2021年12月18日 公開
写真提供 @rcg_saki(Instagram)
日本五大稲荷の一つに数えられ、願望成就の神様として信仰を集めている津和野町の「太皷谷稲成神社」。朱塗りの約1,000本の鳥居のトンネルを登って新年のお参りを済ませたら、ちょっと足を延ばして隣の益田市までドライブしてみませんか。清流日本一とされる高津川水系に沿って約1時間。北上する道中は、大自然の恵みを満喫できる、まさに癒しのコースです。澄み切った冬の空気は、緑と水に囲まれた美しい環境を一層際立たせ、心身共に洗われるような感覚さえ覚えるはず。
太皷谷稲成神社のある津和野町に隣接する益田市は、日本海と雄大な中国山地に挟まれ、古くから山陰と山陽の交通の要衝地として繁栄。市内を流れる一級河川高津川は、全国でも屈指の水質を誇る清流と名高く、天然の鮎やワサビの特産地としても知られています。万葉歌人、柿本人麿や、水墨画家として著名な画聖、雪舟という二人の文化人との関わりが深く、関連する文化遺産が数多く残っています。2020年には中世の益田にまつわるストーリー「中世日本の傑作 益田を味わう -地方の時代に輝き再び-」が日本遺産に認定されました。豊かな自然と文化、歴史を体感できるまちです。
今回はそんな益田市の冬だからこそできる楽しみ方をご紹介します。
太皷谷稲成神社から車で約1時間。冬ならではの特別な風景を味わえるのが、200万球を超えるニホンスイセンが咲き誇る「唐音水仙公園(からおとすいせんこうえん)」です。中国地方でも有数の群生地として知られており、例年12月下旬から1月中旬にかけて、可憐で気品ある白い花々が見る人の心を和ませてくれます。
付近には、3000万年前の火山活動で形成された岩脈「唐音の蛇岩(からおとのじゃがん)」も。荒々しい岩肌にかかる波のしぶきと、蒼く広がる日本海、そして丘一面に咲くニホンスイセンが織りなす美しい景色を堪能することができます。
毎年1月には、地元公民館を拠点に絶景スポットをめぐる「水仙の里かまてウォーク」を開催。片道約2キロを歩き、スイセンと潮の香りを満喫するイベントには、多くの市民や観光客が参加します。
住所:益田市西平原町1598
TEL:0856-27-0501(鎌手ふるさとおこし推進協議会(鎌手公民館内)平日のみ 9:00~17:00)
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公園を歩いた後は、腹ごしらえ。益田で味わうなら、石見神楽をモチーフにしたご当地限定グルメ「神楽めし」がおすすめです。
雄大な日本海の波打ち際に立つ「荒磯館」では、ヒラマサ、サワラ、マグロ、サザエなど水揚げされたばかりの新鮮な魚介類を豪快に載せた「えびす丼」がイチオシ。2019年の「えびす丼NO.1決定戦」でグランプリを受賞、名実ともに石見を代表する味の一つです。冬は脂ののった魚が多いため、一年を通して特に美味しい丼を味わえるそう。
館内には、自然との一体感を満喫できる露天風呂も。国内旅行大手予約サイトの温泉ランキング絶景温泉部門(中四国エリア)で第1位を獲得した絶景温泉は宿泊も可能です。宿泊のお客様は、温泉はもちろん、館内の至るところから水平線に沈む黄金の夕日を楽しむことができます。
住所:益田市西平原町1019-1
TEL:0856-27-0811
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全国各地を旅しながら数々の作品を残してきた画聖・雪舟。益田では「益田兼堯像図」「山水図」などを描いたほか、「萬福寺」と「医光寺」に山水庭を築き、この地で生涯を終えました。そんな雪舟の枯淡な芸術を陶芸に生かそうと生み出されたのが、雪舟焼です。うろこ雲や飛び雲などの雲模様が特徴で、薄作りで繊細な雰囲気が魅力の一つです。
医光寺の隣にある「雪舟焼窯元」では、陶芸体験も可能(4月から受付開始、7日前までに要予約)。その地でしか作れないオリジナルのカップや湯呑などの作品はもちろん、陶芸に没頭する時間も旅の思い出になること間違いなし。窯元自身がつくった各種食器や茶道具も購入することができます。
住所:益田市染羽町4-29
TEL:0856-22-2056(9:00~18:00)
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雪舟焼窯元のある医光寺から車で10分弱、JR益田駅に向かうと真っ白な外壁が印象的な、洗練された雰囲気の建物が目に入ります。戦前から続く老舗フルーツ専門店「Fruits moritani」です。益田産の果物を中心に厳選した旬の果物にこだわり、併設したカフェでは見ているだけでも気分が上がりそうな、フルーツたっぷりのフォトジェニックなスイーツを堪能できます。
冬ならではのおすすめは、完熟食べごろ状態で入荷した益田市美都産のイチゴを使ったメニュー。新鮮な旬のイチゴをたっぷり使ったパフェやフルーツサンドは、遠方からのリピーターも多い人気商品です。
カフェメニューはテイクアウトもできます。一年中購入できるフルーツバターサンドのほか、2月までの冬限定で販売しているチョコがけフルーツバターサンドもキュートな見た目でおすすめです。
住所:益田市駅前町25-32
TEL:0856-22-0322
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辛党の方へのお土産にも最適なのが、「菊弥栄」のブランドで有名な老舗酒造会社「岡田屋本店」の銘酒です。明治10年の創業以来、原材料にこだわった日本酒造りを続けていますが、近年はワサビや柚子など地元の特産物を活用した焼酎やリキュールなどにも挑戦。冬ならではのイチオシ商品が、柚子リキュール「菊弥栄ゆずゆず」です。すっきりした米焼酎と、香り高い柚子の爽やかな酸味が見事にマッチ。まろやかで程よい甘さがあるため、女性にもファンの多いアイテムです。
そのほか、高級楊枝に使われるクロモジを原料にした焼酎やジンなど個性的な商品も製造。中国山地の恵みをお酒で味わえるのも、また一興です。
住所:益田市染羽町5-7
TEL:0856-22-0127
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隠れた名湯が県内随所にある島根県。秘湯の雰囲気がある温泉地が多い中、駅前で気軽に天然温泉やサウナを楽しめるのが、2019年にオープンした「MASCOS HOTEL」です。空間デザインやインテリア、器、ファブリックなどすべてにおいて地場産業との共同開発にこだわった新感覚のクラフトホテル。地元の窯元や家具職人、縫製メーカーなどによるオリジナルプロダクトを体感できる上、購入することもできます。
ホテルの地下深くの源泉から直接汲み出された「益田温泉」は、滑らかな肌触りが特徴のアルカリ性泉質。午前11時から午後10時まで日帰り入浴もできるので、旅の疲れを癒すのに最適です。
※朝食イメージ(現在はバイキング形式で提供しています)
日程に余裕がある人は、宿泊もおすすめ。部屋はスタイリッシュな設えでありながら、日本文化や地場産業に触れる工夫が施され、豊かさを覚える空間に仕上がっています。宿泊客は朝6時から深夜1時まで入浴可能なのも嬉しいですね。地産食材をふんだんに使用した料理が楽しめる「MASCOS BAR&DINING」にもぜひ立ち寄ってみましょう。
住所:益田市駅前町30-20
TEL:0856-25-7331
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石見地方を訪れたならぜひ一度は観ていただきたいのが「石見神楽」です。日本神話を題材に、笛や太鼓囃子に合わせて、豪華絢爛な衣装と表情豊かな面を身に付けて舞う伝統芸能。迫力ある演出や勧善懲悪といった分かりやすいストーリーが特徴で、初めて観る人も自然と神話の世界に誘われます。
益田市では1~3月毎週土曜日19:30から、「益田駅前ビルEAGA」3階大ホールで夜神楽を上演。益田駅より徒歩30秒でアクセスも良くかつ飲食街に近い会場で石見神楽を楽しめるのが魅力です。
住所:益田市駅前町17-1(益田駅前ビルEAGA)
TEL:0856-22-7120(一般社団法人 益田市観光協会)
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見どころ、味わいどころ満載の益田市。リアルタイムの観光情報は、益田市観光公式サイトをご覧ください。