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益田の夜はスゴい!週末を彩る「石見の夜神楽益田公演」

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2024年03月25日 公開

JR益田駅前で横にはホテルと、アクセス抜群の場所で石見神楽が見れるということで、取材にやってきました。迫力の久々茂保存会の舞いを2演目たっぷり堪能!その様子をぜひご覧ください。

石見の夜神楽 益田会場にやってきた

今回私たちがやってきたのは、益田駅前ビルEAGAで開催されている「石見の夜神楽 益田会場」。益田市の石見神楽団体が土曜の夜、順々に公演する人気の公演です。ホテルや居酒屋・飲食店などのテナント、益田市観光協会などの入った複合ビルの中で開催されるので、色々な面で便利。これまで巡った定期公演会場の中で、『利便性は抜群だね』と担当同士顔を合わせました。開演まで散策すると、同ビル内の別の場所でも定期公演!? なにぃっ!! 私たちの目が光ります。

益田駅前ビルEAGA 石見神楽定期...

益田駅前でアクセス抜群

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この日出演の久々茂保存会さんにお話を聞く

この日の出演は、石見神楽久々茂保存会さん。早速私たちは、会長の島田祐司さんにお話をお聞きしました。
久々茂保存会さんは昭和39年に青年団を中心に発足され、大阪万博の出演を機に「石見神楽久々茂保存会」と名を改め、現在大人約20名で活動されているそう。1970年の大阪万博では、石見で初の単独での大蛇の上演をされた、石見神楽の歴史を刻む団体なんです。心に残る公演をお聞きすると、埼玉スーパーアリーナ(約10年前)での「大蛇」の披露をあげられました。東京ドーム以上の迫力の液晶ビジョンに大きく映る大蛇は通常公演では感じることの出来ない光景で、晴れ晴れしく、印象深い上演だったと感慨深くお話いただきました。久々茂保存会さんは前会長、故三原さんの教えの元 “古きを温め” 背中を見せてこれからも伝統を繋いでいきたいと心のうちを語って頂きました。今後も変わらず、教わってきた久々茂の舞いを守って行くという強い意思も感じとれました。
現在神楽が日本遺産に認定され注目を浴びており、久々茂保存会さん達もこの神楽熱を盛り上げる一員でありたいとおっしゃられており、今日の公演にもその想いがしっかりと映し出されていました!
本日披露してくださった、十八番のひとつでもある大蛇は、活きのいい動きと、蛇胴の組み手が見どころだそう。あんな複雑な形の大蛇は初めてで、会場からも『おぉーっ!』と歓声があがるほどでした。
では、その迫真の舞いの様子をご覧あれ!

いよいよ石見神楽が始まりました。「鍾馗」

今回の上演は、久々茂保存会さんの「鍾馗」と「八岐大蛇」です。一演目目から鍾馗ということで観客の気分も上がります! 鍾馗は善悪がはっきりとしており初めて見る人でもわかりやすい演目のひとつです。石見地方のお家の玄関にはよく飾ってあるお面でなじみのあるお面でもあります! 私が浜田で見たことのある鍾馗とは印象が違い、最初のゆったりとした舞は厳かな上に力強い鍾馗を感じさせます。
幕から鬼が出てきた瞬間泣き出す子どもたちと力強い鬼囃子で、会場は今日一番の盛り上がりを見せます。幕に姿を隠したり現れたり・・・その際も鍾馗は鬼に背を見せず戦い、緊張感が会場をつつみこむシーンでした! 鬼の衣裳の背中には大きな獣の顔があり鬼の恐ろしさを倍増させます! 鍾馗も鬼も頭を何度も振り観客の目を引き、戦う場面では、鬼棒が折れんばかりに床を叩き両者とも壮大な舞でした。 茅の輪でとらえられた鬼が逃れようとのたうち回り、最後は鍾馗の宝剣で見事鬼を退治します。
鍾馗は石見神楽の演目の中でも特別で、久々茂保存会さん始め、益田の石見神楽の中でも特に重んじられている舞だそうです!

鍾馗(しょうき)

中国、玄宗皇帝の逸話を神楽化されたもので、石見神楽の中でも…

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続いては石見神楽の花形演目!「大蛇」

久々茂保存会さん2演目目は『大蛇(おろち)』です。日本神話でも有名な八岐大蛇(やまたのおろち)は、“神楽といえば大蛇” のイメージもあり色々なイベントで見かける事の多い演目です。
久々茂保存会さんも大蛇を舞う頻度が多いそうで、会長の島田祐司さんにこだわりポイントをお伺いしたところ、「大蛇の見せ場の演出にご注目頂きたい!」との事でした。
お囃子が始まり須佐之男命(すさのおのみこと)の力強い一人舞の後、足名椎(あしなづち)と手名椎(てなづち)〈お爺さんとお婆さん〉奇稲田姫(くしいなだひめ)が出て来て…役者が揃いました!そこへお酒の匂いにつられた大蛇がぞろぞろと出てきます!お酒を平らげ上機嫌な大蛇たちは、尾を床に打ち付け荒々しくも統一のとれた動きで、凄みを感じさせます!! 舞台からはみ出るほど大きな動きで観客を圧倒させ、見せ場の揃ったパフォーマンスは、観客からも『おぉーっ!』と歓声があがり初めて見る蛇胴の複雑な形に拍手が止まりませんでした。
クライマックスでの、激しくのたうち廻る蛇の迫力と命の荒々しい退治の一場面は、興奮なしでは見られません。中に人が入っているのが本当に不思議なくらい、動きが蛇そのものです!最後には大蛇の尾から出てきた宝剣を持ち、命が勝利の舞を披露します!! 子どもたちも須佐之男命と同じ様に剣をクルクル!!!
こんなにかっこいい舞を魅せられて、子どもたちは大人しく座って観ていられません。最後まで迫力満点の上演で、会場もいつのまにかポカポカでした。

益田では、毎週土曜日の晩、各団体交代でこの夜神楽が上演されます。ぜひ益田に旅行の際はお立ち寄りください!(取材させて頂いた久々茂保存会の皆様、益田市観光協会の皆様、ありがとうございました)

(主催:益田市石見神楽公演事業実行委員会:石見の夜神楽益田公演2020年1月25日取材 文:ちはる 写真:KAO)

石見の夜神楽益田公演 久々茂保存会 大蛇

 

大蛇(おろち)

古代神話の英雄、須佐之男命(すさのおのみこと)の八岐大蛇退…

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週末を彩る益田の神楽公演

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