2024年02月20日 公開
世界遺産の石見銀山、ユネスコ無形文化遺産に指定された石州半紙、豪華絢爛な衣装を身にまとって舞う石見神楽。独自の文化と歴史が息づく島根県西部、石見(いわみ)地方は、海や山、川などの自然にも恵まれたレジャーエリアです。その中から今回は浜田市と益田市にある乗馬スポットをピックアップ。
浜田市金城町の山あいでは、人馬一体を感じられる乗馬を、益田市ではのどかな自然の中で開放的なトレッキング乗馬と、馬とのふれ合いを楽しみながら、日常から解放された体験ができます。自然あふれるなかで、馬から伝わる息遣いや温かい鼓動は、日々の疲れを癒やし、心と体を元気にしてくれることでしょう。
浜田市街地から車で約20分、最寄りの浜田自動車道金城スマートICからなら10分ほど。浜田市金城町にある「かなぎウェスタンライディングパーク」は広大な敷地に、雨の日でも乗馬ができる屋内馬場を備えた本格的な乗馬施設です。パーク内は、入場無料で自由に見学ができ、近くには公園が開放。子ども連れでも楽しめます。
受付場所となるクラブハウスは、ロイヤル馬車や暖炉、シャンデリアが配され優雅な雰囲気。馬モチーフのお守りやおみくじといったグッズを販売しているので、旅の記念アイテム選びも。また、カフェメニューも揃うレストランが併設されています。
「かなぎウェスタンランディングパーク」での乗馬体験は、スタッフに馬を引いてもらう引馬乗馬体験(身長100cm以上対象)と、初心者でも乗馬の基本技術を学べるプラクティスライド(要予約、身長130cm以上対象)の2種類。いずれも対象身長を満たしていれば、子どもから体験できます。今回は馬とのふれ合い時間がしっかりとれ、より癒しを感じられる所要約60分の「プラクティスライド」に挑戦!
飼育されている馬は、穏やかな性格の馬が多く、初めての人でも安心。ですが馬は元々、警戒心が強い動物であり、人間と同様にパーソナルスペースもあり。そのため、まずはブラッシングで距離を縮めていきます。名前を呼びながら、コミュニケーションをとれば、馬との心の距離もグッと近くに!
ブラッシングが終わったら鞍(くら)を装着していきます。その後、体験者もプロテクターとヘルメットを装着。なお、体験中は馬上を除き自由に記念撮影OKですが、フラッシュはNG。急に大声を出すと馬がびっくりするので気をつけましょう。
乗馬コースは、全天候型の屋内と、広々とした屋外の2つあり、天候によって乗馬するコースが異なります。まずは馬にまたがり、基本姿勢と手綱の使い方、馬への指示の出し方などのレクチャーを受けましょう。「かなぎウェスタンライディングパーク」ではその名の通り、「ウェスタンスタイル」の乗馬方法。「ウェスタンスタイル」はカウボーイの乗馬から生まれたスタイルで、左手で鞍を、右手で手綱を握ります。
最初はスタッフの人に引いてもらいながら、ゆっくりとコースを周遊。手綱を手前に引くと止まる、かかとでお腹を蹴ると進むなど、基本的な乗り方を実践していきます。馬が指示に反応してくれた時は時折、首の根本辺りをポンポンとなで、馬へ感謝を伝えましょう!
慣れてきたら引馬から、スタッフ用のリードを離してひとりで周遊。曲がったり、立ち止まったり。言葉を交わさずとも、自分の指示が馬に伝わると、普段感じられないような感動を味わえます。馬の温もり、人馬一体となった感覚は、旅の記憶に深く刻まれることでしょう。
入場無料で楽しめる施設ですが、せっかくなら乗馬体験だけでなく、子どもでも気軽に体験できる「にんじん餌やり体験」(200円)で馬とふれ合い時間を。フロントでエサとなるニンジンを購入したら、エサやりコーナーにいる馬のもとへ。このほか、日曜・祝日限定で厩舎にいるすべての馬にエサをあげられる「プレゼントバケット」(650円)もあります。厩舎の裏にはむしゃむしゃ草を食べる可愛らしいヤギもいますよ。
クラブハウス内にはレストランも併設。ハンバーグやオムライスといった洋食、定食やカレー、キッズプレートなど、ランチメニューが豊富に揃います。また、カフェ利用もでき、乗馬体験の前後にひと息つくのもおすすめ。
高台に立つ!ライダーの聖地へ
「かなぎウェスタンライディングパーク」の駐車場から延びる散策路を上った先には、中国山地を一望できる展望台も。そのお隣には、日本第一号の「オートバイ神社」があります。バイクに乗る人も、馬に乗る人もライダーと呼び、すべてのライダーの安全祈願を願い建立されました。今ではすっかりバイカーの聖地になっているようです。
神社で撮影した画像を、「かなぎウエスタンライディングパーク」に持っていくと「参拝記念証書」を発行してもらえます。
益田市は昭和57年に開催された国体の馬術会場だった歴史があり、近くには “日本で一番小さい” とも言われた旧益田競馬場も。そんな馬とのゆかりも深いエリアにあるのが、地元民からも愛されている福祉施設兼観光牧場「さんさん牧場」です。益田市街地を見晴らす絶好のロケーションで、島根県西部の空の玄関口・萩石見空港から車で10分弱とアクセス至便。
牧場では現在、引退した競走馬をはじめとする数頭の馬のほか、多数の動物を飼育中。入場無料なのでゆっくり動物とふれ合え、自由に園内を見て回れます。敷地内にはカフェもあり、最近発売したバタフライピーティーが話題になっています。
「さんさん牧場」ならではの乗馬体験が「トレッキング」プラン。自然の中を馬に乗って散策する乗馬プログラムです。そのほか、小さな子どもから体験できる引馬乗馬体験、ひとりで騎乗する乗馬体験、本格的なレッスンもあり。引馬乗馬体験は100cm未満の子どもも小型種のポニーに騎乗できます。
受付を済ませたのち、まずはヘルメット・プロテクターを装着しておきましょう。「トレッキング」プランは事前予約制となっていますが、空きがあれば当日も受付可。所要時間の目安は30分です。
「トレッキング」プランはスタッフが馬を引く引馬スタイル。初心者でも安心とはいえ、馬と仲良くなるための接し方や作法の練習は大切です。屋根付きの丸馬場で、スタッフの人からしっかり乗り方を教わりましょう。「さんさん牧場」では、基本的な乗り方として両手でしっかり手綱を握るスタイル。
練習後は早速、屋外の散策路へ。「さんさん牧場」の背後に広がる木立の中が散策路になっています。牧場よりも高い位置にあるため、馬場の向こうに紺碧の日本海が!馬の背に乗ってさらに高くなった目線の先、広がる景色は開放的で非日常感たっぷりです。
木々が生い茂り、まるで木のトンネルのような空間が続く散策路。グリーンシャワーを浴びながら、のんびり散策を楽しみましょう。息遣いや馬の背に揺られることで感じるリズム、自然美と相まって、癒し効果も倍増しそうです。
園内は、可愛らしいウサギ、ヤギ、ヒツジ、ポニーとたくさんの動物たちでとてもにぎやか。馬も含めて動物エサやり体験ができます。受付で販売されているニンジンは馬・ヤギ・ヒツジに、うさぎ専用のペレット(エサ)はカプセル販売機で購入ができます。小さい動物が複数飼育されていることもあり、小さな子ども連れからも人気を集めています。
敷地内のカフェ「まうまうCafe」では、牧場で栽培したハーブを使ったバタフライピーティー「高津川マジックアワー」がおすすめ。そのほか、新鮮な野菜を盛り込んだ「縁結びランチ」、ジェラートやケーキといったスイーツなども味わえます。