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クロキゴショアト

黒木御所跡

 黒木御所跡は港の東、別府港にのぞむ天皇山という小高い山の頂(いただき)にある。

 ここは、隠岐へ配流された後醍醐天皇が、脱出までの1年余りを過ごされた行在所と伝えられている。石碑の建つわずか数十坪の狭い台地は、天皇の不遇時代を偲ばせる。

 しかし、この伝承に反論して、明治末期ごろから学者の間で島後の国分寺を行在所とする説があらわれた。これは「増鏡(ますかがみ)」や平田市の鰐淵寺(がくえんじ)に残る僧頼源(らいげん)自筆の文書などの史料によって裏付けられるとして、国分寺が行在所遺跡の国の指定をうけた。しかし、天皇にまつわる伝承は、当地にしか残っていないことから、黒木御所跡も天皇の行在所として昭和38年(1963)8月に県の指定史跡となった。

 天皇山の登り口には碧風館(へきふうかん)という資料館がある。 これは昭和43年(1968)に建てられたもので、天皇に関する資料、黒木御所跡の伝承にまつわる文書、絵画などを展示している。

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