幸福を招くといわれている七福神の信仰は、すでに室町時代末期、庶民の間に定着していたようだ。一般に『仁王経』の「七難即滅七福即生」の説に基(もと)づくといわれ、七福とは律儀、有福、威光、愛嬌、大量、人望、寿命をさす。よい初夢をみるために七福神の乗った宝船を描いた絵を枕の下に敷いて眠るという風習は、現在まで引き継がれている。つきあいの長い、親しみ易い神様たちなのである。
1年の幸福を祈願して正月元日から7日まで行われる七福神詣(もうで)は、七福神を祀る社寺を巡拝するものである。俳句の季語にも「七福参り」としてのせられている。
出雲地方で行われている七福神詣では宍道湖をとりまく七つの寺院と、番外として大黒天を祀る出雲大社と恵比須天の美保神社を巡拝するコースである。一番は安来市の松源寺(大黒天)、二番は松江市の竜覚寺(福禄寿)、三番は玉湯町の清巌寺(布袋尊)、四番は木次の洞光寺(恵美寿)、五番は出雲市の弘法寺(弁財天)、六番は斐川町の西光(さいこう)院(毘沙門天)、七番は平田市の本性寺(寿老人)である。
いずれも風光明媚な地にあり、信仰とともに観光もできるように配慮されている。またそれぞれの霊場の近くには温泉があり、ゆったりとした巡拝コースといえるだろう。
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