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電車で旅に行こう!島根の観光列車ガイド

瑞風

車窓から眺める景色、個性豊かな車両デザイン、そして車内外でのサービス・おもてなし。観光列車は移動時間を楽しめるのも魅力のひとつです。島根県内では登場以来、大人気の豪華寝台列車「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」、「サンライズ出雲」や、観光列車「あめつち」が運行中!

そのほかにもSL、人気キャラクターのラッピング列車など、鉄道ファンならずとも胸が高鳴る、ユニークでバラエティ豊かな列車が運行しています。

今回は飛行機や車では味わえない、鉄道で楽しむ島根の旅をピックアップします。

JRの観光列車

あめつち(JR西日本)

あめつち
山陰の美しい空や海、山並み、日本刀などをイメージしたデザイン

古事記の書き出し「天地(あめつち)の初発(はじめ)のとき」を名前の由来とする、観光列車「あめつち」。日本の神話や歴史・文化のルーツとされる山陰にちなんで「ネイティブ・ジャパニーズ」というコンセプトでデザインされました。

車両監修・デザインは、映画「RAILWAYS」の監督で知られる出雲市出身の錦織良成氏、スタジオジブリのアニメ「崖の上のポニョ」などで美術監督を務めた、松江市出身の吉田昇氏の協力で実現。

山陰の美しい空や海を表わす「紺碧(こんぺき)色」を基調にした外装は美しく、たたら製鉄による日本刀や山陰の山並みをイメージした銀色の模様が施されています。内装は鳥取県の智頭杉や島根県の黒松、石州瓦、因州和紙などの地元の工芸品が彩り、木目調のパネルを多用。白木の質感を表現した落ち着いた空間となっています。

あめつち 座席
地元素材を活用し落ち着いたモダンな空間を演出

島根県内を走る「あめつち」の運行ルートは、鳥取駅から出雲市駅を結ぶJR山陰本線と、2024年に新設されたJR木次(きすき)線経由の2通りあります。各線区いずれも週末を中心に1日1往復運行。鉄道と組み合わせた周遊旅行は、山陰のさまざまな観光地を楽しめます。また、車内ではガイドによる現地の観光案内が受けられます。事前に観光地の見どころを知っておけば、降車後の旅もいっそう満喫できることでしょう。

水辺を走るJR山陰本線ルート(鳥取駅~出雲市駅)

あめつち 座席
車窓から広がる、色彩豊かな山陰の風景

山陰本線の鳥取駅から出雲市駅の区間を結び、車窓には日本海や宍道湖、斐伊川といった水辺の風景が流れます。見どころの区間では、速度を落としてゆっくり走行するので、悠久の歴史に思いを馳せながら美しい風景を堪能できます。出雲神話にちなんだ神様のおみくじ、記念乗車スタンプ、乗車日が入った撮影ボードなど、ここだけの体験も旅の思い出にいかがでしょうか。

縁結びの聖地・出雲大社などがある出雲市まで、主要観光スポットが集まる安来・松江・玉造温泉にも停車します。「JRおでかけネット」観光列車の旅時間公式サイトでは、「あめつち」おすすめモデルコースを紹介してるのでぜひ参考に旅計画を。
モデルコース詳細はこちら(新着情報内)

山あいの景観が見事なJR木次線ルート(米子駅~出雲横田駅)


歴史と神話が交差する軌道

鳥取県の山陰本線・米子駅から、松江市の宍道(しんじ)駅、そして山あいに囲まれた雲南市・奥出雲町の駅を経由し、出雲横田駅までの区間を往復する木次(きすき)線ルート。水辺の景観が広がる山陰本線に対し、木次線は「たたら製鉄」やヤマタノオロチ神話の舞台となった船通山など、古い歴史や神話が残るエリアです。地元ガイドの話に耳を傾けながら、車窓に広がるどこか懐かしい日本の原風景。のんびりとした時が流れる時間旅行へと導いてくれます。

また、下りの木次駅、上りの出雲三成駅では各10間分停車。その間、木次駅では地元民によるおもてなしが受けられたり、出雲三成駅では駅併設の特産市にてお買い物も楽しめます。長時間の滞在が可能な方は、途中下車をして温泉やご当地グルメなど魅力溢れるスポットを、宿泊と合わせてお過ごしください。


山陰の恵みが満載の食。※運行区間、乗車区間によってお申込みできない場合があります

「あめつち」旅のもう一つの楽しみは、山陰の海の幸・山の幸を車内で味わえること。山陰や神話をテーマに、島根牛や大山鶏、地魚のアゴ(飛魚)といった地元食材を詰め込んだお弁当、和菓子や地酒のゼリーなどのご当地スイーツが堪能できます。各区間でメニューが異なるので、事前にチェックして予約をしましょう。(「tabiwa by WESTER」で予約してから、当日現地にて受け取り)

そのほか、出雲大社へ奉納する大しめ縄を作った職人が手掛けるしめ縄飾り、あめつちオリジナルグッズといった物販も充実。旅の記念品としてもおすすめです。

あめつち

【お問い合わせ】JR西日本お客様センター
TEL:0570-00-2486(受付時間 9:00~19:00 年中無休)
【関連リンク】≫ 「JRおでかけネット」観光列車の旅時間

SL やまぐち号(JR西日本)

SLやまぐち号

旧国鉄の近代化・合理化のために全国で蒸気機関車が廃止される中、山口線のSLも一旦は姿を消しましたが、熱心なファンの声に後押しされ、1979年にSLやまぐち号として復活しました。新山口駅を出発して湯田温泉駅や山口駅、長門峡駅などに停車し、山陰の小京都・津和野駅(終点)までの62.9kmを約2時間かけて走ります。

現在、「貴婦人」の愛称で親しまれているC57形と、機関車の代名詞ともいえる「デゴイチ」の名で呼ばれるD51形の、2種類のSLが運行しています。

SLやまぐち号 内装
当時の形状で再現した座席や床は、重厚な雰囲気を感じさせる

客車は最新の機能を取り入れ、2017年にリニューアル。SL全盛期に活躍した旧型客車を当時の形状で再現し、快適性とレトロ感を両立させています。注目は展望デッキを備えた1号車(グリーン券をお持ちの方のみ利用可能)。開放感のある空間で、くつろぎながら山口線の鉄道旅を満喫できます。そのほか、売店完備の3号車では、蒸気機関車の仕組みや歴史の紹介コーナーも。実際に使われた備品や、実車をリアルに再現した模型など、SLファン必見の展示が常設されています。

乗車して旅する楽しみもあれば、走るSLを眺める楽しみ、撮影する楽しみもあります。田園風景を走る姿や津和野大橋を渡る姿、太皷谷稲成神社の境内から見下ろすやまぐち号など、鉄道ファンにはたまらないスポットがたくさんあります。煙を吐きながら美しい津和野の風景の中を走るやまぐち号の姿は、まるで1枚の絵葉書のようです。

SLやまぐち号

【お問い合わせ】JR西日本お客様センター
TEL:0570-00-2486(受付時間 9:00~19:00 年中無休)
【関連リンク】
「JRおでかけネット」観光列車の旅時間
「SLやまぐち号」ホームページ

一畑電車の観光列車

ご縁電車しまねっこ号Ⅱ(一畑電車)

ご縁電車しまねっこ号2
「しまねっこ」のデザインが可愛いラッピング

松江しんじ湖温泉駅と電鉄出雲市駅や出雲大社前駅を結ぶ私鉄「一畑電車」。いくつかある車両の中でも人気なのが、島根県観光キャラクター「しまねっこ」で彩られた「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」です。

しまねっこ 内装

「ご縁の国しまね」をイメージしたラッピングで、しまねっこファンや縁結びに関心がある人なら一度は乗ってみたい電車。2両編成のうち、1両は「しまねっこの別荘」をイメージした黄色ベースの車内には、友好協定を結んだ台湾にちなむデザインがたくさん。もう一方の車両内は、ピンク色をベースに「ご縁」がテーマとなっています。車内にはしまねっこが座っているシートがあり、隣に座って記念撮影するのが人気です。

ご縁電車しまねっこ号2

ご縁電車しまねっこ号2

また、2両編成のしまねっこ号Ⅱの中に、1つだけハート形の吊り輪があり、見つけると幸せが訪れると言われています。床には「ご縁あみだくじ」が描かれていて、たどっていくと運命の人に出会えるかも?乗っているだけで楽しい時間を過ごせます。

ご縁電車しまねっこ号Ⅱ

【お問い合わせ】一畑電車株式会社 営業部 営業課
TEL:0853-62-3383(平日9:00~17:00)
【関連記事】≫ 「ご縁電車しまねっこ号Ⅱ」内装について

※しまねっこ号は基本的には毎日運行していますが、運行スケジュールは非公開です。

楯縫号(一畑電車)

一畑電車「楯号縫」

2013年に観光列車として登場した一畑電車の「楯縫(たてぬい)号」。風土記時代の旧出雲國の楯縫郡が名前の由来で、現在の出雲市の北東部にあたる地域です。「出雲国風土記」によれば、この地で出雲大社の飾り用祭器として、楯を造り始めたことから「楯縫」の名が付けられたとされています。

一畑電車「楯縫号」

宍道湖の北岸沿いを走る一畑電車。車窓からは朝日や夕日に輝く湖の景色を望めます。春は菜の花や桜、秋は紅葉など、四季折々の美しい風景を眺めながら旅を楽しめる貴重な路線。楯縫号は、宍道湖を中心に広がる眺望を満喫できるよう、座席を宍道湖側に向けて設置してあります。

一畑電車「楯縫号」

【お問い合わせ】一畑電車株式会社 営業部 営業課
TEL:0853-62-3383(平日9:00~17:00)
【関連リンク】≫ 一畑電車公式サイト
【特集ページ】≫ 「一畑電車 de サイクリング」

※楯縫号は基本的には毎日運行していますが、運行スケジュールは非公開です。

デハニ50形(一畑電車)

一畑電車 デハニ50形

錦織良成監督によって、中井貴一主演で制作された映画「RAILWAYS 49歳で電車の運転士になった男の物語」は一畑電車が舞台でした。この映画に登場したオレンジ色の電車が、一畑電車を代表する「デハニ50形」車両です。

一畑電車 デハニ50形

1928年から1929年に製造された日本最古級の電車。手動式の扉や木製の車体、鎧戸の日除けなど、レトロな雰囲気が味わい深く、今もファンに人気です。残念ながらすでに現役は引退しましたが、出雲大社前駅で車両の一般公開展示が行われています。車両の中も見学でき、静かで落ち着いた雰囲気のなか、写真撮影ができます。

一畑電車 デハニ50形

また、出雲市の雲州平田駅では、毎週土・日曜と祝日にデハニ50形の体験運転が行われています。事前に講習を受け、お手本を見せてもらった後は、実際に車両を運転することができます。運転だけではなく、普段は入れない車両基地の見学など、子どもも大人も満足できる内容なので、親子で楽しむのもおすすめ。そのほか、ゴールデンウィークや夏休みなどには、子供電車体験教室を開催。デハニの運転以外に、軌道自転車・鉄道模型など4種類の体験ができます。

一畑電車 デハニ50形

【お問い合わせ】一畑電車株式会社 営業部 営業課
TEL:0853-62-3383(平日9:00~17:00)
【関連リンク】≫ 一畑電車デハニ50形 体験運転
【特集ページ】≫ 映画「RAILWAYS」特集

JRのラッピング列車

木次線(JR西日本)

木次線

島根県松江市の宍道駅から雲南市・奥出雲町の各駅を経由し、広島県庄原市の備後落合駅まで、中国地方を縦断するように走るローカル線。2023年1月からはラッピング列車が運行しています。木次線のラインカラーである山吹色をベースとした「きすきいろ」と、沿線の観光資源を色で表現したツートンカラーが特徴。沿線にも見どころが多い「桜」をピンク、神話の発祥地「斐伊川」を水色、豊かな「自然(棚田)」を黄緑、全国に誇れる「たたら」をグレーで表した全4種類が運行中です。沿線には立ち寄りスポットが数多くあり、中国山地の豊かな景観、温泉、ご当地グルメが盛りだくさん。

木次線

中国山地の険しい道のりを走る木次線。特に出雲坂根駅付近の三段式スイッチバックは、木次線の力強さを体感できるポイントです。高度差約162mの急こう配を上り下りするために、列車の進行方向の前後を逆にしながらジグザグに進むスイッチバック。それが三段に連続するのは全国でも珍しく、鉄道ファンも多いそうです。そのほか、車窓に流れる自然美、赤いアーチ橋など、牧歌的な里山の風景も見どころ。

木次線ラッピング列車

【お問い合わせ】JR西日本お客様センター
TEL:0570-00-2486(受付時間 9:00~19:00 年中無休)
【関連リンク】≫ もっとつながる木次線

石見神楽(JR西日本)

石見神楽 ラッピング列車

米子から浜田・益田間を結ぶ快速アクアライナーを、島根県西部で盛んな伝統芸能である石見神楽のデザインでラッピングした列車「石見神楽(いわみかぐら)」。石見神楽の演目に登場する鬼など、大変インパクトあるビジュアルで、迫力のラッピングとなっています。


石見地方の海岸線を走る快速アクアライナー

島根県西部は海岸沿いを走るルートも多く、真っ青な日本海を背景に走る列車の姿はフォトジェニック。変化に富んだ海岸線や赤瓦の集落など、石見地方の独特な風景を車窓から楽しむことができます。

石見神楽

【お問い合わせ】JR西日本お客様センター
TEL:0570-00-2486(受付時間 9:00~19:00 年中無休)
【関連リンク】≫ 「JRおでかけネット」観光列車の旅時間

JRの寝台列車

サンライズ出雲(JR西日本)

サンライズ出雲

出雲市と東京を結ぶ寝台特急「サンライズ出雲」。東京駅の発車時刻が22時と、仕事帰りにも利用できます。個室寝台なので落ち着いて過ごせ、親しい仲間とアルコール片手に語り合ったり、女子会をしたりと人気が高く、特に週末の便は予約がすぐ埋まるほどです。

サンライズ出雲

車内はシティホテルをイメージして住宅メーカーと共同設計。木の温もりを感じるインテリアに心落ち着きます。寝台は基本全て個室で、シングルデラックスやツイン、ソロなどバリエーションも豊富。室内にはコンセントもあり、パソコンでの仕事やスマートフォンの充電などに重宝します。

サンライズ出雲

リーズナブルな価格がうれしい「ノビノビ座席」もあります。個室ではないものの横になって休めます。頭側には読書灯やドリンクホルダー、仕切りもあり便利です。食堂車はありませんが、ミニラウンジで飲食が可能。シャワールームもあり東京から出雲までの約12時間、快適な旅を楽しめます。

サンライズ出雲

【お問い合わせ】JR西日本お客様センター
TEL:0570-00-2486(受付時間 9:00~19:00 年中無休)
【関連リンク】≫ 「JRおでかけネット」観光列車の旅時間

TWILIGHT EXPRESS 瑞風(JR西日本)

瑞風
アール・デコ調の美しいデザイン

「美しい日本をホテルが走る」をコンセプトに開発された、JR西日本の「TWILIGHT EXPRESS 瑞風(みずかぜ)」は、10両編成の豪華寝台列車です。スイートからシングルまで全室トイレ・シャワー付きの個室寝台、食堂車、ラウンジカー、展望車が連結された、まさに走る高級ホテル。

山陰コースと山陽コースの各上り・下り、そして山陽・山陰周遊コースの計5コースを運行します。旅の途中、沿線の観光地を巡る「立ち寄り観光」もあり、島根県内では、たたら製鉄の遺構見学や松江・明々庵で茶の湯体験などが楽しめます。2024年10月からは経由地に「温泉津駅」が追加され、専用バスに乗って、大田市にある世界遺産・石見銀山(大森)散策ができるコースも登場しました。

瑞風
ホテルのような上質さと心休まるしつらえ

車両や客室は、洗練された上質さと心休まる懐かしさを感じる「ノスタルジック・モダン」デザインで統一されています。内装の一部には島根県産のカシをはじめとした天然木材を使用。そのほか、島根特産の石州和紙を用いた照明器具など、インテリアも沿線各地の素材を活用し、ラグジュアリーな空間で最上級のサービスを堪能できます。

瑞風

食堂車では、フードコラムニスト・門上武司氏プロデュースのもと、一流の食の匠が監修した沿線の多彩な食材を使った料理が提供されます。

展望車の壁面はガラス張りで、空まで見渡せる開放的でくつろげる空間。最後尾の展望デッキにも出ることができるので、沿線の風を感じながら山陰・山陽の絶景を楽しみ、一生の思い出に残る特別な旅を満喫できます。

TWILIGHT EXPRESS 瑞風

【お問い合わせ】TWILIGHT EXPRESS 瑞風 ツアーデスク
TEL:0570-00-3250(受付時間 10:00~17:30 ※休業日:水曜・日曜・祝日・年末年始)
【関連リンク】≫ 「瑞風」公式サイト

 

西日本各エリアを巡る長距離列車「WEST EXPRESS 銀河」にも注目!

2024年3月~6月には山陰コース(京都~出雲市間)の運行を実施しました。
運行コースは、その年や時期によって変動するので公式サイトを要チェック!

詳細はこちら


移り行く景色を眺め、ご当地の食を味わい、心休まる時間を過ごせる列車の旅はかけがいのないひと時を与えてくれます。ぜひ、島根で列車の旅をお楽しみください。


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