるとともに、藁には豊作への願いが込められている。大元神とは国常立尊(こくしょうりゅうおう)という説もあり、東西南北、春夏秋冬、木火土金水を生み出した神で、すなわち万物の祖といえる創造神である。)
神職たちが登場し、座につく「神殿入」の風景。地区の総代、地域の人々(氏子)が見守る中、神事が粛々と進められます。

日貫大元神楽観賞〜儀式舞編〜

儀式舞いとは、神事の一部とされ、神々に仕える舞いのことを指します。
この日は、日貫地区の4つの神楽団が、一同に大元神楽を披露。儀式舞いとは、豪華な衣裳や面などをつけず、神様に祈りを捧げる神事に近い舞いのことをいいます。石見神楽の基本となる味わい深い舞いに、観客も私たちも心酔。凜々しく舞う舞子さんの姿に見とれてしまいました。

日貫大元神楽観賞〜能舞編〜

能舞とは、神話劇などを時に面を着け神や鬼に扮して舞うもので、舞の中で直接神様が登場するものを指します。これらの演目はストーリー仕立てとなっており、氏子の方々はそのストーリーを楽しみながら、神や鬼の登場を楽しんでいました。観客席まで乱入する鬼に睨まれて、担当もびっくり仰天。会場全体が祭りを楽しんでいる、特別な空間でした。

日貫大元神楽観賞〜綱貫〜

朝6時半、全ての奉納演目が終了したあと、神職により大元神(藁蛇)に祈りが捧げられました。夜を徹して神楽の様子を静かに見守っていた大元の神様、このあと「綱貫」へと移ります。神主の代表の方が神楽歌を口ずさみ、藁蛇をまるで生きているように操ります。神主さんに続いて、各地の神社を納める神職の方・舞子の方が綱を持ち、復唱するように神楽歌を口ずさみ、舞座をうねるように回り続けました。昔は「託が懸かる」といって、氏子太夫に神が乗り移ることも多くあったそうです。

日貫大元神楽観賞〜番外編〜

最後は番外編として、大元神楽を担当が体験して、珍しかったものや風景を紹介します。普段はひっそりした田舎の里山が、大元神楽のこの秋の日に輝くような時を迎える、氏子の人々の熱気や舞子の皆さんの演舞に、心を打たれました。

Column

勢いあるぞ!御花披露合戦!

石見神楽では、神楽団体に氏子の各家やお客様から御花(おんはな)という寄附を受け取ります。これをみなさんに披露するのですが・・・。
なんと、大原八幡宮のお祭りでは、5団体の皆さんが一斉に御花をいただいた方の名前を叫びだしました。他の方の声をかき消すように叫び競う珍しい光景。観客席からも「いいぞー!」「負けんなー!」と檄が飛び、神楽の演舞以外の楽しみ方も覚えてしまった担当でした。

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