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古代より伝わる不思議!出雲の「まがたま」を知る!作る!巡る!

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2019年09月27日 公開

神話のふるさと島根県出雲地方は、古代より勾玉の生産が盛んな土地です。特に松江市の玉造で採れる青めのうを使った「出雲型勾玉」は、天皇の皇位の象徴として2600年以上受け継がれている「三種の神器」の一つと伝えられ、出雲大社とも縁深いもの。玉造では現在でも粛々とその伝統の技術が受け継がれています。

今回は勾玉の神秘的な魅力を歴史から読み解くとともに、お土産にもうれしい勾玉づくり体験や、玉造温泉をはじめとした勾玉にまつわるスポットをご紹介します。

そもそも「まがたま」って何?島根との関係は?

島根県内各地でお土産としてよく見かける勾玉ですが、「勾玉って何?」「島根との関係は?」と聞かれると島根在住者でも言葉に詰まってしまいます。

まがたまの里伝承館

勾玉の歴史を紐解くと、古くは縄文・弥生時代の装具品で、魔除けや幸運をもたらす御守りとして身に付けられていました。当時の人々にとって“青色”は若々しさや健康の象徴だったため、勾玉の多くは翡翠(ひすい)など緑色の石で作られていました。

その後、古墳時代に島根県松江市玉造の花仙山(かせんざん)で堅くてキメの細かい良質な青めのうが安定的に採れることが分かり、平安時代頃まで玉造は勾玉の一大産地として栄えました。

めのう原石

勾玉作り職人の手によって作られた出雲の勾玉は全国に広まり、現在では勾玉をはじめとするめのうを使った工芸品「出雲めのう細工」が島根の伝統工芸として発展しています。

めのう勾玉

飛鳥時代になると、勾玉は神様を祀るために使われるようになります。そして奈良時代に編纂された「古事記」の中でも「勾玉」にまつわる神話が書かれており、それが後に皇位を象徴とする宝物となっていったのです。
令和元年5月には「三種の神器」(*1 八尺瓊勾玉、八咫鏡、草薙の剣)が次の天皇に受け渡される「承継の儀」が行われ話題になりました。
*1 八尺瓊勾玉(やさかにのまがたま)、八咫鏡(やたのかがみ)、草薙の剣(くさなぎのつるぎ)

玉造での勾玉作りは今も受け継がれ、出雲国造(出雲大社の宮司)が新任する際には「いずもまがたまの里 伝承館」で作られた「美保岐玉(みほぎだま)」が献上されています。

みほぎだま

勾玉を深く知るなら!日本で唯一「出雲型勾玉」を受け継ぐ「いずもまがたまの里 伝承館」

いずもまがたまの里伝承館は、令和4年1月31日(月)をもちまして閉店となりました。

勾玉の不思議な形は国内でも地域ごとに特色があり、由来も人間の胎児を模した説、獣の歯や牙を真似た説など諸説あります。三種の神器や美保岐玉の勾玉は緒がふっくらとして丸みを帯びていますが、これは玉造の勾玉の特徴で「出雲型勾玉」と呼ばれます。出雲の地では頭の部分が太陽、尾の部分が月を表し、穴は先祖との繋がりを意味しているのだそうです。

勾玉レプリカ

そんな「出雲型勾玉」を日本で唯一継承する施設が松江市玉造にあります。出雲縁結び空港から車で約20分、宍道湖畔に佇む「いずもまがたまの里 伝承館」は勾玉ミュージアムとして勾玉の展示・販売はもちろん、工房では現役の職人が今も出雲型勾玉の製作を行っています。

正面玄関

店内

エントランスで最初に目に飛び込んでくるのは、勾玉の原料となる花仙山で採れためのうの原石!花仙山はここから車で10分ほどの場所にあり、数年前に約50年振りとなるめのう採掘が行われました。今後の採掘予定はまだなく、大変貴重な石になりつつあります。

エントランス原石

職人さんによると、美保岐玉などに使われる深い緑色の石は碧玉(へきぎょく)といい、別名「出雲石」と呼ばれる高級な石。それに比べて透き通っているのが青めのうで、どちらも勾玉の製作に使われます。

まがたま三種
左から青めのう、赤めのう、碧玉(出雲石)

エントランス奥には勾玉3,000年の歴史を紹介したパネル展示や、昔の勾玉作りの道具のレプリカもあり、さながら博物館のようです。

工程展示

「勾玉職人工房」はガラスごしに中の作業を見学できるようになっており、勾玉製作の様子を間近で見ることができます。勾玉づくりの過程や原料の石なども見ることができますよ。

職人

手もと

職人に教わる勾玉作り!自分で作った勾玉をお土産に

「いずもまがたまの里 伝承館」でおすすめなのが勾玉作り体験です。職人による指導付きで体験できるのは全国でここだけ!初心者でも加工しやすい蝋石(ろうせき)と琥珀(こはく)のどちらかを選び、30分〜1時間かけて手作業で勾玉を完成させます。

体験用勾玉

勾玉作り体験

石を選び、紙ヤスリで勾玉の形に整えていきます。職人さんにアドバイスを頂きながら、ひたすら手元に集中する根気のいる作業です。この時、勾玉に想いや願いを込めると良いでしょう。

工程01

ある程度形が見えてきたら水につけながら耐水ペーパーで細かい傷をなめらかにしていきます。最後にワックスでツヤを出して完成です!

工程02

こちらが完成した手作りの勾玉!そのままで御守りにしても、紐やビーズを通してネックレスとして身につけるのもオススメです。(紐・ビーズは別料金)


■勾玉づくり体験
体験料:蝋石1,000円/琥珀2,000円
所要時間:蝋石30分コース/蝋石60分コース/琥珀90分コース
※紐200円、ビーズ大80円・小50円


工房隣のめのう製品販売コーナーは、出雲石を使った本格的な勾玉から、カラフルな天然石を使ったアクセサリーまで多彩なラインナップです。

勾玉イヤリング

淡い色づかいの華奢なイヤリング、ブレスレットなどは勾玉のイメージを覆す可憐さで、御守り兼アクセサリーとして普段使いにもばっちり。誕生日から占うラッキーカラー診断(無料)を参考に石を選んでみては?

勾玉商品

めのう細工以外にも、島根の特産品や勾玉をモチーフにしたお菓子や工芸品など、お土産も豊富な品揃えです。
勾玉やうさぎの箸置きは、出雲らしくてお土産に喜ばれそうです。勾玉柄の手ぬぐいは職人さんも愛用されていましたよ。

勾玉箸置き
勾玉・うさぎの箸置き

勾玉手ぬぐい
勾玉柄の手ぬぐい

いずもまがたまの里伝承館は、令和4年1月31日(月)をもちまして閉店となりました。

いずもまがたまの里 伝承館 公式ホームページ

「いずもまがたまの里 伝承館」で、勾玉やめのうへの興味が一気に高まった方は、近くの玉造温泉街で勾玉スポットを散策してみてはいかがでしょうか?

勾玉に彩られた日本最古の美肌温泉、玉造温泉街を散策!

「いずもまがたまの里 伝承館」から車で5分の場所に、美肌温泉として有名な玉造温泉街があります。「玉造」という地名の通り、ここは古代から勾玉の生産拠点でした。青めのうが採れる花仙山の麓に温泉街が栄えています。

玉造温泉街

温泉街の南の端には、「出雲国風土記」にも記される古社、玉作湯(たまつくりゆ)神社が鎮座し、温泉と勾玉の神様が祀られています。スサノオノミコトがヤマタノオロチを退治したご褒美に、玉作湯神社の神様から授けられたのが勾玉と言われており、後にスサノオの姉神である天照大神に献上したことが「三種の神器」となった由来です。

玉作湯神社

玉作湯神社マーク

玉作湯神社には、山から出てきたという真ん丸の石が祀られており、「願い石」として信仰されています。この石の隣には青めのうの原石も祀られており、古代からここで勾玉作りの成功が祈願されてきたと言い伝えられています。

願い石

神話と勾玉の繋がりを感じられる神聖な場所ですので、勾玉をもってぜひ参拝をおすすめします。

勾玉の歴史を体感できるスポット

玉作湯神社
〒699-0201 島根県松江市玉湯町玉造508
出雲玉作資料館
〒699-0201 島根県松江市玉湯町玉造99-3
出雲玉作史跡公園
〒699-0201 島根県松江市玉湯町玉造85-8
島根県立古代出雲歴史博物館
〒699-0701 島根県出雲市大社町杵築東99-4

温泉街で勾玉さがし!SNS映えする撮影スポットをご紹介

玉造温泉街のシンボルはもちろん勾玉。橋、マンホール、建物、お店のロゴなど街の景観に溶け込んでいる勾玉を見つけた時は「あっ!ここにも!」と、楽しい気持ちになります。玉造温泉に来た記念に、勾玉と一緒に写真を撮ってみませんか?

・勾玉橋

温泉街を流れる玉湯川にかかる「勾玉橋」。玉造温泉で一番大きい勾玉です。
まがたま橋

・しあわせ青めのう

玉湯川の足湯のすぐ近くにある勾玉の形をした小島「しあわせ青めのう」。中心の石は青めのうの原石。触ると幸運が訪れると言われる人気スポットです。
しあわせ青めのう

・キラキラ橋

「玉造アートボックス」近くの「キラキラ橋」にはハート型のガラスの勾玉がはめ込まれています。橋全体が漆喰アーティストによる作品でもあります。
キラキラ橋

・温泉街のマンホール

温泉街のマンホールもよく見ると勾玉模様。
マンホール

・灯籠

夜になると温泉街をほのかに照らす灯籠は、月を勾玉に見立てた影絵がデザインされています。
灯籠

この他にも温泉街にはたくさんの勾玉があちこちに点在しています。ぜひ、あなたの見つけた勾玉をSNSに投稿してみてくださいね。

玉造温泉観光情報

美肌温泉として有名な玉造温泉をもっと知ろう!
玉造温泉「たまなび」 公式ホームページ

若い女性に人気!アクセサリー作り体験や勾玉のお土産が買えるお店

松江市内や出雲大社周辺には、勾玉や天然石、パワーストーンを使った手作り体験ができるお店がたくさんあります!
石の意味やラッキーカラーなどを踏まえて自分で選んだ石を使い、時間をかけて手作りするその時間も大切な思い出になるはず。ぜひ、神話のふるさと島根で世界に一つのオリジナルお土産を作ってみませんか?


松江市内周辺スポット


カラコロ工房

勾玉作り

・島根県立八雲立つ風土記の丘(体験プログラム)[公式ホームページ]

アクセサリー作り体験

・野津めのう店(松江店のみ)[公式ホームページ]
・あとりえgtp[公式ホームページ]

勾玉のお土産

・めのうの店 川島[公式ホームページ]


出雲大社周辺スポット


神門通り

アクセサリー作り体験

・えすこ[公式ホームページ] ※2022年3月31日から体験は一時休止

勾玉のお土産

・めのや 出雲大社店[公式ホームページ]
・まがたまや雲玉[公式ホームページ]
・たまゆら 出雲大社店[公式ホームページ]
・ヤオヨロズキセキ[公式ホームページ]


古墳時代から受け継がれてきた島根の「勾玉」は現在、神話のふるさと島根県を連想させる神聖かつ親しみのあるモチーフとして広く親しまれています。また、歴史ある御守りとしてお土産にも人気です。島根を訪れた際には、その歴史に思いを馳せながら「勾玉」の魅力にぜひ触れてみてください。


※この記事は2019年9月に作成しております。現状と異なる場合もございます。

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