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浜田市立石正美術館 没後10年企画展「花開く 石本正 美の深化」

―――私にしかみつけられない感動に、より多く出会いたい
島根県浜田市出身の石本正(1920-2015)は、戦後の日本画壇を代表する画家の一人です。洋の東西を問わず、自分の心がおもむくままに古典芸術を吸収しながら、「現代に生きる自分にしか描くことのできない新しい日本画」を志向しました。30代で新制作協会日本画部(現 一般社団法人創画会)の新作家賞を立て続けに受賞し会員に推挙されると、1959年には同世代の横山操(1920-1973)・加山又造(1927-2004)らと「轟会」(銀座・村越画廊)を結成するなど、在来日本画に新風を吹き込む若手中堅作家として活躍しました。そして1971年、50歳の時に「第21回芸術選奨文部大臣賞」と「第3回日本芸術大賞」を受賞。一躍その名を全国に轟かせました。
受賞を喜ぶ一方、石本は、真に大切なのは「有名になることではなく絶えず感動する気持ちを持ち続けて絵を描くこと」であるという信念を強めます。それ以降、すべての賞を固辞し、地位や名声を求めず、自身の感動を描くことに全精力を傾けました。
本展では、1971年の受賞を機に、美に邁進する決意を新たにした石本が、自己の芸術を深化させ花開いていった50代から晩年までの花や女性像などを展覧します。

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