海神楽で幻想的な体験を!絶景の海岸で石見神楽を鑑賞

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2019年05月22日 公開

海神楽

古くから継承される伝統芸能「神楽」が盛んな島根県。特に県西部に伝わる「石見神楽(いわみかぐら)」は華やかな演出で観光客にも人気です。

そんな石見神楽をより幻想的に楽しむことができる「海神楽」をご存知ですか?

年に1度だけ大田市温泉津(ゆのつ)町の福光海岸で開催される海神楽では、夕暮れの日本海をバックに迫力満点の石見神楽が上演されます。

絶好のロケーションで楽しむ伝統芸能「石見神楽」

石見神楽定期公演 ゆのつ温泉 夜神楽
地元で親しまれる石見神楽(写真:ゆのつ温泉 夜神楽)

全国各地でその土地特有の舞やお囃子(はやし)が受け継がれている神楽。その中で最も豪華で激しい舞といわれているのが石見神楽です。島根県西部の石見地方では、神社での秋祭りや地域のイベントのほか、定期公演では年間を通して鑑賞することができます。

室町時代に生まれたと言われる石見神楽。もともとは神職のみが舞う神事が氏子に受け継がれ、幅広い場で披露されるようになり、演目や衣裳も豪華になっていったと言われています。衣裳は華やかで演出はエンターテイメント性が高く、ストーリーも明解。地元では子供たちにも人気があります。

海神楽

そんな石見神楽を「浜辺で上演できないか」と提案したのは、フィールドワークの一環で福光海岸を視察した京都造形芸術大学の学生でした。

そして、地元の神楽団体である石見神楽温泉津舞子連中との共同企画として2005 年に立ち上がったのが「海神楽」なのです。第1回では80 名程度だった観客も年数を重ねるにつれ、その幻想的な光景が話題となり、次第に温泉津町の名物行事として知られるようになりました。

海神楽
日本海の雄大な風景を舞台とする海神楽(2018)

砂浜に設けられたステージで、美しい日本海をバックに舞う海神楽のスタイルは県内でも大変珍しく、当日は地元の人だけでなく、県外はもちろん海外からも神楽ファンが集まります。天候にも左右されるため、関係者やファンからは「奇跡の光景」と呼ばれています。

「海神楽2018」写真&動画レポート

海神楽2018 特設ステージ
開放感あふれる浜辺の特設ステージ(※2018年限定の特別仕様)

そんな海神楽が気になる!行ってみたい!という方のために、2018 年の海神楽の様子を写真と動画でレポートします!2018 年は例年の1 日開催から、特別に2 日間に拡大。9 月15 日(土)・16 日(日)に開催されました。

会場ではキラキラ輝く日本海をバックに、野外ライブ会場のようなステージセットがお出迎え。2018年は特別公演も行われたためステージは特別版です。

いよいよ開演の16 時!1 日目は「石見神楽 温泉津舞子連中」による石見神楽が8演目上演。まずは日本神話の「天の岩戸」の物語をモチーフとした演目「岩戸」から始まりました。

海神楽
暗闇に包まれた世界に困り相談する児屋根命(左)と大玉命(右)

天照大御神(あまてらすおおみかみ)が、弟である須佐之男命(すさのおのみこと)の乱暴に困り、天の岩戸の中にお隠れになったというエピソードを演目にした「岩戸」。

海神楽
神楽や芸能の神として祀られる「宇津女命」

天照大御神がお隠れになった世界は暗闇に包まれてしまいます。なんとか外に出てきてもらうため、優美な衣裳で踊る宇津女命(うづめのみこと)が見どころの演目です。

海神楽
波の音とともに生演奏されるお囃子

お囃子の演奏と一緒に聞こえる波の音も海神楽ならではの醍醐味。心落ち着く波音に、小気味よい打楽器のリズムと笛のメロディが情緒豊かに響きます。

三つ目の演目「八衢(やちまた)」が始まる頃には、空がだんだんと夕暮れに染まり始め、夕陽を背にした舞子のシルエットは影絵のように美しく、一層幻想的な雰囲気に。

海神楽
道ひらきの神として知られる「猿田彦神」

日本神話の天孫降臨を神楽化した演目の「八衢」。天降りをする皇孫を、天狗のような姿をした猿田彦神(さるたひこのかみ)が出迎え、道案内をします。夕陽に照らされながらリズミカルに舞う光景が神々しく惹きつけられます。

海神楽

日が沈んでからは暗闇の中に舞台が浮き上がり、煙や火花の演出が一層映え、迫力満点。重厚な衣裳を身に纏いながらも軽やかにダイナミックな踊りを魅せる舞子の姿に、客席からは自然と大きな拍手が湧き起こります。

海神楽 大蛇

1日目のクライマックスは出雲神話でも有名な「大蛇(おろち)」。須佐之男命による八岐大蛇(やまたのおろち)退治のシーンでは8体の大蛇が縦横無尽に舞台を動き回り、目を赤く光らせ、口から火花を出すダイナミックな演出!会場が一体となり盛り上がる石見神楽の代表的な演目です。


「海神楽2018」通常公演の動画はこちら


「海神楽2018」通常公演ダイジェスト(1日目)

2日目はバリ舞踊と神楽のコラボレーション!

海神楽2018 石見神楽×バリ舞踊・ガムラン

2日目は石見神楽と祈りと癒しの島のバリ舞踊、ガムランがコラボレーションした2018年限定の特別企画!EXILE ÜSA 氏を特別出演に迎え、この日だけの特別な公演が行われました。

海神楽2018 石見神楽×バリ舞踊・ガムラン

バリ舞踊は島根の石見神楽と同じく、インドネシアに古くから受け継がれる伝統芸能です。地域ごとに特色があり、寺院の祭礼や冠婚葬祭などで盛んに演奏されています。

海神楽

「大蛇」に着想を得て創作されたオリジナルの演目など、石見神楽とガムラン、バリ舞踊がひとつになったステージでは、独創性に富んだ伝統芸能の新たな表現が繰り広げられました。


「石見神楽×バリ舞踊・ガムラン」特別公演の動画はこちら


「海神楽2018」特別公演ダイジェスト(2日目)


伝統芸能というと古風で静かなイメージを抱きがちですが、石見神楽は退屈する暇もなく舞台に釘付けになってしまいます。そんな石見神楽を海と空が織りなす絶好のロケーションで鑑賞できる「海神楽」。魂が震える非日常を体験できる貴重な公演をお見逃しなく!


海神楽 福光海岸の絶景

海神楽

【会場】福光海岸特設ステージ(大田市温泉津町福光)[MAP]

【主催】海神楽実行委員会

【お問い合せ】TEL:0854-88-9950(大田市観光協会)

【関連リンク】≫ 石見国 ≫ なつかしの国 石見


海神楽の周辺観光スポット

大田市温泉津町の周辺には、地域の歴史・風土の魅力に溢れるスポットがたくさんあります。海神楽とあわせて観光をお楽しみください。


「世界遺産・石見銀山」

石見銀山 龍源寺間歩
年間を通して公開されている唯一の坑道跡「龍源寺間歩」

海神楽の会場から車で約20分。2007 年に世界遺産登録された石見銀山遺跡は、戦国時代から江戸時代の中頃にかけて栄えた銀鉱山です。鉱山跡地には銀の採掘のために掘られた「間歩(まぶ)」と呼ばれる坑道が900 以上も残されています。

石見銀山 大森の町並み
「重要伝統的建造物群保存地区」に指定される大森の町並み

鉱山に隣接して発展した大森地区には、武家・商家の旧宅や社寺が混在する美しい町並みが残っています。古民家を改装したカフェや銀細工のお店などが軒を連ね、散策が楽しいエリアです。

「石見銀山 世界遺産センター」では、様々な展示を通じて石見銀山の歴史や見所を知ることができます。観光向けの駐車場(約400台)もあるので、駐車と併せて事前知識を得るのがおすすめです。

石見銀山世界遺産センター

【住所】島根県大田市大森町イ1597-3  [MAP]

【開館時間】 8:30~17:30

【休館】毎月最終火曜日・年末年始

【お問い合せ】TEL:0854-89-0183

【関連リンク】≫ 石見銀山世界遺産センター

世界遺産エリアの温泉街「温泉津温泉」

温泉津温泉
ノスタルジックな温泉津の町並み

海神楽の会場から車で約15 分。銀の積み出し港と隣接して発展した港町を有する「温泉津(ゆのつ)温泉」は、文化庁に選定されている「重要伝統的建造物群保存地区」のうち、唯一「温泉町」として登録されています。昔にタイムスリップしたかのような、静かで歴史ある町並みは写真に収めたくなる景色です。

約1300 年の歴史がある温泉津温泉には15軒程の宿が立ち並び、町の中心には2軒の共同浴場があります。万病に効能があるといわれる優れた泉質の天然温泉は地元住民から観光客まで幅広く親しまれています。

石見神楽定期公演 ゆのつ温泉 夜神楽
龍御前神社で上演される「ゆのつ温泉 夜神楽」 

また、温泉津温泉にある「龍御前神社(たつのごぜんじんじゃ)」では、毎週土曜日に夜神楽の上演があります。元来、神事として行われてきた石見神楽。神社の荘厳な雰囲気のなか、「奉納神楽」を彷彿とさせる迫力の舞を楽しむことができます。

温泉津観光案内所(ゆう・ゆう館内)

【住所】島根県大田市温泉津町温泉津イ791-4  [MAP]

【営業】8:45~17:30(冬期変更の可能性あり) 

【定休】なし

【お問い合せ】TEL:0855-65-2065(大田市観光協会 温泉津支部)

【関連リンク】≫ 大田市観光協会 温泉津支部公式ホームページ

ゆのつ温泉 夜神楽(温泉津温泉 龍御前神社) 

【住所】島根県大田市温泉津町温泉津ロ156 [MAP]

【主催】温泉津温泉旅館組合

【お問い合せ】TEL:0855-65-2515(旅館ますや 担当:益田哲也 )

【関連リンク】≫ 公式サイト

「温泉津やきものの里」で石見の焼き物に触れる

温泉津やきものの里 登り窯
「温泉津やきものの里」の登り窯

温泉津は江戸時代からの歴史がある「温泉津焼」の産地です。温泉街から徒歩10 分(車で4 分)ほどにあるのが「温泉津やきものの里」。ここには幕末から昭和初期まで活躍した登り窯が修復・保存されていて、年2回の「やきもの祭」の時期には登り窯に火が入り、ここで焼いた陶器の販売も行われます。

温泉津やきものの里 やきもの館
「温泉津焼」や「石見焼」など石見地方の焼き物が並ぶ

隣接する「やきもの館」には、温泉津焼の窯元をはじめ、石見地方の焼き物が並べられ、器好きの方や温泉津ならではのお土産におすすめです。創作体験もあり、ろくろを使った手びねりや、絵付け体験を楽しめます。

温泉津やきものの里 やきもの館

【住所】島根県大田市温泉津町温泉津イ22-2 [MAP]

【開館】9:00~17:00 / 創作体験は16:00 まで受付(予約不要)

【休館】年末年始、臨時休館あり

【料金】入館無料

【お問い合せ】TEL:0855-65-4139

【関連リンク】≫ 温泉津やきものの里公式ホームページ


さらに周辺の魅力をピックアップ!

気軽に立ち寄れる大田市のスポットや石見ならではのグルメをご紹介します。


世界最大の砂時計「仁摩サンドミュージアム」

仁摩サンドミュージアム

大田市内にある、世界最大の一年計砂時計で有名な砂博物館「仁摩サンドミュージアム」。TVドラマ・映画化されたコミック「砂時計」の舞台でもあり、聖地巡礼・ロケ地巡りのスポットとしても人気です。物語に出てくる砂時計は、実際にショップで購入できるミュージアムのオリジナルグッズです。

砂博物館 仁摩サンドミュージアム

【住所】島根県大田市仁摩町天河内975 [MAP]

【開館】[通常] 9:00~17:00(受付終了16:30)※変更の場合あり

【休館】毎週水曜日(祝日は除く)、年末年始

【料金】高校生以上:700 円、小・中学生:350 円

【お問い合せ】TEL:0854-88-3776(仁摩サンドミュージアム)

【関連リンク】≫ 公式ホームページ

キュッキュッと音のする鳴砂の浜、琴ヶ浜。

鳴砂の浜 琴ヶ浜

仁摩サンドミュージアムの近くにある「琴ヶ浜」は、全国でも有数の「鳴砂の浜」として有名です。実は仁摩サンドミュージアムは、この「鳴砂」の保全と環境保護を願いつくられた施設。白い砂浜に青い海が美しく、海岸沿いに佇むカフェで景色を望みながら、ゆっくり癒しのひとときを過ごすのもおすすめです。

琴ヶ浜

【住所】島根県大田市仁摩町馬路 [MAP]

【営業】海水浴遊泳可能期間:7月中旬~8月中旬(※警備員の配置はありません)

【お問い合せ】TEL:0854-88-9950(大田市観光協会)

【関連リンク】≫ 琴ヶ浜海岸(大田市観光サイト)

ご当地グルメ「神楽めし」

神楽めし
「えびす丼NO.1決定戦」グランプリの「えびす丼」(荒磯館:益田市)

石見神楽にちなんだご当地グルメ「神楽めし」。大田市はもちろん石見地方のお店で、それぞれが工夫を凝らしたメニューが提供されています。新鮮な魚介類をたっぷり盛った「えびす丼」、石見和牛など地元産のお肉を堪能できる「オロチ丼」、郷土料理をアレンジした「大黒めし」など、石見の名物・食を気軽に味わうことができます。

神楽めし

【住所】石見地方の対象店舗にて提供(詳細は下記リンクにてご確認ください。)

【お問い合せ】TEL:0855-29-5647(石見観光振興協議会)

【関連リンク】≫ 神楽めし公式ホームページ


海神楽が開催される大田市の「福光海岸」や「琴ヶ浜」などの美しい海岸をはじめ、自然が織りなす素晴らしい景色に出会える石見地方。また、豊かな歴史・風土に根ざした地域の文化を映し出す伝統芸能。さらに、世界に誇る観光名所から美味しいグルメまで、魅力たっぷりな石見の旅を心ゆくまでお楽しみください。