2023年11月30日 公開
出雲大社から車で約1時間、世界遺産・石見銀山のある大森エリアから約20分の場所にある「温泉津(ゆのつ)」は、往時、石見銀山で採掘された銀の積出港として栄えました。
近代には、北前船の寄港地として賑わい、“はんど” と呼ばれる大きな水がめや石見焼が全国へ運ばれました。また、江戸・明治・大正・昭和それぞれの時代の建物が立ち並び、赤い石州瓦が印象的なこの町は、「温泉町」として全国で唯一、重要伝統的建造物群保存地区に選定されています。
温泉街にある効能高い2つの外湯は、昔から現在にいたるまで、湯治客が後を絶ちません。そして今、ここ温泉津には、個性豊かで多様な宿泊施設や店舗がオープンしています。どこか懐かしい町、温泉津。
あなたも自然体で旅してみませんか。
「石見銀山」は、世界で銀が通貨の基軸となっていた大航海時代、膨大な量の銀が採掘された鉱山でした。その量は、当時、世界に流通する銀の1/3が日本産で、その大部分を石見銀が占めていたともいわれています。そして、温泉津の港「沖泊(おきどまり)」は、16世紀後半に銀の積出港として栄えました。
温泉津温泉は、「泉薬湯 温泉津温泉 元湯」と「薬師湯」、それぞれ自噴する源泉に入れる共同浴場があります。源泉が近くにあり、2つとも熱めのお湯です。
泉薬湯 温泉津温泉 元湯は2020年1月にリニューアルオープン。脱衣場が新しくなり、従来の熱めの湯船に加え、ぬるめの湯船ができました。昔ながらの浴場は以前のままの雰囲気を残し、情緒があります。
薬師湯はミネラル豊富な源泉が施設横にあり、空気に触れる事なく湯船に注がれる掛け流し湯です。毎晩栓を抜いて清掃をし、衛生面にもこだわっています。入湯客の体が改善する事が多く、経営者自らが医学部大学院で温泉について研究(皮膚と自律神経)し、温泉と隣接のカフェで心身のバランスを整え、五感で感じる至福の湯を提供しています。
幕末から明治にかけて「はんど」と呼ばれる水がめが盛んに焼かれていた温泉津。温泉津焼の歴史は今でも受け継がれています。温泉街の近くにある「温泉津やきものの里・やきもの館」では、日本最大級と言われる、長さ30mと20mの登り窯を見ることができます。
「やきもの館」では温泉津焼の資料を展示、地元窯元の作品を販売しています。事前予約で温泉津焼の創作体験をすることもできます。スタッフが丁寧に指導してくれるので、初めての人も安心。旅の思い出にぜひ作ってみては?
毎年、春と秋には「やきもの祭り」も開催され、登り窯に火が入ります。やきもの館前、そして窯元での「やきもの即売会」も大変人気です。
「温泉津やきものの里・やきもの館」の周辺には、椿窯、(有)椿窯、森山窯の3つの窯元があり、窯元巡りもおすすめです。温泉津の窯元は、「民藝運動」の中心メンバーで、生活道具として使われていた民藝品に、機能的で美しい “用の美” を追求した陶芸家・河井寛次郎の流れを汲んでおり、それぞれ個性があります。
温泉津は、豊かな自然に恵まれ、独自の産業が栄えた町でもあります。「福光石石切場」は、現在も操業が続けられている石山。島根県一の切り出し量を誇り、その採掘洞窟は巨大なスケールで迫力満点!ヘルメットを被り、入り口のフェンスを通り抜け進んでいくと、神秘的な地下空間が広がっています。
ここで採掘される「福光石(ふくみついし)」は、1500万年前の火山灰などが岩石(凝灰岩)になったもの。水に濡れると青緑のやさしい色合いに変わるのが特徴です。石見銀山の五百羅漢座像などの石仏や墓石には、この福光石が用いられています。現代では、滑りにくいという特徴から温泉浴場の床にも使用されています。
見学の際は、事前にご予約ください。
島根県西部、石見(いわみ)地方の伝統芸能・石見神楽(いわみかぐら)。金糸銀糸を織り込んだ豪華絢爛な衣裳と軽快なお囃子と舞が特長です。古来より、神様へ捧げる神事であった舞は、ここ石見地方でエンターテイメント性を増し、広く大衆が観賞できるものに進化しました。
伝統芸能と言うと難しく捉えられがちですが、石見神楽は、予備知識がなくても大丈夫。日本神話などを題材に、単純明快なストーリーで、小さな子どもから大人まで楽しめます。
石見神楽に興味を持ったらぜひ訪れたいのが、小林工房。神楽団のメンバーでもある職人が作るお面は、なんと和紙製。割れにくく、湿気にも強い石見神楽面作りの伝統を受け継ぐ工房です。ここでは、事前予約で絵付けを体験することができます。
開催場所:龍御前神社(たつのごぜんじんじゃ)
大田市温泉津町泉津ロ156 TEL:0855-65-2998(温泉津温泉旅館組合) ※要事前予約
大田市温泉津町小浜イ308-2 TEL:0855-65-2565
レトロな町並みのなかには、古民家を改装した雰囲気抜群の飲食店も点在しています。産地で食べると美味しさ倍増!地元食材を使った料理を堪能しましょう。
「期間限定」「ポップアップスタイル」がコンセプトのシェアリングキッチン。全国各地から招かれた料理人が、温泉津の食材を中心に使用した料理を振る舞います。料理人は期間限定の滞在なので、誰に会えるかはお楽しみ。スケジュールなどは公式インスタグラムをチェック。
老舗旅館「なかのや旅館」内にオープンしたカフェ&バー。歴史を感じる旅館の外観とは打って変わってスタイリッシュな店内は、落ち着いた雰囲気。季節の食材を使った手作りスイーツやおつまみを味わえます。
※改装工事のため、令和5年末より休業予定です。ご了承ください。
古民家を改装してモダンな空間に生まれ変わったカフェバー。温泉津の酒蔵・若林酒造の地酒や石見麦酒のクラフトビールをはじめとしたお酒と、無国籍の創作料理を満喫できます。
温泉津町のグループ「温泉津女子会」が企画した「温泉津ビール」は温泉津産の甘夏ピールを使用したさわやかな味わい。「YUNOTSUシードル」は、りんごの果実酒(シードル)に温泉津町特産の西条柿が使われています。「ゆのつエール」は、温泉津で収穫された米を加えた、すっきりとした味わいが特徴です。
「TORA SAN♨BEER」は、温泉津が映画「男はつらいよ」シリーズ第13作の舞台になったことを記念して、主人公寅さんをイメージして、世代を問わず、多くの方々に愛されることを願って作られました。真心、人情の麦酒をお楽しみください。
下記ショップにて購入できます
※店舗により、一部取り扱いのない商品もございます。
※山の駅さんべでは、お土産として販売しておりません。
飲食店でのメニューのひとつとして、開栓しご提供します。何卒ご了承ください。
温泉津温泉街には、古民家をリノベーションした素泊まりのゲストハウスや、食事付の老舗旅館などがあり、宿泊してライトアップされた夜の温泉街や夜神楽を心おきなく楽しめます。
[車]約70分
[公共交通機関]JR出雲市駅 → JR温泉津駅 約1時間25分+徒歩15分
[車]約30分
[公共交通機関]JR大田市駅 → JR温泉津駅 約25分+徒歩15分
[車]約20分
[乗り合いタクシー]銀山公園(16:30発) ⇒ 各旅館
大森観光案内所で当日のみ受付(16:00まで)
※1日1便のみ
温泉津観光案内所(ゆう・ゆう館)7台
その他、各施設の駐車場をご利用ください。
一般社団法人 大田市観光協会
〒699-2303 大田市仁摩町大国42-1(道の駅ごいせ仁摩内)
TEL:0854-88-9950/FAX:0854-88-9960