2024年10月31日 公開
島根半島の西端に位置する出雲市・日御碕(ひのみさき)。縁結びの聖地・出雲大社とともに、出雲神話の舞台となった定番観光地のひとつです。エリア内には海景色に映える白亜の灯台や朱色の社殿が鮮やかな古社といった名所、海鮮丼をはじめとする魚介グルメと魅力がいっぱい。出雲大社から車で約20分と近いため、出雲大社の参拝とあわせて巡るのもおすすめです。
今回は、そんな日御碕の見どころからおすすめ宿、巡り方のポイントまで、旅する前に知っておきたい日御碕のキホンをご紹介します。
波の浸食を受けた絶壁、地殻変動によって隆起した奇岩など、変化に富んだ海景色が広がる景勝地。「大山隠岐国立公園」に指定され、地質学的に貴重な場所であることから「島根半島・宍道湖中海ジオパーク」にも認定されています。また、神話に登場する天照大御神(アマテラスオオミカミ)、素盞嗚尊(スサノオノミコト)の二柱を祀る日御碕神社は、厄除けのご利益があるとして有名なスポット。サザエやワカメなど海産物の宝庫であり、 お腹も心も満たしてくれる飲食店が複数点在します。心地よい潮風を感じながら、ゆったりとした散策をお楽しみください。
「日御碕灯台」の周辺は、見どころが集まる中心地。コンパクトな範囲に景勝地や飲食店、土産物店が集まっているので徒歩でも充分に巡れます。車で来訪の際は、「日御碕県営駐車場」に車をとめてから向かいましょう。
また、周辺は遊歩道が整備され、休憩場所や展望台も設置されています。「日御碕神社」へは、日御碕県営駐車場から徒歩で10分ほど。※日御碕神社付近にも無料駐車場あり。
【車/タクシー】
・山陰道出雲ICから約30分
・出雲大社から約20分
・JR出雲市駅から約35分
【バス】
・JR出雲市駅 ~ 一畑バス日御碕線利用で約60分
・出雲大社バスターミナル ~ 一畑バス日御碕線利用で約20分
2024年12月24日(火)10時より、大型車両を含む全ての一般車両が通行可能となる新たな仮設迂回道路の運用が開始されます。詳細は下記サイトにてご確認ください。
地面から塔頂までの高さ43.65mと、石造りの灯台としては日本一の高さ。空と海の青に映える白亜の灯台は日御碕のシンボルです。国の重文、登録有形文化財の指定を受けるほか、「世界灯台100選」にも選出されています。明治36年に初点灯以来、海の町・日御碕の海運・漁業の安全を見守ってきました。内部はレンガ積みの二重殻構造となっており、外壁と内壁の間に空間を設けた独特の造り。163段のらせん階段を上がった先、展望台からは360度の絶景が広がります。晴天時には島根県沖の隠岐諸島、中国山地を遠望できます。「恋する灯台」にも認定されており、不定期で日没後にライトアップを実施。色彩豊かな灯台の七変化も必見です。
奈良時代に編纂された「出雲国風土記」に、「美佐伎社」の名で記された由緒正しき古社。素盞嗚尊(スサノオノミコト)を祀る「神の宮(かみのみや/上の宮)」と、天照大御神(アマテラスオオミカミ)を祀る「日沉宮(ひしずみのみや/下の宮)」からなり、「日御碕神社」は二社の総称。地元では親しみを込めて「みさきさん」とも。桃山時代の面影を残す鮮やかな朱塗りの社殿は、松林を背景に荘厳な雰囲気を漂わせています。
建物全体が貴重な神社建築として国の重要文化財に指定され、細部には動物や植物などの彫刻があしらわれています。そのほか、日の本の夜を守る神社らしく「守」と書かれた御朱印、お清めとして使うお砂をお守りにした「御神砂守」、珍しい「だるまみくじ」といった授与品にも注目。
日御碕灯台の東に位置する海岸。通年で釣りや磯遊びといった海レジャーが楽しめます。海の透明度が高く、特に夏場は波や風の影響を受けにくいことから、多くの海水浴客で賑わいます。駐車場は、近くの日御碕県営駐車場を利用しましょう。
対馬暖流とリマン海流が交差する日御碕沖合は、絶好のダイビングスポット。トビエイをはじめとする海の生き物、さらに海底に沈む神秘の遺跡など、海中から日御碕の魅力に迫りましょう。初心者でも気軽に潜れる体験ダイビング、スノーケリング体験などがあります。
静かな港町である日御碕での食の中心は、やっぱり魚介!刺身や焼き物、豪勢な海鮮丼など、お店ごとの個性を感じながらぜひ味わいましょう。カフェ利用できる店舗もあるので、ひと休みスポットも合わせてチェック。
日御碕県営駐車場からすぐの場所にある食事とお土産の店。日御碕大社漁港から直仕入れする海産物を使った海鮮丼、するめイカ・白イカの焼イカが評判です。そのほか、出雲のご当地グルメ「割子そば」や12種あるソフトクリームといったメニューが並びます。
※2024年10月~2025年2月は改装工事のため、イカ焼き・サザエ焼きのみの営業
水産加工を手掛ける会社による食事処だけあって、提供される魚の品質はピカイチ。日替わりネタがのる海鮮丼と、のどぐろの塩焼き、鮮魚の煮つけ、吸い物、小鉢が卓上を彩る「海鮮丼(漁師丼)」のセットが評判です。店先ではイカ焼きを販売しています。
日本海でとれた高級魚・ヒラマサを秘伝のタレで味わう「ヒラマサ海鮮丼」は必食。島根のブランド米・仁多米のご飯の上に、たっぷり盛られて食べ応え充分です。そのほか、季節限定も含め、アイスを20種以上ラインナップ。テイクアウトすれば店先でひと息つけます。
店内から日御碕灯台を望むロケーション自慢のカフェで、カウンターや小上がりの座敷を用意。食事ならぼべ(べべ)貝で出汁をとった郷土食「ぼべめし」や「日本海丼」がイチオシ。3種のベリーをトッピングした「ベリーベリーベリーパンケーキ」などのスイーツも充実します。
〒699-0763 出雲市大社町日御碕1089-30
TEL:0853-54-5005
営業時間:10:00~17:00(OS16:30)
定休日:水曜日、ほか不定休あり ※冬季に10日間程度の臨時休業あり
バフンウニをのせた「ウニ丼」、日御碕でとれたサザエや地魚、岩のりなどが丼を彩る「古事記丼」が名物。店先のホワイトボードに、その日のおすすめが書かれているので要チェックです。店内は小上がりの座敷があり、子ども連れの来店も安心。店内ではお土産の販売もしています。
日御碕神社から海岸に向かって歩いてすぐ、民家の一角に設けられた小さな穴場カフェ。静かな港町の風情に身をゆだね、本を読んだり、スイーツを食べたりとのんびり過ごせます。自家製チーズテリーヌとコーヒーのペアリングをお楽しみください。土日祝を中心に営業中。営業日は事前に確認しましょう。
出雲大社から日御碕灯台まで続く、うみねこ街道沿い(県道29号)のグルメスポット。新鮮な魚介がたっぷりの「海鮮丼」、焼きアナゴの丼、海鮮ラーメンなどバリエーションが多彩。美しい海の景色を眺めながらいただく食事は、格別なおいしさです。夏季には海鮮バーキューが登場します。
灯台まで続く通りや日御碕神社周辺には、昔ながらのお土産物店が点在し、カラフルな貝製品、加工品など、地域色豊かなアイテムが並びます。店舗前では、イカ焼きやサザエのつぼ焼きといった手軽に楽しめるテイクアウトグルメもあるので必食。
100年以上の歴史を有する老舗で、日御碕灯台にもっとも近い土産物店。地元でとれた新鮮なワカメを湯通しして天日干ししたワカメの加工品が名物です。鍋や汁などに、そのまま入れるだけでおいしいと評判。
灯台へ続く通り沿いに立つ一軒。色とりどりの貝を組み合わせた風鈴、灯台をかたどったキーホルダーが看板商品。そのほか、店頭で焼き上げる香ばしいイカ焼きも好評で、丸ごと一杯味わえて満足感も抜群です。
大小・種類さまざまな貝を用いた加工品がずらりと並びます。天井から吊り下げるインテリア、アクセサリーなど、商品のバリエーションも豊富。手ごろ価格から揃うので、港町らしいお土産を記念にいかがでしょうか。
注文が入ってから焼き上げるイカ焼きが絶品。店内ではヒオウギガイやリンホウガイなど、カラフルな貝を販売しています。中には珍しい貝もあるので、あれこれ手に取ってお気に入りを探してみて。
日御碕神社の鳥居前にあるお店で、90余年の歴史を誇ります。店舗・メニューともにリニューアルし、店内では地元産麹を使用した無添加の手作り甘酒、ご当地スイーツ「ぜんざい」などを提供。店内には、オーナーが厳選した地元のお土産が揃います。日御碕で唯一の炭火焼きスタイルのイカ焼きもぜひ。
漁業を営む民宿が多いのも日御碕の特徴のひとつ。アットホームな雰囲気のなかで味わう料理、その土地ならではの飾らない空気感は、ホテルとは違った旅が楽しめるでしょう。また、一人旅からグループまで利用できる使い勝手の良さ、リーズナブルに宿泊できるのも魅力です。
民宿の中では灯台に一番近く、日御碕神社の元宮付近にあります。ビューポイントまで徒歩圏内だけに、夕景やウミネコの飛翔を狙うなら押さえておきたい拠点。浴衣・フェイスタオル・歯ブラシは完備。
海を間近に臨む通常客室のほか、離れの一棟貸し客室が2棟。一棟貸し客室には二段ベッドがあり、バス・トイレ付きと設備充実。朝・夕食は系列飲食店「ぐるめ幸洋」へ。
獲れたての海産物を盛り込んだ夕食が絶品。オーシャンビューの個室、または広間で味わえますが、いずれも夕食は18時の時間厳守となります。入り口では自家製の加工品を販売。
7・8月限定で、宿の眼前に広がる海岸に特設の桟敷が登場。期間中は海の家としての役割を担うほか、希望者は夕食をここで味わえます。潮風を受けながらの海鮮料理は絶品。
県道から一歩入った道の先にある民宿です。その日の朝、漁港から仕入れる良質な近海の幸を提供。季節により夕食を系列店「日御碕ドライブイン」でのバーベキューにも変更可。
渡船・遊漁船を運営し、宿泊利用も可能。釣った魚をさばいて、真空パック・急速冷凍するなど、釣り客向けサービスが充実しているのが魅力です。ほか、スケートボードのパークを併設。釣りの繁忙期には観光客の利用ができない場合があるため事前に要確認。
民宿だけでなく、ラグジュアリーな温泉宿、グランピングなど、プライベート重視の滞在を叶える宿泊施設もあります。利用シーンに合わせて選んでみましょう。
「日御碕灯台」「出雲松島」を望める場所にある、星野リゾートが運営する温泉旅館ブランド「界」。伝統工芸品をあしらった客室、出雲神話にちなんだ食事など、随所に地域の特色が盛り込まれています。塩分濃度が高い「出雲ひのみさき温泉」は、保温と保湿効果があり体の芯から温もると評判です。
大小さまざまなドームテントが7棟あり、その中にはペット同伴OKのテントも。冷暖房も備え、オールシーズン快適に、安心して宿泊ができます。特に人気はサウナと水風呂を備えたツインドーム。夕食は地元食材をBBQスタイルで味わえます。眼下には、雄大な日本海の絶景が広がります。
旬の魚介でもてなす料理自慢の旅館。魚介は漁師であるオーナーが自ら水揚げしたもので、鮮度の高さは申し分なし。湯船には「道の駅大社ご縁広場」から配送する温泉が注がれます。
素泊まり専門のカジュアル宿です。キャンピングカーなどの大型車も駐車できるほど駐車スペースは広々。洋室を中心に客室は4タイプあり、個人から団体まで幅広く受け入れています。出雲の海を周遊する遊覧船「出雲遊覧」も運航し、宿泊者は半額で利用可能です。
日御碕県営駐車場すぐ近くにある観光拠点。手作りの周辺案内図、観光パンフレットを設置するほか、予約制ガイドも受付。ジオサイト周辺を巡るコースなど、全部で4種あります。また、子どもから参加できる周遊プログラム「ひのみさき謎解き」(初級・中級・上級)も実施中。謎解きを進めていくことで、日御碕の魅力にふれられるようになっています。クリアすると、ステキなノベルティをプレゼント!
出雲大社からは車で約20分と近いため、出雲大社観光とあわせて巡るのが定番です。
海岸ドライブを楽しみたい人は、「くにびき海岸道路」から海岸線に沿った道を走り、夕景の人気エリア・道の駅キララ多伎周辺方面へ。大田市にある世界遺産・石見銀山といった西部エリアを組み合わせることでより島根観光を楽しむこともできます。