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出雲大社の祭り

出雲大社では、年間72回の祭祀がとり行われているが、その中で一般によく知られているものに、次のような祭りがあります。

【吉兆(きっちょう)さん】
 1月3日の朝、各町内毎に笛や鼕(どう)の囃子(はやし)を伴奏に「歳徳神」の文字をあらわした金襴の幟(のぼり)を担ぎだし、出雲大社八足門(やつあしもん)前に立てて、神謡をうたい、新年の喜びと、その年の繁栄・安全を祈願します。その後、町内をまわって福をまきます。県指定無形民俗文化財です。

【番内(ばんない)】
 同じ3日、厄年の男性が、厄落としのため、鬼の面をかぶり、金襴の神楽衣装を身につけ、青竹を叩きながら、出雲大社に参り、ついで町内をまわります。親類などの玄関をたたいて「悪魔払い」と大声で呼び、その家の厄(やく)をも払うといわれています。

【例祭(れいさい)】5月14日~16日
 俗に「大祭礼(だいさいれい)」といい、14日、天皇の勅使が代参し、松の馬場で的射祭、流鏑馬(やぶさめ)が行われます。昔ほどではないですが、見せ物、露店で賑わいます。

【涼殿祭(すずみどのまつり)】6月1日
 真菰(まこも)の神事ともいい、本殿の東方300m位の涼殿の地で行います。路上に真菰(まこも)をしいて宮司が踏み進んだのち、氏子が持ち帰って飲むと、腹痛に効くといいます。

【身逃(みにげ)神事(神事祭)】8月14日
 8月14日深夜(午前1時)境内の門はすべて開放され、禰宜(ねぎ)は本殿に参拝し、大国主命の御神幸(ごしんこう)にお供します。湊(みなと)社、赤人(あかひと)社に詣で、稲佐の浜の塩掻島(しおかきしま)で祭事を行い、国造館から本殿へ帰着します。この神事の途中、人に逢うと出直しをしなければならないため、町内の人々は早くから門戸を閉ざし、外出も避けています。

【神在祭(かみありさい)】旧暦10月11日~17日
 旧10月は全国的には神無月(かんなづき)といわれますが、出雲地方のみ神在月(かみありづき)といい、全国の八百万(やおよろず)の神々が集まって、男女の縁組などについて会議をされるといいます。大社では「お忌(いみ)祭」とも呼び、旧暦10月10日の夜、日本海から稲佐の浜へ流れ着く龍蛇(りゅうじゃ)(海柁)を、神の使者としてお迎えする「神迎え」が行われます。

 大社境内の東西の十九社が神々の旅社(たびしゃ)となり、西方五丁(約540m)にある上宮(かみのみや)が会議所となって神議(かみはか)りが行われます。この期間中、妨げがあってはならないと人々は物音を立てずひっそりと暮らすので「お忌祭」とこの土地ではよんでいます。

【献穀祭(けんこくさい)】11月22日~23日
 この年の、農作物の収穫を神に供え、豊作を祝う、新嘗祭(にいなめさい)が行われます。米、野菜、畜牛などの品評会その他の奉賛行事と、国民の祝日とが重なって賑わいます。

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