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【PR】世界遺産「石見銀山」を訪れたらココを見て!大森のまちに根付いた暮らしに触れる旅

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2024年04月15日 公開

出雲大社から車で約1時間の場所にある世界遺産・石見銀山。その入口に位置するのが、瓦屋根の木造建築が建ち並ぶ「大森」のまちです。初めて訪れてもどこか懐かしさを感じるこの町並みには、身分によって住む場所が異なることが当たり前だった江戸時代に、商家、武家屋敷、町家が混在していました。今も残る史跡をめぐり、当時の歴史や暮らしに触れられるのも大森のまちの楽しみ方の一つです。
ゆったりとした時間が流れる町並みを散策しつつ、歴史を紡ぐ暮らしと痕跡をめぐる旅に出かけてみましょう。

 

令和6年3月に大田市内の山陰道が全区間開通しました!

出雲大社から「出雲多伎」インターチェンジまでは、コバルトブルーの海が広がる海岸線に沿った道を走り、山陰道へ。島根の豊かな自然も満喫できる、快適なドライブコースです。
※出雲IC~出雲多伎ICは令和6年度開通予定。

商家をたずねる「国指定重要文化財 熊谷家住宅(くまがいけじゅうたく)

熊谷家住宅


施設スタッフが教える “ここではこれを見て!”
季節の移ろいを感じ、心地よく生活するための暮らしの知恵



掛屋(銀行)の様子

江戸時代の暮らしの知恵を体感

熊谷家は、江戸時代にこの地で鉱山業、酒造業、その他に御用商人(掛屋、郷宿、御用達)としての役割を担っていました。その住まいであった「熊谷家住宅」は、石見銀山における江戸時代末期から明治にかけての有力商人の身分や暮らしの移り変わりをよく示しています。平成になり、建造物・敷地と共に、3300点もの家財が大田市へ寄附され、調査が行われました。現在は、これらを展示活用し、建物と共に当時の暮らしを知ることのできる空間になっています。

季節ごとに「しつらい」を替え、日本人の暮らしを伝える

大森銀山地区最大の商家建築「熊谷家住宅」では、まるで今も人が住んでいるかのように、住宅を活かした展示が見られます。かつての日本の住宅では、四季の移り変わりに応じて、心地よく暮らすための工夫がなされていました。それは、少し前の世代まで当たり前だった暮らしの知恵や工夫。若い世代の方には新鮮に、あるいは人によっては懐かしく感じるのではないでしょうか。訪れるたびに表情を変える展示を通して、季節ごとの暮らしを “体感” してみましょう。

「室礼(しつらい)」をご存知ですか?

熊谷家住宅では、その季節を心地よく暮らすための工夫が「室礼(しつらい)」に見てとれます。
※レイアウトは変更になる場合があります

熊谷家住宅 しつらい
同じ部屋

■ 夏の「しつらい」の特徴

夏のしつらい

  • 襖(ふすま)や障子が葦戸(よしど)となり、御簾(みす)がかかります。畳の上に、網代(あじろ)や藤筵(とうむしろ)が敷かれます。
  • 見た目がさわやかで、風通しが良い。
  • 葦戸(よしど)や御簾などは、奥の間に座る主に表が向くように設えられています。

■ 冬の「しつらい」の特徴

畳の上に緞通(だんつう)が敷かれ、手あぶりが出されます。御簾は襖に、葦戸は障子に替えられ、あわせて調度も冬仕様に。
※大阪府堺市の文化財に指定されている見本帖をもとに 復原された手織りの緞通。

例:「蔵前座敷」
夏から冬へ … 季節が変われば、こちらの「しつらい」も変わります。どこが変わったか分かるでしょうか?

熊谷家住宅では、ここにも注目!

熊谷家住宅には、建物の外からではうかがいしれない暮らしの知恵や工夫など注目ポイントがたくさん。ぜひ住宅に入って確かめてみましょう。

地下蔵

居間の床下に設けられた石組の「地下蔵」。代官所からの大切な預かりものなどを収納していました。火災に備え、耐火金庫のような役割だったと言われています。畳が敷かれていたので、通常は見えないようになっていました。現在は、居間から見学できるようになっています。

当時の献立表が展示されています。“松茸” や “穴子” など、食材の表記に注目してみましょう。

30にも及ぶ部屋数の多さは圧巻。住宅の中を巡ると、この商家がこの地で果たしていた役割がよくわかります。

屋内からそのまま蔵に入れる「内蔵造り」。蔵につながる廊下も一つの部屋のような広さで、この住宅がいかに広大かを実感します。

熊谷家住宅では、職員によって日々 “お掃除” が行われています。日々のお掃除は、家を長く保つ秘訣でもあり、重要文化財の “保全” に直結しています。

混雑状況にもよりますが、希望をすれば、熊谷家住宅の歴史や建物を案内してもらえることも。気軽に尋ねてみましょう。(所要時間:約30分)

熊谷家住宅

〒694-0305 大田市大森町ハ63
TEL:0854-89-9003

公式サイト

 

武家屋敷をたずねる「代官所地役人 旧河島家」


施設スタッフが教える “ここではこれを見て!”
最後まで大切に使い切る「しまつ」の文化。“物を大切にするとは何か” が分かります。


旧河島家 室内

江戸時代の文化にふれることのできる屋敷

「旧河島家」は、大森の町並み地区で唯一公開されている武家屋敷です。1800年初頭に建築された代官所地役人(大森代官所に務めた役人)の遺宅で、1990年に復元されました。地役人の住宅の造りがよくわかる建造物です。

 

「仕舞う」圧巻の収納

旧河島家でぜひ注目してほしいのは、「仕舞う」収納。器、着物、布団、季節の品々などを布や紙で包み、木箱や長持、箪笥に一つひとつ丁寧に収納。手に取りやすく、見やすく、美しく整然と仕舞われている様子は圧巻です。材質や形に応じて仕舞い方も異なるなど、日本人の細やかさや気配りが感じられます。大切に使い続け、使い切る。物が豊富な現代だからこそ、改めて見直したい「しまつ」の文化を体感してみてください。

 

武家屋敷の “つし二階”

旧河島家には2つの “つし二階” があります。部屋に出入りする過程も探検のような気分になれるワクワクする空間です。

「仕舞う」収納展示がある “土間つし二階”

② 甲冑などがある “納戸つし二階”

引き戸のある階段から登ります。

代官所地役人 旧河島家

〒694-0305 大田市大森町ハ118-1
TEL:0854-89-0932

公式サイト

 

 

熊谷家住宅と旧河島家 おすすめのめぐり方

熊谷家住宅と旧河島家の両方に入館すれば、商家と武家屋敷の違いがよく分かります。

[見比べてみてほしいポイント]
・武家屋敷は玄関の前に門と塀がありますが、商家や町屋にはありません。
・熊谷家住宅は、身分の高い人が行き交う通りを2階から簡単に見下ろせないつくりになっています。

・熊谷家住宅には、玄関の他に、「迎賓館」としての役割を担っていたことから、身分の高い人用の籠ごと入れる入口があります。

・旧河島家は武家屋敷。代官所地役人である河島家は通りに面して門塀を設けており、門をくぐると式台付玄関が備えられています。

代官所跡をたずねる「いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)」

いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)


地元観光スタッフが教える “ここではこれを見て!”
大森の今と昔を繋ぐ痕跡と出会える場所。建物と収蔵品は当時の面影を残します。


江戸時代、石見銀山を収めた大森代官所跡。現在は資料館として、石見銀山の採掘工具、古文書、鉱物標本など約300点を展示しています。収蔵品のほとんどが、大森の人々が“暮らしを後世に伝えたい”と持ち寄ったもので、当時の石見銀山の様子や暮らしぶりに触れられます。

いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)

希少な建物も見どころの一つ

「いも代官ミュージアム」では、展示品だけでなく、建物自体にも注目してみましょう。現在の長屋門は1815年に建てられたもので、幕領陣屋の表門・長屋門とも現存しているのは全国的にも希少です。長屋門には門番詰所や仮牢なども残っています。これら大森陣屋(代官が政治を行い、日常生活を送る居宅)は、江戸幕府の石見銀山支配の様子を今に伝える遺構として国の史跡となっています。

幻の土「無名異」の廊下

幻の土「無名異」の廊下

いも代官ミュージアムは、1902年(明治35年)に建てられた旧邇摩郡役所を使用しています。ここでは、廊下の壁に、赤色の粘土「無名異(むみょうい)」が使用されています。かつて、石見銀山の「無名異」は、幕府に献上されていた高貴薬(高価な生薬)でした。

石見銀山領の重要性を物語る資料の数々

「いも代官ミュージアム」から徒歩3分の場所にある井戸神社。石見銀山領を飢饉から救った代官・井戸平左衛門を祭神とする神社です。ミュージアムには、渋沢栄一をはじめとした著名人による井戸神社への寄附があった事などが分かる資料が展示されています。石見銀山領がいかに重要視されていたかが伺える資料です。

渋沢栄一 資料
「近代経済日本経済の父」と言われる渋沢栄一の寄附が分かる資料

勝海舟の自筆
井戸神社の扁額は「勝海舟」の自筆

いも代官ミュージアム(石見銀山資料館)

〒694-0305 大田市大森町ハ51-1
TEL:0854-89-0846

公式サイト

 

江戸時代の面影を残す2つの寺

①五百羅漢・羅漢寺

羅漢寺


地元観光スタッフが教える “ここではこれを見て!”
一体一体じっくり見たい、表情豊かな五百羅漢座像


1766年、銀山で働き、亡くなった人や祖先の霊を供養するため25余年の歳月をかけて造られた羅漢寺。石窟内に納められた五百羅漢座像は、福光石でできており、よく見ると寝ていたり、お話をしていたりと豊かな表情が印象的です。「もう一度あの人に会いたい」という人々の願いが込められた場所で、五百羅漢を拝観すると「亡くなった父母や近親者に会える」と言われ、現在でも参拝の足は途絶えません。

五百羅漢

羅漢像は岩山をくりぬいた場所に安置されており、そこに渡る三つの反り橋は、建立当時のまま残されています。石切り場でもあった大森の石工技術をまざまざと見ることができ、当時の技術力の高さもうかがえます。

[ここもチェック]
福光石石切場

福光石の石切り場は現在も稼働しており、見学をすることもできます。

五百羅漢・羅漢寺では、ここにも注目!

胎内くぐりと五体の羅漢像

胎内くぐりと五体の羅漢像 胎内くぐりと五体の羅漢像

江戸時代、疫病が流行ると「疫病」との“縁切り”のために、本尊の下をくぐり、本堂の裏の五体の羅漢像(その先にある「縁切り羅漢」(裏見の羅漢))に祈祷していました。現在も、本尊の胎内に留まり、生まれ変わりの意味を持つ「胎内くぐり」を体験することができます。悪縁を断ち切り、五百羅漢にて新しい良縁を結ぶという順路でめぐるため、縁切り、縁結びの両縁参りのお寺としても知られています。

湧水「三百水」

三百水 三百水

羅漢寺の脇に湧き出す「三百水」。島根の名水に選ばれており、汲んで持ち帰ることができます。名前の由来は、銀山で「一荷三百文」で売られていたことから(一荷=約60ℓ)。水の粒子が細かく、身体に浸透しやすいと評判の湧水です。
※使用の際には必ず煮沸消毒をしましょう。

五百羅漢・羅漢寺

〒694-0305 大田市大森町イ804
TEL:0854-89-0005

公式サイト

 

②勝源寺

勝源寺


地元観光スタッフが教える “ここではこれを見て!”
極彩色の本堂内部、キリシタン地蔵マリア像、東照宮…多彩な文化を今に伝えるお寺


1601年、江戸幕府が石見銀山の支配権を握った頃に創建されたお寺。楼門、本堂、東照宮は市指定有形文化財に指定されています。
本堂の内部は極彩色で、阿弥陀如来像が色彩豊かに彩られた天井の下に安置されています。また、キリシタン地蔵マリア像や、隠れキリシタンの墓があることから、銀の産出地として世界に知られた石見銀山とヨーロッパのつながりをうかがい知ることができます。

家康公を祀る「東照宮」

東照宮 東照宮

本堂の裏の丘をさらに登ると東照宮があります。東照宮には、江戸幕府の創立者である徳川家康公が神として祀られており、大森が江戸幕府と強いつながりがあったことを示しています。中には、家康公をはじめ12代までの将軍の位牌が安置されています。(一般の方は下から御拝ください)

勝源寺

〒694-0305 大田市大森町イ430-1
TEL:0854-88-2179(勝源寺事務局)

※本堂内などの拝観は事前予約制、境内参拝は自由
【申込】Mail:showgenji@ginzan-tv.ne.jp FAX:0854-88-2201

大田市観光サイト

 

やっぱりここは訪れたい!石見銀山の必見観光スポット

①龍源寺間歩

龍源寺間歩

銀を採掘した坑道跡です。「龍源寺間歩」は、年間を通して公開されています。
ここでは、ぜひ壁や天井の掘り跡に注目してください。当時の坑夫の掘り進めるスピードは、1日約30cmでした。その30㎝の杭の跡、削ったノミの跡が、そのまま残っています。また、写真左側の低い方が手掘りの高さで、写真右側の高い方が明治の開拓で機械掘りをされた部分です。機械掘りの部分は、天井に引っかいたような跡が残っています。当時の人々の懸命に働く姿が、掘り跡からリアルに伝わってくるかのようです。

龍源寺間歩

〒694-0305 大田市大森町ニ183
TEL:0854-89-0347

大田市観光サイト

②石見銀山世界遺産センター

石見銀山世界遺産センター 石見銀山世界遺産センター VR

石見銀山の歴史や鉱山と暮らしの学習施設。まずはここで予習をしてから散策をするのがおすすめです。
展示物からは、往時、栄えていたころの石見銀山の銀が、世界と日本国に与えた影響がわかります。また、採掘や製錬には当時の最先端技術が採用されており、環境と共存した銀生産を行っていたことがわかります。江戸時代、いかに石見銀山や大森が幕府にとって重要な土地であったかを知ったうえでまちを散策すれば、よりディープな楽しみ方ができること間違いなし。VRでは、現在公開されていない区域の映像も視聴でき、遺跡が良好に残されていることがわかります。

石見銀山世界遺産センター

〒694-0305 大田市大森町イ1597-3
TEL:0854-89-0183

公式サイト

 

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ガイドの会と一緒にめぐれば、大森の魅力がもっと見えてきます。ガイドの楽しい話とともに散策してみましょう。

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大田市の観光に関するお問合せはこちらまで

一般社団法人 大田市観光協会
〒699-2303 大田市仁摩町大国42-1(道の駅ごいせ仁摩内)
TEL:0854-88-9950/FAX:0854-88-9960

 

 

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