温泉津舞子連中楽屋に密着!
使用する衣裳やお面は一つ一つ丁寧に扱われる
女性の舞子さん
慣れた手つきで準備をする舞子達
ゆっくりと型を確かめながら舞の最終チェック
いよいよ開演
この日は温泉津舞子連中による上演。若い舞子が多い団体です。何度もこの神社で上演しておられることもあり、慣れた手つきで準備をすませ、神社の2階でお囃子を口ずさみながら丁寧に舞のチェックをします。午後8時からの開演にもかかわらず、午後7時過ぎには地元の子どもたちが神社に集まってきます。また、今回は観光で来られた団体もおられて神社は大賑わい。石見神楽を初めてみるという方がほとんどで、社中の皆さんも気合が入る中、公演が始まります。
子どもも大人も笑顔になれる演目「恵比寿」
観客の男の子も一緒に大物の鯛を釣りあげます
恵比寿様が幕からひょっこり登場
囃子も会場を盛り上げます
楽しそうに舞う恵比寿様
恵比寿さんの撒餌をキャッチする観客
鯛を釣って恵比寿様は大喜び
この日の最初の演目は「恵比寿」。温泉津舞子連中の恵比寿様はかわいらしく、軽やかに楽しく舞う姿に、見ているこちらも笑顔になります。
この日は初めて石見神楽を観る観客が多く、恵比寿様の撒き餌(福飴)に驚く方も。恵比寿様がまく飴には福があると言われています。
この日の公演では、恵比寿様のお供に男の子が参戦しました。大物の鯛を釣りあげようと、あちらこちらに竿をとられながらも一生懸命引く姿に、会場も一体となって応援。大盛り上がりの中、見事釣り上げることができました。舞子さんのおちゃめで愛情豊かな人柄を感じる舞いでした。
平安時代の妖怪退治、子どもにも大人気「頼政」
凛々しい表情で颯爽と登場した源頼政と家来
愉快な民
地元の方言で観客とトーク
客席まで下りてきたお猿さん
怪物「鵺」が登場し会場の雰囲気は一変
激しく舞う姿に目は釘づけ
次の演目は子どもに人気の「頼政」。先ほどまでの和やかな会場の雰囲気は変わり、少し重たくなった囃子に会場も静まります。
まず登場した、源頼政とその家来。若々しい軽やかな舞に、たくさんの観客がカメラを構える様子が見られました。
続いて民が登場、この演目の見どころの一つ、地元の方言で観客と愉快なトークを繰り広げます。そして観客席までやってくるお猿さんに、逃げ惑う子どもも。笑顔あり涙ありの場面です。神社で開催されるこの公演は、奉納神楽の様に楽しめるのも魅力です。
ついに怪物「鵺(ぬえ)」が登場。大きな鵺が激しく舞います。
観客が舞を見て楽しむだけでなく一緒に興奮できて、とても満足そうにしておられました。
温泉津舞子連中 代表者インタビュー
日々、神楽の練習や道具作りと石見神楽に熱心な社中を支えている、代表の大門克典さんにお話を伺いました。
舞子インタビュー
大野雅之(おおのまさゆき)さん(左)馬場克臣(ばばかつしげ)さん(右)
大野さんが舞う猿
馬場さんが舞う鵺(ぬえ)
温泉津の定期公演を支える益田哲也さん
頼政で鵺と猿を舞ったお二人にインタビュー。
馬場さんは鬼を舞うことが多く、普段から荒々しさや激しさなどを意識して舞われるそうですが、頼政の「鵺(ぬえ)」は、鬼ではないので、猿らしさを出しながら鬼のように舞うように心がけて舞っているそうです。
ただ舞うだけではなく、その役の本質も考えながらなりきることが、大事なポイントのようです。
大野さんは、頼政ではお客様に楽しんで見てもらえるように、自分自身楽しく舞うことを心がけていると語ってくださいました。
また、今回は温泉津の定期公演を支えている老舗旅館『旅館ますや』代表 益田哲也さんにも、お話を伺うことができました。この夜神楽を見に来ている80%の方が観光で来ている方だそうで、夜神楽の効果もあり、満足度もとても高く、リピーターも増えているようです。温泉と石見神楽と石見のお料理で最高のおもてなしを感じることができる温泉津の町!そんな町を、益田さんはあたたかく支えていました。
~1回で3度おいしい!温泉津温泉~
老舗旅館『旅館ますや』代表 益田哲也さん、観光について熱く語ってくださいました。
温泉津温泉は、温泉あり、地元食材のお料理あり、さらに伝統芸能が見られるという、1度で3つ楽しめることから、お客さんの満足度が高く、リピーターが後を絶たないそうです。
益田さんは、観光のお客様に喜んでもらおうと、神楽グッズや神楽衣裳の試着体験に誘導するなど、率先して神楽会場で案内をしておられました。初めてきた方でも安心して神楽とふれあうことができます。今回のお客様も笑顔でお宿に戻っていかれました。
町はとてもゆったりした時間が流れていて、くつろぎやすいスポット。宿泊やふらっと立ち寄る所としておすすめです。石見観光をお考えの方、大田市温泉津町のお宿でまったりと石見を感じてみるのはいかがですか?