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イイナシガワ

飯梨川

安来市内から中海に注ぐ一級河川

安来市広瀬町の奥地を源とし、安来市赤江で中海に注ぐ延長39.9kmの一級河川です。古くは富田川といいました。上流の県営布部ダムおよび山佐ダムは、現在は松江市をうるおす一大水がめとなっています。中流には尼子一族や山中鹿介の歴史で有名な月山富田城があり、そこから約 2km下流にはさぎの湯温泉と足立美術館があります。下流は豊かなデルタを形成し、酪農やイチゴなどの近郊農業が盛んです。この流域は古くから開けたところのようで、仲仙寺古墳群をはじめ宮山古墳、造山古墳などはこの下流域西側に築かれています。もっとも古墳時代はデルタ形成はまだ少なく、現在の海岸線より1km前後山寄りでした。
なお流路は、長い歴史の中では再々かわっており、広瀬町付近の現在の流路は寛文6年(1666)の洪水以来のものです。この年、出雲地方では大洪水があり、設置されたばかりの広瀬藩は大被害をうけ、富田城下の町並みは、すっかり土砂に呑み込まれてしまったのです。昭和40年代以来発掘調査が進められている富田川河床遺跡は、この時の洪水で埋没した旧城下町の跡で、鍛冶屋などの職人屋敷や一般人、武家の屋敷構えが、多数の陶磁器片や鉄器類など生活用具とともに発見されました。それまでの川は富田城と反対の西側の山寄りを流れていたといわれています。上流でたたら製鉄が行われていたため、流れ出る土砂で著しい天井川となっており、築堤などの十分でなかった昔は洪水のたびに、流路を恣意に変える気まぐれな暴れ川だったのでしょう。河口部は県下有数のシギ、チドリ類をはじめとする渡り鳥の渡来地となっており、冬にはハクチョウもやって来る貴重な地域です。河岸丘陵には観光梨園があります。

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