2022年08月12日 公開
海に囲まれた日本列島には、北から南まで数多くの離島があります。自然豊かでのんびり過ごせる離島は、日本にいながらどこか異国へ来たような雰囲気を感じさせてくれる特別な場所です。
島根県にも豊かな自然に恵まれた離島があり、観光で訪れれば、島の歴史や文化、美しい景色をたっぷりと楽しめます。そこで今回は、島根県の豊かな自然が満喫できる隠岐4島を紹介!それぞれの島の魅力やおすすめスポットをお伝えします。
日々の騒がしさや忙しさを忘れて、ゆったりした時間を過ごしてリフレッシュしたいという方はぜひ参考にしてください。
島根県と聞いて離島をイメージする方は、多くないかもしれません。しかし、島根県には369島もの離島があり、「島が多い都道府県ランキング」では4位に入っています。これは、離島が多いイメージが強い沖縄県を上回る数です。
多くは小さな無人島ですが、隠岐諸島は観光が楽しめる離島として人気を集めています。それでは、隠岐諸島について詳しくご紹介していきましょう。
隠岐諸島は島根県沖合にある島々で、4つの有人島が「島前」と「島後」の2つのエリアに分かれています。
【島前】海士町(中ノ島)、西ノ島町(西ノ島)、知夫村(知夫里島)【島後】隠岐の島町
2013年には「大地誕生の謎」や「人と自然」のつながりを知ることができる場所として、「世界ジオパーク」に認定されました。火山島である隠岐は、波や風の浸食によって今の姿に変化。自然が織りなす美しい景観は世界でも有数だといわれており、それぞれの島に、名所や絶景スポットがあり見どころが満載の離島です。
本土から隠岐諸島への移動手段は、「フェリー」と「高速船レインボージェット」、「飛行機」の3つです。所要時間は、七類港(松江市美保関町)からフェリーで約2時間半、高速船は約1時間の船旅が楽しめます。また、鳥取県の境港からも隠岐への船が出航しています。
飛行機をご利用の場合は、出雲縁結び空港から約30分、大阪(伊丹)空港からは約50分程度で島後にある「隠岐世界ジオパーク空港」に到着します。
島前3島の間は、日常的に運航されている「内航船」で行き来できます。島前と島後の間を移動する手段は、「フェリー」か「高速船レインボージェット」のみとなっています。
それでは、自然豊かな隠岐諸島4つの島をご紹介していきましょう。
隠岐諸島でもっとも大きい島です。海岸からは、日本海の荒波に削られた断崖や奇岩が望め、エメラルドグリーンに輝く海がその雄大さを際立たせています。また、面積の約8割を森林が占めており、不思議な巨木や滝などの神秘的なパワースポットも人気です。
「日本の名水百選」に選ばれた「天川の水」を中心に豊かな湧水に恵まれており、農業が盛んです。後鳥羽上皇が生涯を終えた地としても知られ、その縁の文化は今でも受け継がれています。縁結びのパワースポットやブランド牡蠣などさまざまな魅力に溢れた島です。
島全体に広がる草地や山林を利用した放牧が昔から行われており、牛や馬がのんびりと過ごす姿が見られます。国賀海岸には大絶壁「摩天崖」や「通天橋」があり、ダイナミックな絶景が7キロに渡って広がっています。また、日本で初めて岩ガキの養殖に成功させた地としても知られています。
隠岐諸島の中で本土に最も近く、県内唯一の村です。豊かな自然が多く残っており、野生のタヌキに出会えることも。島根半島や鳥取県の大山を望む360度大パノラマの景色「赤ハゲ山」、自然が造りだした壮大な「赤壁」など絶景ジオスポットも楽しめます。
白島展望台からの景色
隠岐の島町でもっとも人気を集めるおすすめスポットが「ローソク島」です。海面から20mの高さでまっすぐそびえ立つ巨大な奇岩の先に夕日が重なり、ローソクが灯ったように見える景観は圧巻。
付近には展望台もありますが、ローソクのように見える美しい夕景は「遊覧船」からしか眺められません。また、季節や天候、海の状況によっては夕日が見られないこともあるため、事前に天候などをチェックしておくことをおすすめします。
※現在、ローソク島展望デッキへの遊歩道は通行できません。(2024.05現在)
・ローソク島遊覧船の詳細
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「日本の滝百選・日本名水百選」にも選ばれている滝の名所です。屏風が連なったような岩壁の中央に壇鏡神社があり、その左右に高さ50mの雄滝と40mの雌滝が流れ落ちています。
岩壁と緑に囲まれた景色はまさに幻想的。自然のエネルギーを感じることができ、古くからパワースポットとしても知られています。雨の日や雨上がりの後は水の量が増し、迫力のある滝の姿を見せてくれます。
隠岐の島町にある標高608mもある最高峰の大満寺山に佇む巨木です。樹齢約800年といわれる岩倉神社のご神木で、県の天然記念物にも指定されています。
地上10mほどの高さから伸びる20個以上もの乳根は、まるでアートのような美しさです。長いものは約2.6mにも達し、自然の生命力を間近で感じられます。あたりは夏でもひんやりしており、神秘的な雰囲気を漂わせています。
三郎岩(太郎・次郎・三郎)
海士の名所のひとつ「三郎岩」を目指し、菱浦港から出港する半潜水型展望船です。三郎岩は大中小と3つの岩からなり、「太郎」「次郎」「三郎」と呼ばれ、兄弟のように仲良く並んでいます。
海中展望船「あまんぼう」で海中散歩ができるのは約50分。海藻や数多くの魚たちが遊泳する三郎岩付近の美しい海中をたっぷりと望むことができます。また、夜光虫が見られるナイトクルーズも人気。神秘的な夜の海中散歩が楽しめます。
・海中展望船「あまんぼう」の詳細
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昭和14年に後鳥羽上皇の没後700年を記念して建てられた神社です。境内は5万平米を超え、島の中の神社としては壮大な面積を誇ります。境内には土俵があり、毎年10月に行われる「ちびっこ相撲」は、島の人たちがにぎわうイベントのひとつです。
また、隠岐神社は隠岐エリアでも随一のお花見スポット。春になると約250本の桜の木が満開の花を咲かせます。
約280万年前の噴火によってできたといわれる赤褐色の奇岩と断崖が魅力的な景勝地「明屋海岸」。見る角度によってハート型にくり抜かれたように見えることから「ハート岩」と呼ばれており、縁結びのご利益があるとしてカップルに人気のスポットとなっています。
海食崖や海食洞が約1km続き、赤褐色の奇岩とエメラルドグリーンの海とのコントラストはなんともいえない美しさです。海水浴場として楽しめることはもちろん、町営のキャンプ場も併設しているので夏の旅行にもおすすめです。
通天橋
東西に約7kmにわたって海食作用を受けた断崖絶壁が続く海岸です。昭和13年に「国の名勝および天然記念物」に指定されており、隠岐一の景観美とも言われています。
展望台からは摩天崖や通天橋など国賀海岸が一望でき、断崖絶壁は高さ200mを超え、そのスケールの大きさは圧巻。とくに「摩天崖」は海抜257mの大絶壁、海蝕崖では日本一の高さを誇ります。
付近には、「明暗の岩窟」と呼ばれる約250mに及ぶ海の洞窟があり、海の状況によっては観光船で入れることもあります。
ホテルが所有するクルーザーで、夜の西ノ島町の湾内を遊覧できます。大自然の広大な夜空でキラキラと輝く満天の星は、目も心も奪われる圧倒的な美しさ。さらに、波しぶきに反応して暗闇の中で青く光る夜行中が神秘的な雰囲気を演出。都会では体験できない、特別で贅沢な時間が過ごせます。
波音と潮風を感じながら、昼間とはまた違った海の表情を楽しんでください。
・ナイトクルージングの詳細
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浦郷港の由良の入江に面したところにある古社。海上守護神として由良比女命(ゆらひめのみこと)が祀られており、島の漁業を守っています。由良比女神社の前に広がる由良の浜は「イカ寄せの浜」と呼ばれ、毎年10月〜2月の時期に大量のイカが押し寄せていたことで知られています。
由良の浜には、「イカ寄せ伝説」があり、芋桶に乗って海を渡る由良比女命の手をイカが引っ張ったお詫びとして、イカの大群が押し寄せるようになったと伝えられているようです。
赤ハゲ山展望台付近で放牧されている牛
標高325mの赤ハゲ山は、知夫里島の西部に位置しています。山頂に設置された「展望台」は、360度大パノラマの絶景が見渡せる隠岐随一の展望スポットとして人気。世界でも珍しいカルデラ湾や島根半島、大山までを眺めることができます。
また、放牧された牛や馬がのどかに草を食べる姿、春には野ダイコンの花が一面に咲く美しい風景を楽しめます。
「赤壁」は島の西海岸線に位置する高さ50〜200mの絶壁です。日本海の荒波に荒々しく削られた約1kmにわたる赤褐色の岩肌は、時間帯によって様々な表情を見せます。
とくにおすすめの時刻は夕暮れどき。夕日が赤褐色に染まった断崖を照らし、青い海とのコントラストで美しい景色をつくります。
「島根の名水百選」に選ばれている湧水です。島内では、お米を炊いたり、コーヒーを淹れたりと料理や飲料用として使われています。目印のたぬきの石像は、見るだけでどこか心がほっこり。島の散策中に喉を潤すのもおすすめです。
知夫村には「河井の湧水」のほかにも、井戸や山頂から湧水が出ており、豊かな水源がある地として知られています。
隠岐4島は1年を通して楽しめる魅力的な場所です。季節ごとに見られる景色や旬のグルメが変わるため、いつ訪れてもそれぞれの島の魅力をたっぷりと感じられるでしょう。そのため、島根の離島ツアーのベストシーズンは、目的によって異なります。
島内をのんびりと散策して、景色や季節の花を楽しみたい方は、春や秋がおすすめです。シュノーケリングなどのマリンスポーツ・ウォータースポーツ、海水浴を楽しみたい方は、夏に訪れるのが良いでしょう。そして、隠岐諸島の名産である「隠岐松葉蟹」などのグルメを楽しむなら冬を選んでください。
ただし、11月以降や台風シーズンは海が荒れる日が増え、島間を移動する船が予定通り運航しないことがあります。事前に天候を調べてから計画を立てるようにしましょう。
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島旅は少し難易度が高く感じるかもしれません。しかし、隠岐の島町、海士町、知夫村、西ノ島町の4島それぞれに、自然が築き上げた絶景や名所、独自の文化があり、その島でしか得られない特別な体験と感動が味わえます。
ここで紹介した、おすすめスポットは島のごく一部です。魅力あふれる隠岐4島で身も心もゆるやかに、ゆっくりと流れる島時間をお過ごしください。
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