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美田八幡宮田楽

この神社では隔年(西奇数年)9月15日、土地の人々により十方拝礼(しゅうはいら)と呼ぶ例祭が行われる。祭礼は神の相漢、獅子舞、田楽の三部で構成されている。このうち芸能としての特徴をよく残している田楽は、全国的に見ても屈指の芸能であるとして昭和36年(1961)6月に県の無形民俗文化財に指定されている。

田楽は田の諸霊を鎮めるために始まった芸能で、平安時代後期から地方へ伝播したと言われるが、盛んであったのは中世である。美田八幡宮に田楽が奉納されたという記録は天正18年(1590)が最も古いが、口伝によると後白河法皇時代に島に入って来たとしている。

神の相撲、獅子舞が終わると田楽が始まる。最初の中門口の踊りは低音の口調子と大きな鼕(どう)の音に合わせて僧形の2人の中門口が舞う、ゆっくりとした幽玄な舞である。つぎは一転して急調子の気合にのって鼕を打ちながら鳥の装束の2人が舞う鳥の踊り、そして、少年2人がすりザサラを手に踊る小ザサラの踊り。この三つの序曲風の踊りのあと、前出の踊り手に6人の脇役が加わっての総踊りとなる。背あわせ、座かわり、腹あわせ、居車など田楽特有の所作があり、緩急変化に富んだ踊りである。最後に中門口2人が再度舞って締めくくりとなる。全部で2時間近くを要する本格的な田楽芸で、中門口の表摺の僧衣、小ザサラの赤い衣装など色彩的に見ても美しく、離島ならではのしっかりとした伝統が中世の世界を彷彿とさせる。

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