2022年10月11日 公開
何にもさえぎられることのない絶景と昇ってくる朝日を眺めながら、地元の美味しいものを朝ごはんでいただく。そんな究極の “朝活” を楽しめるイベントが島根県にはあります。
それが、島根を代表する名峰「国立公園三瓶山」の山頂の一つである「大平山(たいへいざん)」で、春~秋にかけて月に数回開催されている「天空の朝ごはん」。その魅力を実際に体験した地元ライターがレポートします!
※記事の情報は2022年8月時点のものです
出雲大社のある出雲市の隣、島根県のほぼ中央にあたる場所にある『大田市』。その大田市にある、島根を代表する自然スポットが「国立公園三瓶山(さんべさん)」です。主峰の男三瓶山(標高1126m)をはじめ、6つの峰が環状に連なり、四季折々の自然を満喫できます。
「天空の朝ごはん」が開催される「大平山」もその峰の一つ。
効能豊かな三瓶温泉や、登山やサイクリング、キャンプなど、恵まれた自然を活かしたアクティビティも人気です。
「天空の朝ごはん」とは、大平山山頂で朝日を眺めながら、地元・大田市の飲食店が作る朝ごはんをいただくイベントです。大平山山頂(標高854m)までは、三瓶東の原から「三瓶観光リフト」で登るため、子どもや、山登りをするには体力に自信のない方も気軽にチャレンジできます。
日帰り参加のほか、遠方の方は、前日から近くの宿泊施設を利用する宿泊プランがおすすめ。
体験にあたりいくつかの条件をクリアしないといけないことに注意しましょう。
集合時間は朝日が昇る前の早朝。夜の闇の中、三瓶東の原にある「三瓶観光リフト」ふもとの駐車場を目指します。車を降りれば、光のない闇の中に広がる満点の星!
空気も澄んでいて、時おり流れ星が見えることも。少し早めに到着して星空観賞をするのもおすすめです。
「天空の朝ごはん」は日の出にあわせて開催時間が変わるため、夏は4時過ぎ、春・秋は5時前後と時期によって集合時間も異なります。
三瓶観光リフトの出発地点では、「天空の朝ごはん」スタッフの方がお出迎え。ここで参加費を払い、リフトの往復券を購入して、いざ出発です!
三瓶東の原から大平山山頂までは標高差約255m。ここはリフトに乗ってスイスイ登ることができます。暗闇の中、山頂までの10分間の空中散歩はちょっぴりスリルも味わえます。
この日は晴天だったため、東の空が少しずつ少しずつ暗闇を抜け出し、オレンジの光が線のように差し始め、夜明けの気配が漂います。リフトが登っていくにつれ、ワクワクする気持ちもどんどん上昇!
リフト降り場から5分ほど山道を歩けば、いよいよ山頂に到着です!
ついに大平山山頂に到着!展望デッキで日の出の時間を今か今かと待ちます。
やがて目の前に広がるのは徐々に明るくなっていく世界。白み始めた視界の先には、晴れていれば、遠く日本海や大山(だいせん)が見えることも。秒単位で刻々と変わりゆく空の様子は、一瞬たりとも目が離せない天体ショーのようです。
そして、山の向こうからはまばゆい光が差し、きらめく朝日が昇り始めます。夜が明け、朝がやって来ることを体感できる瞬間です。それとともに、眼下に広がる山々や田園の景色が徐々に色彩豊かになっていく様子にも感動。
朝の光を思いっきり浴びると、体にエネルギーが湧いてくるのも実感します。
朝日が昇ったら、いよいよお待ちかねの朝ごはんです。朝ごはんは地元・大田市の飲食店とコラボした、ここだけのオリジナル朝食!主催者のアナウンスを合図に並んで受け取ります。美味しそうな朝食を前に、地元の方との会話も自然と弾みます。
朝の澄んだ空気の中、遠くの山々の稜線や、眼下に広がる緑豊かな田園風景などここでしか見られない絶景が朝ごはんのお供に。地元の恵みたっぷりの食事と、朝日のパワーが体も心も浄化してくれます。
日の出が近づくと、主催者の方がシャッターチャンスを教えてくれます。徐々に昇ってくる朝日を狙って写真撮影もよし、動画を撮影するもよし、思い思いの楽しい時間をお過ごしください。
帰り道も「三瓶観光リフト」を使用します。帰り道は、明るい朝の陽ざしの中、行きとは異なる景色を見ることができ、リフトを2倍楽しめるのも嬉しいですね。また、希望者は主催者に伝えたうえで登山を楽しむこともできます。
朝4時過ぎに出発して約1時間半の朝体験。宿泊プランを利用した方は一度宿に戻り、ひと息ついたら、ぜひ旅の続きを。朝から体を動かし、朝日を体いっぱいに浴びて爽やかで充実した一日を始められそうです。
≫「三瓶観光リフト」詳細はこちら
※三瓶観光リフトは、冬期は運行していません。
自然の中でいただく「天空の朝ごはん」は、季節ごとに見られる景色が変わるのも魅力の一つ。時期を変えて、また訪れたくなります。そのため、県外からもリピートして参加する人も多くいます。
<春>若葉の季節で青々とした緑の景色が広がります。耳を澄ますと、野鳥の声が多く聞こえるのも春ならでは。
<夏>春よりも一段と濃く深い緑に山々が覆われ、目にも鮮やか。眼下の牧草地も青々とした緑に包まれます。
<秋>気象条件が合えば、「雲海」が見られることも!山々は紅葉に覆われ、赤・黄色と鮮やかに染まります。
多い時には50人が集まるこのイベント。夏休みは子どもと一緒に家族連れの参加も多く、早めの予約がおすすめです。
前日から宿泊をして参加
「国民宿舎さんべ荘」に宿泊をします。遠方からの参加者はこちらがおすすめです。
※雨天で中止になった場合は、別会場にて朝ごはんをいただきます。
■予約開始は、開催日の「6ケ月前の月0:00」よりホームページにて受付開始
日帰りで参加
当日、「三瓶東の原」駐車場に集合します。
※雨天の場合は中止です。
予約者へのご連絡はメールからのみで、中止の場合には前日の18:00までに連絡があります。
また、ホームページからも確認できます。
■予約開始は、開催日の「2週間前の10:00」よりホームページにて受付開始
※先着50名限定。定員になりましたら受付は終了します。
問い合わせ先
住所:〒694-0222 大田市三瓶町志学2072-1 TEL:0854-83-2011
≫「国民宿舎さんべ荘」公式サイト
【集合場所】大田市三瓶町志学1640-2 [MAP]
≫ アクセス情報はこちら
【料金】(日帰り参加の場合)
大人4,900円、小学生3,200円、幼児1,200円(2歳以下は無料:食事なし)
※リフト代込み
参加時に山頂で撮影した写真をご紹介。季節や天候によって変わるため、一度たりとも同じ景色は見られません。ぜひ、自分の目でその絶景を見てきてください。
【写真】展望デッキで朝日が顔を出す一瞬を待ちます
【写真】ご来光。朝日に照らされ、ふもとの風景が見えてきます
【写真】石見銀山にある「ベッカライ コンディトライ ヒダカ」のパンなど、美味しそうな朝食が並びます
【写真】三瓶山の峰に囲まれた「室の内」と朝日に照らされる展望デッキと山の稜線
朝早い時間の集合、車を使って訪れ、山を登ると聞くと参加しづらいイメージもあるかもしれません。ですが、山頂で見られる美しい絶景、美味しい朝ごはんは、自分の想像を遥かに超える感動的なもので、とても贅沢で貴重なひとときでした。
時間の流れに身を任せ、朝日を待つ。昇ってきた朝の光を体いっぱいに浴びる。不思議と体にパワーがみなぎってくるのを体感できました。「天空の朝ごはん」でしかできない感動体験をぜひ味わってみてください。
三瓶山のある大田市には、石見銀山や温泉など魅力的なスポットがまだまだいっぱい!ひと休みをした後にぜひ出かけてみましょう。
■ 世界遺産・石見銀山を訪れたい
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■ アクティビティを楽しむ
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