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稲佐の浜から出雲大社へ。神々が通る由緒ある「神迎の道」をたどる

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2019年09月16日 公開

縁結びの聖地として名高い出雲大社。この近くにある「神迎の道」という通りをご存知でしょうか。

出雲では旧暦の10月、全国の神様が集って“神議り(かみはかり)”という会議が行われると伝えられています。この会議は「神在祭」といわれ、出雲大社の祭神、大国主大神(おおくにぬしのおおかみ)のもとに全国の八百万の神様が集まるとされています。参加する神々は、出雲大社の西約1キロにある「稲佐の浜」で迎えられたのち、大社境内まで向かいます。この時の神様たちの通り道が「神迎の道」です。

出雲大社周辺には、神話や伝統文化にまつわるスポットが数多く残りますが、この「神迎の道」もその一つ。稲佐の浜をスタート地点に、神様たちが通る道をたどって出雲大社詣りをしてみませんか。

 

 

全国の神々が出雲に集う「神在月」

旧暦の10月と言えば「神無月(かんなづき)」。その由来は諸説あるようですが、全国の神様が出雲に出かけるため不在になるからともいわれています。一方、この時期、出雲の地では神様が集まってくるため、古くから「神在月(かみありづき)」と呼ばれています。

 

【神在祭】神議りのテーマは「人の縁に関わる万事諸事」


[写真]御神火が焚かれる中、神事で神々を出迎えます

古式ゆかしく神々をお出迎え

全国各地から出雲に集まってこられた八百万の神様たちは旧暦10月10日夕刻、稲佐の浜での「神迎(かみむかえ)神事」で迎えられます。注連縄が張り巡らされた斎場には、神々を先導する龍蛇神、神の依り代となる神籬※(ひもろぎ)が配置され神事が執り行われます。御神火が焚かれた浜は厳かな雰囲気に包まれます。
※神籬…神事を神社ではない場所で行う際に臨時に神を招くための依り代のこと

[写真]左:神々が宿る神籬は絹垣で覆われる 右:神様の宿となる十九社

御使神を先導に神迎の道をご神幸

神事が終わると浜を後にし、絹垣で覆われた神々は、龍蛇神を先導に ”神迎の道” を進み「出雲大社」へと向かいます。そして、神様たちが到着した翌日から7日間にわたって「神在祭」が行われます。人が知ることのできない諸般の事柄について神様たちが神議りを開き、男女を含むさまざまな縁についてもこの時に決められると伝えられています。

神在祭はあくまでも神聖な儀式。神議りの妨げにならないよう、地元の人たちは期間中静かに謹んで過ごします。

【お忌みさん】
地元出雲では神在祭の期間中、粗相がないよう忌み慎む風習があることから「お忌みさん」とも呼ばれています。

神在祭特集

 

「神迎の道」とは、神々を迎える神聖な通り

全国の神様を迎える稲佐の浜から出雲大社への道のりは、古くから地元の人々にとって神聖な地として大事にされてきました。普段は地元住民に欠かせない生活道路ですが、旧暦10月10日には一変。一帯にしめ縄が張られ、神々がお通りになる時間帯には、家々の明かりが消え静寂に包まれてゆきます。

住民は声を出したり、音を出したりせず、道の両側に並び拝礼をして神様をお迎えします。その昔は、神様と目を合わせないように家の中からそっとお迎えされていたそうです。

そんな由緒ある道を、後世や地区外の人たちにも知ってもらおうと、2004年から沿道の有志らが取り組みをスタート。「神迎の道」と名付け、環境整備や文化伝承に努めています。地元に残る「禊の風習」で使う竹筒に花を飾ったおもてなしや、通りの魅力を発信して活動を続けています。

 

温故知新!神迎の道を歩いてみよう!

歩く、見る、感じる

出雲の地を訪れたなら、一度はぜひ、神様たちが通る由緒ある道を歩いてみませんか。神々はどのような景色を見ながら、神議りの会場へと向かわれたのでしょうか。賑やかな通りとはまた違った小路の新しい魅力にきっと出会えるはずです。

神々を迎える「稲佐の浜」からスタート

稲佐の浜を起点に、出雲大社の勢溜を目指しスタート。この浜は、全国から集まった神様たちをお迎えする場所でもあり、また神話の舞台としても有名な観光スポットです。ひと際目立つ丸い岩は「弁天島」と呼ばれ、岩上には、海を司る神様である豊玉毘古命(とよたまひこのみこと)を祀る小さな祠があります。

弁天島をシルエットに夕陽が沈む景色は幻想的で、「日が沈む聖地出雲」として日本遺産にも登録されています。

● 神話の舞台として知られる景勝地

稲佐の浜は、出雲大社の祭神である大国主大神が、高天原から派遣された建御雷神(たけみかづちのかみ)と国譲りの交渉をした神話の舞台としても知られています。浜から約50メートル山手にある屏風を立てたような岩(屏風岩)の陰が、その話し合いの会場だったそうです。

「出雲国風土記」に記された「国引き神話」では、稲佐の浜から南へ続く島根半島西部の海岸が、島根半島と今の三瓶山をつないだ綱だともいわれています。

編纂1300年を迎えた【古事記の神話】

いざ「神迎の道」へ

浜沿いに国道431号を約300メートル南に進むと、海岸沿いに建つ2つの大きな灯篭が見えてきます。これが「神迎の道」の入口の目印。東(出雲大社方向)に向かって伸びる小さな道が「神迎の道」です。

両側には古くからの民家が立ち並ぶ静かな通りになっています。ここから歩くこと約20分で、出雲大社にたどり着きます。

「潮汲み」で使われる竹筒で花のおもてなし

通りを歩いていると目に入るのが、家々の軒先に飾られた竹筒の花。沿道に住む人たちが飾っているものですが、この竹筒(箍(たが))は地元に残る禊(みそぎ)の風習「潮汲み」で使われている重要なアイテムなのです。

地元の人々は古くから毎月1日の朝、各自が作った箍を手に稲佐の浜に向かい、潮を汲んで出雲大社に参ってきました。持ち帰った潮は、笹の葉を用いて自宅や家族を清めるそうです。

民家や商店では、通りを歩く人々へのささやかなおもてなしとして、この「潮汲み」に使う箍に山野草などを飾っています。コロナ禍前には、神在祭や春の例大祭の期間中、地元の住民らが休憩所を出して、ぜんざいやお茶などを振る舞ったりしていました。旅先での偶然のご縁を得て、通りに親しみを持つ人も少なくありません。

趣ある建物やご当地グルメスポットも

道沿いには、美術館や歴史ある寺社、ご当地グルメが味わえる老舗から、お土産を買うのにピッタリなお店などもあるのでゆっくり巡ってみましょう。見逃してしまいそうな小路の先にも、地域の特徴が感じられるスポットが点在しています。

出雲大社の勢溜を経て参道へ

神迎の道を抜けると出雲大社の表参道「神門通り」や、大鳥居がある「勢溜(せいだまり)」が見えてきます。出雲大社の正門である勢溜に到着したら、いよいよ出雲大社を参拝。
参拝作法やルートは事前に確認し、すてきなご縁をいただきましょう。

見どころいっぱい!「神迎の道」と周辺裏路地の立ち寄りスポット

人の息吹を感じる「神迎の道」には、民家の間に多彩な立ち寄りスポットが点在しています。稲佐の浜から出雲大社までの道中でぜひ楽しんでください。

■ 出雲の芸術文化や工芸品にふれる

趣ある蔵に並ぶ、出雲の工芸品を鑑賞

道中、ひと際目を引く白壁の蔵。ここは、大社の名家「手錢(てぜん)家」の代々の当主が蒐集した工芸品が並ぶ美術館です。掛け軸や刀剣、古文書などテーマを決めて展示する企画展示と、楽山焼(らくざんやき)や布志名焼(ふじなやき)など出雲地方の伝統工芸が並ぶ常設展示があります。出雲地方の暮らしと文化を知ることができる展示はもちろん、江戸時代に建てられた米蔵と酒蔵を活用したノスタルジックな展示室も見ごたえ十分です。

手錢美術館
〒699-0751 出雲市大社町杵築西2450-1
[TEL]0853-53-2000
[営業時間]9:00~17:00(最終入館16:30)
[定休日]火曜(祝日の場合は開館、翌日休)、年末年始、展示替期間中

出雲らしい器をお土産に

ほっこりとした雰囲気の手作り看板がお出迎えする陶器店。店内には、「北山ブルー」とよばれる深い青色が美しい「出雲北山窯」や、雲南市の「白磁工房」など地元窯元の器のコーナーがあり、旅の思い出に購入するのもおすすめ。人気は、出雲のご当地そば「割子そば」の器。親しみやすい店主との会話もぜひ楽しんで。

やきもの かわい
〒699-0701 出雲市大社町杵築東690
[TEL]0853-53-2422
[営業時間]10:00~16:00 [定休日]不定休

レトロでかわいい!伝統工芸品

島根県ふるさと伝統工芸品に指定されている「大社の祝凧(いわいだこ)」。かつて出雲大社の国造家に祝い事があると、稲佐の浜で巨大な凧を揚げてお祝いしたことに由来する「祝凧」は職人が一つひとつ作る一点物。縁起物として、出産や新築といったお祝い事の贈り物やお正月の飾り物に買い求めていく人も多くいます。

大社の祝凧 高橋
〒699-0701 出雲市大社町杵築東724
[TEL]0853-53-1553
[営業時間]9:00~19:00 [定休日]不定休

路地裏のおしゃれスポット

出雲そば店「そば処 田中屋」のすぐ近く、路地裏にひっそりと立つセレクトショップ。築50年以上の木造平屋の民家をリノベーションした店内には、そばをより素敵に楽しめるような器や雑貨、オリジナル商品などが並んでいます。

田中屋分店
〒699-0711 出雲市大社町杵築南952
TEL:0853-53-2351
[営業時間]11:00~15:00 [定休日]不定休

■ 甘くて美味しいスイーツでひと休み

通りの中間地点には、ご当地スイーツが楽しめるお店があるのでぜひ味わってみて!

お土産にもピッタリな新感覚カステラ

地元の人に愛されている、レトロな店構えの和菓子店。季節の花などを模した伝統的な「ねりきり」のほか、スフレのようなふわふわ食感の「雲のかすてら」、季節のフルーツを包んだ「雲の大福」など、手作りにこだわった和菓子がずらり。寒天や葛を使い、ぷるんとした食感が楽しめるアイスバー「シャリバー」は、まち歩きのひと休みにピッタリ。

御菓子とみや
〒699-0701 出雲市大社町杵築東571
[TEL]0853-53-2004
[営業時間]8:00~18:30 [定休日]水・元旦

やさしい甘さに心ほぐれる手作りアイス

島根産の季節のフルーツやミルクなどを素材に使用したアイスクリームやドリンクが味わえます。松江市の干し柿や江津市のマルベリー(桑の実)といった地元ならではの味わいが楽しめるのも魅力です。カラフルでキュートな見た目は写真映え抜群。島根の恵みたっぷりのやさしい甘さ。

LoTa 森田屋
〒699-0701 出雲市大社町杵築東576
[TEL]0853-27-9653
[営業時間]11:00~17:30 [定休日]水・木曜

名物グルメ!「定番出雲そば」&「ご当地グルメ」どちらを楽しむ?

■ やっぱり食べておきたい出雲の郷土料理「出雲そば」

神迎の道沿いでは、「手打ち出雲蕎麦 千鳥そば」「そば処 かねや」「出雲そば 荒木屋」「出雲そば きずき」の4店舗で、出雲そばを味わうことができます。店ごとに異なる味わいを楽しみましょう。

店舗の詳細はこちらでチェック!

出雲大社周辺のグルメ情報満載!

■ 発見!神迎の道や裏路地の美味しいご当地グルメ

きんぐ

大社のご当地グルメ「大社焼きそば」が味わえる食事処。「大社焼きそば」は、うす味に仕上げた麺と具材に、オリジナルソースを好みで後がけして食べる珍しいスタイル。ソースに麺がよく絡みクセになる味わいです。

〒699-0701 出雲市大社町杵築東599
TEL:0853-53-2473
[営業時間]11:00~22:00 [定休日]水曜(臨時休業あり)

食事処 小望月

民家が並ぶ中にひっそりと現れる食事処。静かな店内で、一品一品手作りしたうどんやカレーのセットを楽しめます。お店が開くのは、ひと月に数回なので、訪れる前には必ずお問合せを。

〒699-0701 出雲市大社町杵築東620
TEL:0853-53-0257
[営業時間]要問合せ [定休日]要問合せ

TAMARIBA NAMI

古民家をリノベーションした、居心地の良い家のような雰囲気の居酒屋。自家製の野菜や地元産食材をたっぷり使った料理の数々と地酒が楽しめます。自家製の燻製ベーコンを使った料理は必食。

〒699-0701 出雲市大社町杵築東437-3
TEL:050-1041-5514
[営業時間]金~日曜、祝日、祝前日:17:00~24:00
※新型コロナの影響により、当面の間、月〜木曜は予約制
[定休日]火曜、ほか不定休

看雲楼

神迎の道から出雲大社大駐車場に向かう道沿いにある、明治15年創業の老舗割烹和食堂。出雲の伝統料理のほか、そば、丼物、定食が味わえます。人気の「縁結び膳」は、出雲そばのほか全9品でボリューム満点。

〒699-0701 出雲市大社町杵築東489-1
TEL:0853-53-2017
[営業時間] 11:30~14:00, 17:30~21:00(OS20:00)
[定休日]不定休

浪花鮓

路地裏にある、どこか懐かしい店構えの老舗寿司店。ネタは旬の魚介類を常時15種類程度揃え、「握り」のほか、新鮮なネタが5種入ったボリュームたっぷりの「スペシャル巻き」も人気です。

〒699-0701 出雲市大社町杵築東385
TEL:0853-53-0260
[営業時間]11:30~13:30, 17:00~21:00(LO20:30)
[定休日]水曜、隔週木曜
※その他年始等連休あり

 

【 まち歩きで見つけた!昭和レトロな風景 】

神迎の道には、ところどころに懐かしい昭和レトロなものを見つけることができます。旅の思い出に自分だけのベストスポットを探してみてください。

紹介したスポットをマップでチェック

マップを

 

[関連リンク]出雲大社の情報充実!

 

 

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